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さいずの話。

買いかえようか、迷っているものがある。カッターナイフで切るときに使う、カッターマットだ。

今のはA4のノートサイズで、600円くらいだったと思う。

機能に不満はないのだが、たまに大判の紙をカットするとき、いちいち紙の位置をずらさなければならず、ちょっと面倒なのだ。

通販サイトでA3サイズの商品を調べたら、値段は1000円ちょっとだった。

ご存じの方も多いと思うが、紙などのサイズは数字が減るごとに倍になる。

かみのさいず

サイズは倍だけど値段は倍じゃないのか

トクした気がして、さっそく注文しかけたとき、もっと大きなサイズがあるのに気づいた。

A1、つまりA4の8倍の面積の商品だ。

ところが値段は5倍の3千円。えらいおトクである。

つまり大きくなればなるほど、割安になるわけか。

調子に乗って、さらに大きいのがないか、探してみたら、あるある。

A0サイズ、じつにA4の16倍

畳1枚はあろうかという巨大なカッターマットである。値段はえーっと…

…1万5…いちまんごせんえん?!

急に計算が合わなくなったので焦る。

どうしよう…そんな高いの…

いっしゅん思ったが、そんなデカいカッターマットは要らないことに気がついて、ホッとした。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/06/20 11:30

はるかす話。

よかったらそろそろランチでもしない?

ミドリちゃんからLINEが来て、久しぶりに会うことになった。

住まいが離れているため、待合せの場所を決めねばならないのだが

わっかんないよ~ 最近出かけてないし

アタシも~ 何年行ってないかな


2人ともここのところサッパリ出かけていないので、間違いなく会えそうな場所が見つからない。

田舎のオバサンたちがボヤボヤしているうちに、都会はすっかり様変わりしているのだ。

あ、アタシこないだ ハルカスなら行ったよ!

じゃあ様子分かるね ハルカスにしよう


とまあ、こんな具合に決まったのだが、やりとりが終わって、スマホをしまった後

いつからハルカスって呼んでるかな…

ふと思った。 

あべはる

あべのハルカスは、地上300メートルの超高層ビル。完成当時は日本一高いビルとして話題を呼んだ、関西のランドマークのひとつである。

2014年の開業当初、混んだところがキライな私は敬遠してきた。

ただ気になったのは、長い名前はもれなく省略する短気な関西人が、「あべのハルカス」を、どう略すか、ということ(→あべはる話。)。

予想は見事にハズれ、世の大勢は「ハルカス」に定着したようである。

8年以上が経過した今は、さすがに混雑も落ち着き、逆に閑古鳥が鳴く日もあるとのこと。

むしろ、積極的に足を向けてやらねばなるまい、などと、ハルカスにしてみりゃ大きなお世話なのであった。



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/06/19 11:30

そうかい話。

すこしだが父から相続した株式があるので、毎年今時分には、株主総会の招集通知が届く。

しょうしゅうごつうち

新型ウィルスの騒動以前は、暇を見て出席したこともあるけれど、ちかごろは

時節柄、会場の座席数を減らしております

お土産のご用意はございません


書かれているのも、いかにもせちがらい。

議決権行使のハガキに記入してから、事業報告の冊子をパラパラめくっていたら、知った顔に出くわした。

新卒で入社した会社の、同期のケイコだ。

大卒の女子としては初めて、鳴り物入りで採用された同期10人。

30年以上前、雇用機会均等法というものがあっても、じっさい職場では額面通りにはいかない。個々の事情もある。

私を含め半分が、10年を待たずに辞めた。

残り半分に入ったケイコは、第一印象から華やかなエリートだった。ボディコンシャスなビジネススーツを着こなし、颯爽と社内を歩いていた。

バブルが崩壊したあとも、高い能力とカリスマ性をかわらず発揮し、順調に出世したようだ。

常務取締役の肩書の下でほほえむ表情には、いささかの曇りもない。

すごいなあ~

これだけ差があると、妬みも僻みも嫉みも湧かないものだ。

同じ場所で戦い続けた彼女には、さっさとケツを割った者にはわからない困難があっただろう。

捨ててきた夢もあったはずだ。

私は私で、今ここで得たささやかな居場所には、それなりの自負がある。代われと言われても余人に代われない、愛着がある。

もし神様に、彼女と立場を変えてやると言われたとしても、きっと断るだろう。

すごいねえ~

ケイコの笑顔をもう1度眺めてから冊子を閉じ、ゴミ箱に捨てた。



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むかしむかし | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/06/18 11:30

