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たよりの話。

ムスメちゃんとムスコ君、元気~?

久しぶりに会った人に聞かれた。

特に親しくしているつもりはないが、同年輩のお子さんがいるせいか、子供に興味があるらしい。

何も言ってこないから 元気だと思うけど

ま~たまた~!

よくわからない相槌に、めんくらっていると

そんな 他人事みたいに!ハハハ…

さもおかしそうに笑いだした。

いやいや、他人事でしょう、大人だし。

風邪もひくだろうし、二日酔もするだろうけど、そんなこと親に言ってくるかね?

ゲラゲラ笑いに私が同調しないので、彼女は真顔に戻って

えー 子供どうしてるか 気にならない?

なんと彼女は三日にあげず、LINEや電話で離れて暮らす息子さんの様子を聞くというから、今度はこっちが驚いた。

だって心配じゃない?

そりゃあ私だって、我が子だから、どうしてるかな、とは思う。ふたりの住むあたりの天気予報を見れば、寒いかな、と思ったりもする。

でもそれは、あくまでフンワリ、全体の話。

子供の人生の行方は気になるけれど、個々の状況は自分でなんとかしていくしかないし、なんとかするだろう、と信じてもいる。

総論心配・各論安心というところだ。

私は優等生だったが、それでも若いころは、親に黙っていろいろとやらかした。

若気の至りじゃ片付かない、とんでもない失敗もした。

しかし、そのどれも、親には告げないまま切り抜けて、なんとか今日があるわけだ。

もし今、かつての私と同じような、あんなことやこんなことを、わが子がいちいちご注進してきたとしたら、血圧が上がってしょうがない。

離れたところで、隠れてやってくれるからこそ、私も枕を高くして眠れるのである。

最新の息子さん情報をつぎつぎと披露してくれた彼女には

便りの無いのは良い便りっていうしね

などと言葉を濁しておいた。

ゆうびんぽすと



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/02/28 11:30

がいしょく話。

今日はお弁当持ちだった。

自分用だから、ありあわせのパンにテキトーな具を挟んだ、いい加減なサンドイッチだ。

ポットに淹れてきた紅茶を甘くして、パクパクと食べた。

長い午後の仕事も、つつがなく終え、軽くなったお弁当袋を提げて

夕飯、何にしよう…

帰宅の途上、考えるのも、いつもの習慣だ。

記事をお読みいただく方にはうすうす察せられることと思うが、私はぜんぜんグルメではない。

食べ歩きは面倒だし、お金がかかる。かといって料理に凝るわけでもない。

お金や手間をかけて、美味しいものを食べたいという気持が欠如しているのだろう。

作り慣れたメニューを、十年一日のごとく繰り返し、作っちゃ食べ、食べちゃ作る。そんな食生活にじゅうぶん満足している。

玉子はあるし 鶏肉は冷凍が…

冷蔵庫の在庫を思い浮かべているとき

外食がしたい!

不意にものすごく大きな心の声が響いた。

思わず周囲を見回したが、心の声だから、むろん誰にも聞こえない。

人が作ったもん食べたい!

そう、美食がしたいわけではない。ただただ自分が作ったものに飽きたのである。

仕方ない、心の声に従い、今夜は外食に決めた。

ばーきん
(たぶん今日はバーガーキング)



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/02/27 11:30

ごまかす話。

お菓子も、ラーメンも、冷凍チャーハンも、近頃のテレビはなんでもランキングだ。

今朝は焼肉のたれのベスト5。

買物ついでに、ランクインした商品を手に取ってみたものの

あー…これ…

われながらビミョーな反応をして、買わずに棚に戻した。

見ていたのはココ↓

やきにくのたれ

ビン越しに、点々と見えるゴマ粒である。

いつも思うのだが、あれは一体全体何の意味があるのだろうか?