ささゆり話。

そろそろ、私の好きなお祭りの時期だ。

三枝祭(さいくさのまつり)、別名ゆりまつり。(→率川神社 三枝祭

遡ること1400年、飛鳥時代からの由緒あるお祭りで、疫病を鎮めることを祈る。

同じように疫病退散を祈る鎮花祭(→しずめる話。)が春先の花散るころなのに対し、別名の通り野山にユリの花咲く今ごろに行われる。

薄紅のササユリの枝を手に、巫女さんが神楽舞を奉納する。

神前の酒樽も、ユリの花束で飾られている。

ゆりまつり

七媛女、ゆり姫という美女やお稚児さんの行列もあり、とても華やかで、かわいらしい。

こんなゆかしいお祭りが、変わらず続いていること、そして、この美しい人たちが、みな人の健康を祈っていると思うと、ほのぼのと嬉しくなる。

久しぶりに見に行きたくて調べたら、今年も神事は関係者だけで行われ、一般の参拝客はまだ境内に入れないようだ。

世の中がどんどん緩和される中、慎重な県民性を反映していて、ちょっとおかしい。

率川神社三枝祭は、本日6月17日が例祭日。



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/06/17 11:30

きそむの話。

お昼どきの商店街。梅雨時の湿っぽい風に、暖簾がゆれる。

きそむ…か…

きそむ

間違いと知りつつ、なんとなくそう読んでしまうのは、きそばというと別のソバを思い浮かべるせいかもしれない。

高校時代、おひるはお弁当だった。

学生食堂はあったが、利用する人は少ない。

学食で食べているのは、早弁してお腹を空かした、運動部の男子学生くらいのものだった。

メニューも乏しく、うどんにラーメン、定食はあったか、どうだか。自分が利用しなかったので、よく覚えていない。

それでも、同じクラスの生徒が、アレ食べた、コレにしたと話すのを耳にすることはあって

なんのこっちゃ?

謎だったのが、関西弁で「キィソバ」と聞こえる料理だった。

通りすがりに覗いても、壁にもカウンターにも、それらしきお品書きはない。

なんだろ?

わざわざ食べに行く酔狂はないから、キィソバの正体を知ったのは、ずいぶんと後のこと。

キィソバ?ああ…ハハハ…

笑いながら教えてくれたそれは、なんと中華そばにうどんの出汁をかけたものだった。

利用者の少ない学食では、3種類の麵を準備できなかったのだろう。ソバの注文には、中華そばにうどん出汁をかけて出したのである。

キィソバは黄色いそばだった。

きそむの店でキィソバが出たら 驚くよね

人知れず微笑を含んで店の前を過ぎれば、お出汁のいーい匂いが鼻をうった。

しんおおさかそば
(大阪にはキィソバが名物の店があるらしい)



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むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/06/16 11:30

えんそく話。

そとはあめ

昨日は当地も梅雨入り、全国的にである。

そんな中、姪っ子は高校の遠足だという。

昨日は晴れてたのにさ~

イモートが家族LINEでこぼすと

梅雨時に遠足なんてね 延期すればいいのに

おばーちゃんも同調するが、私はなんとも返事ができなかった。

私は雨の日にウロウロするのも、わりに好きなのだ。

カサをさすのも好きだし、ホコリっぽい景色がしっとり濡れて、色を濃くする様子も悪くない。

むろん少数派の自覚はある。

世の中の人の大半は、雨を嫌がる。いつでもいいお出かけは、雨で日延べにしてしまう人もいる。

学校行事も、多くが雨で中止か、延期になる。

しかし、そもそも雨の多いこの国で、晴れが前提、降った瞬間に思考停止してしまうような予定のたて方は、いかがなものか。

教育の意味合いからも、雨でもできることは何か、降った時はどうすべきか、子どもに考えさせる絶好の機会じゃないか、と思ったりする。

メイちゃんの今日の行先は横浜らしい。

カサをさして歩く港もオツなもんだ。中華街で飲茶でもやってれば、1日なんてすぐ終わるよ。

カンカン照りの下、遠足という名の行軍に駆り出されるより、ずっといいじゃない。

え、私?アタシは今日はどこも行かないよ。

だって、だし。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/06/15 11:30

ぴーまん話。

テレビのお料理コーナー、テーマはピーマン

ちゃちゃっとわんぷれーと
(→関西テレビ放送「よ~いドン!」

ピーマンが苦手なお子さんもおいしく…

よく聞くフレーズだ。

子どもの多くはピーマンが苦手らしいが、私は長らくそれに気づかなかった。

なぜなら、うちの子は食べたからだ。

私は子どもの好き嫌いを覚えなかった。

ただ漫然と食事を作るだけで、喜んでいるか、イヤイヤなのか、2人がどんな顔で食べていたか、ちっとも記憶がない。

幼い子のことさえ考えればいい時期に、いったい他の何に気をとられていたのだろう。

私も若かった。家庭に閉じ込められた鬱屈があったかもしれない。

幼稚園のお弁当にも不熱心で、本人が文句を言えないのをいいことに、おざなりに詰めた代り映えしない弁当を、毎日持たせていた。

ある日のお迎えの時、同じクラスのママが

あっ!ムスコ君ママ~!

私を見つけて、やにわに駆け寄ってきた。

そんなに親しい人ではないので、ややたじろぐと

ねえねえ!ムスコ君のオベントにピーマンが入ってる!って ユイが言うんだけど!