フタを開けてビンを傾ければ、ドドドと流れ出すたれに混じって、ゴマがお皿に出てくる。

お肉をたれに浸けると、数粒が付着するものの、ほとんどはお皿に残ってしまう。

残った皿はシンクに下げられ、スポンジで洗われ、ゴマ粒は洗剤もろとも、あえなく下水へ流れていくのである。

運よく口に入ったゴマ粒だって、消化されているかどうか怪しいものだ。

なにしろ小さいものだ。お肉に隠れて噛み潰されることもなく胃に入り、腸を通過し、さようならと出て行っているに違いない。

皿の上や消化器内を通過するだけなら、そもそもあの粒がゴマである必然性はないではないか。

食品である必要すら、無いかもしれない。

私はケチなので、ゴマの行く末を想像すると、やりきれない。

そんなわけで、焼肉のたれの購入には、二の足を踏んでしまったのであった。



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/02/26 11:30

かにばる話。

相変わらず、ネット広告がうるさい。

何の広告が出るかは、おおむね検索行動の傾向によるようだが、なぜこれが?と疑問がわくことも多い(→ぱんちん話。)。

ちかごろまた、不可解な広告が出るようになったので、表示の設定を調べてみた。

劇場、アートに書籍、辞書、挙がっている項目は、どれも心当たりが…

かーにばる1

うーん…うー… ん?

かーにばる 2

カーニバル?

かーにばる3

人生において、今の今まで、カーニバルについて考えたことは無い。

1秒も無いと断言できる。

カーニバルといえば、遠い地球の反対側で、おへそを出して踊ったり、仲間とワラワラ群れたりしているのを、人ごみをかきわけて観るもの。

かたや、家でひとり、静かにしているのが好きな私。

へそ出しで盛り上がるのも、人ごみにもまれるのも、まっぴらごめんである。

なぜカーニバル情報が必要だと判断されたのか、見当もつかないが、せっかくなので調べてみた。

リオデジャネイロ市とサンパウロ市は、今日25日から予定されていた恒例のサンバチームによるパレードを、4月末に延期しました。オミクロン変異株の拡大で、衛生条件が整わないというのが延期の理由です。

ならけんないのにゅーす
(「以上、奈良からお伝えいたしました」)



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/02/25 11:30

まふらー話。

自動ドアが開くと、いきなり寒い外気。あわててごそごそとカバンを探った。

巻いてきたマフラーがある…あるはず…ない?

朝、玄関を出たときはあった。

駅に着いたとき…あったような気がする。

電車を降りたとき…あった…かな?

どうも記憶がおぼろげである。ひとつだけ確かなのは、マフラーを失くしたということ。

参ったなあ…

とぼとぼと歩き出せば、風がことのほか冷たくて、肩をすくめ、足を速めた。

商店街のアーケードに入って少しホッとしたが、しかし困った。電車に乗って、うちに着くころには、きっともっと寒くなるだろう。

洋品店のウインドウの中の、暖かそうなコートが目に入る。いやいや、こんなことでいちいち服を買っていたら、えらい不経済である。

駅の売店で、カイロでも買おうと決めて歩き出すと、ぱっと見には何屋かわからない、おかしな店に出くわした。

統一感のない、雑多な品物が、歩道にこぼれ出ている、そこは

リサイクルショップにこにこ

よくある全国チェーンのリサイクルショップではなく、物持ちのオジサンが思いつきで始めたような、薄暗い感じの店である。

こわごわ覗いてみると、奥に古本と古雑誌の山がある。古書店に出ない掘り出し物があるかも、と、足を踏み入れた。

木彫りの置物があり、茶道具の桐箱があると思えば、カラフルなおもちゃがとぼけた顔を並べて、店内はまさにカオスであった。

隅の300円均一のワゴンには、贈答用らしい、箱入のタオルが積まれている。

うちのも300円で買ってくれないかな…

埒もないことを考えつつ、近づくと、タオルとは違う箱が、ひとつだけ紛れ込んでいる。

百貨店のマークの付いた、黄ばんだ箱の中身は、マフラーではないか。

こ…これも300円ですか?

動揺を悟られぬよう、つとめて声を押さえて尋ねたら、退屈顔の店番のおばさんは

ふわい~ 

アクビを押さえながら、答えた。お金を払って、店を出たものの、なんだか後ろから

やっぱりマチガイでした~

追いかけてこられそうで、つい、小走りで商店街を抜ける。

改札を通って、駅のトイレに入り、ふるえる手で箱を開けると

かるだんのまふらー

ブランドものの、新品の、しかもカシミヤのマフラーがあらわれた。

そこからの帰り道が、来た道より暖かかったのは、気のせいではない。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/02/24 11:30

しょうわな話。

お天気いいし 寒いけどお墓に行かない?

朝、おばーちゃんからの電話。

父の命日は、毎年ふたりで墓参するのだが、今年はめずらしく雪が降った。

山の上の墓苑は風が強い。老母に風邪でもひかせては大変なので、当日は見送ったのである。

いいけど今日、祝日だよ?

カレンダーの文字は赤色。

わが町は観光地で、祝日は人出が多い。道も混むし、バスが遅れるから、なるたけウロウロしないようにしている。

えっ?何の?

何のって… 何だっけな…

あらためてカレンダーの今日の欄を見直す。

えーッと…天皇誕生日だね

ええ~っ?!4月じゃない!

おかーさん、4月29日は昭和だから!

えらそーにしてるけど、じつは私だって全然ピンと来ないし、考えないと分からない。

私にしろ、母にしろ、生まれてから人となるまで、ずーっと天皇誕生日は4月だったのだ。

いきなり2月なんて言われても 困っちゃうわよね~

そうよね~

相槌を打ちつつ、母と私には平成の30年間が無かったことになっていることに気づき

リンダ困っちゃう~

またも昭和な感想を述べるワタクシであった。

こまっちゃうな
(錦織圭君に似てて 困っちゃうな~)



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ごかぞく | コメント(14) | トラックバック(0) | 2022/02/23 11:30

オバサン本。

最初に持ち帰ったのは、イモートだったと思う。

やせっぽちのオバサンが描かれた表紙の、タイトルは「ハリスおばさんパリへ行く」

はりすおばさんぱりへいく

生真面目な優等生だったその頃の私なら、たぶん選ばなかった、おかしげな挿絵。

子供部屋に放り出してあったその本を手に取ったのは、ただ読むものが無かったからだ。

ロンドンに住む、掃除婦のハリスおばさん。

掃除に通う上流婦人の部屋で、はじめて目にしたディオールのドレスに心を奪われる。

それから、実に3年。働きづめに働き、つましい暮らしをさらに詰めたうえに、幸運も重なって、ついに彼女はパリのディオールの店の前に立つ。

ひと目で下層階級とわかる、美しくも若くもないおばさん。モードの最先端にはあまりにも場違いで、読んでいるこちらまでが恥ずかしくなる。

とうぜん、出会った誰もかれも、はじめは彼女に冷たく当たった。

しかし、その正直さ、まっすぐな情熱、さらには強靭な人生哲学に打たれ、やがてハリスおばさんを味方してやるようになるのだ。

思いがけず手にした夢の時間と、海の泡のような美しいドレス

シワシワのおばさんがそれをまとった姿は、想像の中とはいえ、いささかグロテスクではあるが、同時に勇気が湧く。

人はいくつになっても夢を持ち、いくつになってもそれを実現できるのだ。

著者は、夢を夢で終わらせず、ほろ苦い幕切れも準備していた。小学生の私がどこまで理解できたかは、わからない。

いま、正真正銘のオバサンになっても、心のどこかに希望を抱いて生きていられるのは、遠い昔のハリスおばさんのおかげが、少しはあるかもしれない。

じぇにぃ
(猫の日に際し、同じ著者の切なく美しい猫のお話「ジェニィ」もご紹介します)



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ブックガイド | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/02/22 11:30

かっちん話。

…はー ヤレヤレ…

オリンピックも終わり、平常通りに戻ったテレビの前に、お皿を置いてホッと落ち着いた。

再放送のサスペンスドラマを見つつ食べる、遅めの昼ごはんほどおいしいものがあるだろうか。

いつものレトルトカレーだけど、いつもよりも楽しみなのは、昨日の残りのトンカツがあるから。そう、カツカレーである。

カツカレーは嬉しい。そして忙しい。

チマチマした性格の私は、カレーを食べる時、カレーとゴハンの配分を非常に考える。ラッキョウをどこで挟むか、なども迷うところだ。

カツカレーの場合、さらにカレーのかかったカツ、カレーのかからないカツ、それぞれを、いつ、どのように食べるかの問題が加わる。

ウキウキとスプーンをとり、程よく混ぜたカレーとゴハンを、まずひと口。

…おいしい!