息せき切って言われた。

ピーマン?ああ、入れたかも…

食べれるの?わぁ すごぉい!

???

ユイちゃんのママは感激の面持ちだが、何がすごいのか、ピンと来なかった。

その後、なんとなく絵本など見ていくうち

ピーマンをたべてつよくなろう!

だの、

ピーマンだってへいきだよ!

だの、ピーマンが子どもの仮想敵であることに、遅ればせながら気づいた次第である。

子どもの好みも意に介せず、うわの空の母親に出された食事を食べて、ムスメもムスコも、とくに強くはないが、健康な大人になってくれた。

ピーマンは苦い後悔の味。

あの頃の自分を思い出すと、反省ばかりだ。



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/06/14 11:30

たためる話。

折り畳み傘を持たなかった(→ささない話。)私が、持ち歩くようになったのは、小型軽量化のおかげもある。

以前のは畳んだ状態で37センチ・300グラムだったのに、今のは22センチ・150グラム。重さも長さも、半分になったのだ。

たいした技術の進歩である。

ただ、最近の傘で困ることが一つ。

バスの中や商店街のアーケードなど、しばらく傘の要らないとき、昔の折り畳み傘なら

おりたた2

このようにほっそりとまとまったが、今のは

おりたた1

このように棒の先に濡れたモシャモシャがくっついた状態になる。

モシャモシャが邪魔で、身体にひきつけてスマートに持てないし、扱いにくい。

手の濡れるのを我慢してバンドで留めればモシャモシャしなくなるが、こんどは重心が先っぽになって、落ち着かない。

魔法少女のステッキみたいに、重いほうを上に持ち、振り回したくなる。

まほうのすてっき

傘業界には、この点に関して一層の改善を求めたい。日本の技術力を以てすれば、必ずや解決策が見出されるものと期待する。

万が一にも、60近いオバサンが魔法少女化しないよう、早急なる対処を切に願う。



本日多忙のため、2015年6月13日の記事を再掲載いたします。7年が経過しましたが、魔法少女問題は未だ解決の兆しが見えません。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/06/13 11:30

べーきん話。

(昨日より続く)

御供の落雁を食べあぐねて、浮かんだのは

米粉と砂糖ならケーキになるんじゃないか?

きわめて安易なアイデアであった。

まずは、円盤状の落雁を粉にしよう、と端を欠いてみたところ

かたい!

根性ナシの私はすぐに断念した。

硬ければ、ふやかせばいい。ボウルの底に落雁を置き

どぼどぼどぼ…

牛乳を注いだまでが前回。

さしもの落雁も、しょせん砂糖である。水分の前にはなすすべもなく崩れた。

さて、これをどうするか。落雁としてはデカくても、こう溶かしてみると量が少ない。

パンを切らした時に買い置いた、ホットケーキミックスがあった。ぐずぐずになった落雁のボウルに玉子を割り、ホットケーキの粉を混ぜる。

あとは加熱か…

電子レンジ…はこの前やった(→おまめの話。)から、今回は炊飯器を使ってやろう。

けーきもーど

以前から使っている炊飯器に、ケーキモードがあることを、つい最近発見したのだ。

バターを塗った内釜に、でれでれと落雁・ホットケーキミクスチャーを流し込み

スイッチ オン!

さあ、どうなるか。私にもわからない。

なぜなら、それがチャレンジクッキングだからである。



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ちゃれんじ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2022/06/12 11:30

らくがん話。

ご無沙汰していたお寺に、久しぶりにお参り。

遠縁のタカコおばちゃん(→やさしい話。)が、お世話になっているお寺だ。

永代供養なので墓碑はなく、ご本堂でお経をあげていただくだけ。焼香を済ませ、御供のお下がりをいただいて帰った。

御供はお決まりのお干菓子、落雁である。

仏前にお供えした御利益のお下がりですのでお召し上がりください

箱には書いてあるけれど、ただでさえ口中の水分を持っていかれるうえ、直径8センチはゆうにある大型円盤で、とても1度に食べられない。

ただ甘いだけで、飛び上がるほどおいしいものでもなく、ちびちびかじって数日かかるから、毎年しょうじき持て余している。

そもそも何でできているんだろうと、はじめて箱を裏返した。

らくがんこ

落雁が落雁粉でできているのは当然といえば当然ながら、その落雁粉がわからない。

さっそく文明の利器で検索した。

落雁粉…もち米を洗って乾燥したあと、炒って製粉したもの

なるほど米の粉ね。つまり落雁は、米粉と砂糖を混ぜたものなんだ。

それなら…

余計な考えが浮かんだ。そう、チャレーンジクッキーング!

やがて不気味な笑みを浮かべた私は

ふふふふ…

…どぼどぼどぼ…

ボウルに入れた落雁に、ある液体を注いでいた。

危うし、落雁!

(つづく)



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ちゃれんじ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/06/11 11:30
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