さあ、カツだ。

ひと切れは大きめなので、スプーンで半分にし…

かっちん! (ポロリ)

え?

意気込む手先に力が入ったのか、スプーンはカツの表面を滑り、お皿の縁に当たって、割れた

えええ???

粗忽に生きて50有余年、いろんな皿や鉢を割ってきたけれど、食事中に割ったのははじめてだ。

ショックでしばらく固まっていたが

…どうした!しっかりしろ!

画面のフナコシエ―イチローの声に、我に返る。

かつかれー

あらためて眺めると、欠けたお皿の縁はポロリと外側に落ちて、中身は無事なようだ。

かつかれー2

そーっと欠けた側を向こうに回してみた。

大丈夫か!

画面からは、フナコシ氏の力強い励まし。

うん、大丈夫そうだよ、フナコシさん

念のために、スプーンは新しいのに取り換えて、食事を続行した。



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2022/02/21 11:30

のぞいた話。

新聞は取っていないが、チラシは断りなくポストに投げ込まれる。自動車、パチンコ、宗教…。どれも右から左へゴミになる。

たまに眺めるのは不動産のチラシくらいだ。

売買の予定が無くても、近隣の土地やマンションの取引価格くらいは知っておきたい。

新築物件や、すっかり値崩れした住宅地。建ってかなり経つのに、意外に値下がりしていないと

学区がいいから…いや、イオンが近いからかな…

原因を考えたりする。

ココも下がったなァ…

見覚えのあるマンションの価格に、驚いた。

今の家を決める時、比較の対象になった物件。立地も広さも似たような感じで、どっちにするか、けっこう迷ったのだ。

間取りが魅力的で、そっちにしようかなと思ったこともあった。

ではなぜ、そっちではなく、こっちにしたのか。

理由はペットボトルだった。

そのマンションの下見を終えた後、バス停でバスを待ちながら、ふと振り返った。

みずぬきぱいぷ

石垣に組んだ、コンクリートの擁壁。そこに開いた、水抜きパイプの穴の中に何かが見える。

空のペットボトルが、こちらに底を見せて、突っ込んであるのだ。

気になって他を覗くと、ここにも、その横にも、手の届く範囲のパイプ穴、すべてにペットボトルが入っている。

その時は、ふう~ん、くらいのものだったが、やがてやってきたバスに乗り込んでから、だんだん気味が悪くなってきた。

建物はキレイだけど、なんだかあそこはイヤだ。

最寄り駅に着くころには、気持は決まっていた。

それから15年以上、今の家に住んで、後悔したことは一度もない。



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2022/02/20 11:30

みじんの話。

ぶんぶんチョッパーが便利よ、と言われた。

ぶんぶんちょっぱー

こんな風にハンドルを引くと、入れたものをたちまち微塵に切ってくれる便利グッズ。

安いのヨ、ゼッタイ買わなきゃとススメてくれる人に生返事をしながら

ゼッタイ買わない…

内心では思っていた。

チョップできるということは、鋭い刃がついているはずで、それが怖い。

はるか昔の新婚時代、結婚祝にいただいたフードプロセッサーも、ろくに使いこなせず処分した。

使うのはまだしも、後で刃を取り外して洗うのが、怖くて怖くて手が出ない。

あんな怖い思いをするくらいなら、微塵切りなぞしなくていい。それくらいの気持でいる。

刃が怖いなら包丁はどうだ、とお思いだろうが、これが不思議に怖くない。

ちゃんと砥石なんかも持っていて、夜更けてからシャーシャーと包丁を砥ぎ、ひひひと笑うさまは、さながらヤマンバだ。

包丁とぶんぶんチョッパーの何が違うのか。

思いつくのはスピードの違いだろうか。

高速で回転し、肉や野菜をずたずたに切り裂く鋭い刃を想像しただけで、恐ろしくて居ても立ってもいられない。

もし、そこに、指を突っ込んだら…

キャー!!!

じっさい、使用中は手を入れたりできない構造になっていることは、ちゃんと分かっている。

分かっているのだが、イメージのなかで

キャー!!!

と、なってしまうのは止められない。

そんなわけで、うちの食卓には、微塵切りは登場しないのであった。



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2022/02/19 11:30
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