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こおった話。

冷蔵庫の、自動製氷機能の調子が悪い。

気温の上昇に合わせたように在宅時間が長くなり、冷たい飲物を飲むことが増えたし、ソーメンを冷やすにも氷は必要だ。

ところが、製氷室の氷を使い切っても、次が出てこないのである。

元気に動いているときは、一定の期間を置いて

…ガラガラガラ…

製氷室に氷が落ち

…キューン…ゴゴゴゴ…

タンクから水が補給される音がするのだが、ここ数日、どちらも聞こえない。

…ダメだこりゃ

あきらめて台所の収納を探ったら、以前使っていた製氷皿が見つかった。

せいひょうざら

これで氷を作ろう。水を入れて、空っぽの製氷室にしまった。

冷凍室も冷蔵室も、問題なく働いているのだから、冷蔵庫自体を買い替えるのはもったいない。

なんとなくホッとして冷蔵室からアイスコーヒーを取り出し、氷ナシで飲んでいたら

…ガラガラガラ……キューン…ゴゴゴゴ…

はア?

製氷室を開けたら、入れたばかりの製氷皿の上に、自動製氷の氷が5つ、のっかっている。

バカにしとんのか!

一瞬カッとなったが、すぐにおかしくなって、台所でひとり、ゲラゲラ笑った。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/07/31 11:30

ばさばさ話。

日が傾き始めても、外はまだセミがうるさいし、空気はムッとしている。

洗濯物を取り込みに、ベランダに出た。

右手でハンガーを外し、左腕にかけて、テキパキ働いていると

…ぷい~…

ウンザリさせる、アイツがやってきた。

のやつだ。

ふらちな虫風情に、貴重な血の一滴たりとも、くれてやるつもりはない。

じっと止まったが最後、アイツらにやられてしまう。作業する手をスピードアップすると同時に、せわしなく足踏みを始めた。

さらに注意が必要なのが、サッシを開けるとき。

漫然と部屋に入ると、まとわりついたアイツらが、ふわーっとついて入ってくる。

屋外で刺されるならまだしも、寝床の中でまで、あの…ぷい~…を聞かされるのはまっぴらゴメンだ。

ダダダ…と足を踏み鳴らしつつ、スカートの裾をバサバサふるう。

フラメンコダンサーのサパテアードもさながらの熱演である。

洗濯物を投げ込みついでに

オレ!

とばかりに両手を振り上げてポーズを決めたのは、余計だったかもしれない。

いつぞやミツバチのダンスを見られたオジサン(→だんすの話。)が、また見ていないか、思わず階下を見やった。

ふらめんこだんさーのおれ



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/07/30 11:30

にこにこ話。

朝のワイドショー、今日のゲストは女優。

ひと癖ある役回りで、個性派と呼ばれる人だ。

質問に淡々と答える態度はいたって尋常なのに、なにか違和感がある。

この人、笑わないんだ…

すぐに気がついた。

おかしいことにはちゃんと笑っている。機嫌が悪くてふくれているのではない。

シロートがテレビに映ると、べつに怒ってるわけじゃなく、普通にしてるだけなのに、えらくムッとした風に見えたりする。

テレビに普通に映るためには、過剰に笑わないとダメなのである。

われわれ画面のこっち側の人間はなかなか気づかないが、テレビに出ている人というのは、じつはみんな異常に笑っているものだ。

この女優さん、ちょっと珍しいタイプらしい。

昔、新卒で入った会社で、就職説明会に流す映像を撮られたことがあった。

セリフは無くて、私たち、生き生きと働いてます!という雰囲気を出すだけだ。

ぎこちないのもご愛敬、みたいな短い映像の中で、ひとり群を抜いて自然に見える人がいた。

理由は笑顔

ふつう人は、わけもなく笑顔にはならない。カメラが向いただけでニッコニッコするのは、テレビのプロだけなのである。

笑顔の彼女は大学時代、タレントの仕事をしていた。女子大生ブームなんてヘンテコなもののあった時代だった。

画面では女優が、ホストの言葉にフフッと笑みを浮かべて、なぜだか少し、ホッとする。

かめのまえ
(またこの人が怖い役だったのよ)



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てれびじょん | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/07/29 11:30

かげみる話。

ドアを開ければ、痛いほどの日差し。

新調の日傘の遮光性能はすばらしく、足元に濃い影を投げて

買い替えといてヨカッタ!

あらためて思った。

角を曲がったので、日傘の角度を変える

右に傾けていた日傘を少し前に倒すと、足元に落ちた日傘の影が広くなった。

影が最大になるように、その中に身体が収まるように考えるのだが、他の人を観察していると、気にしない人もけっこういるみたいだ。

日光が右から差そうが左から差そうが、後ろからだろうが、同じように真上に傘を掲げている人が、あんがい多い。

そのせいで、せっかく日傘をさしていても、背中全面バリバリに日が当たっていたり、肩から腕がもう赤くなっている人を見ると

ああ、もったいない!

他人事ながら、はがゆくてならない。

…んだよね~

職場でそんな話をしていたら

ああ、それで!

同僚のモリヤマさんが、いかにも合点がいった、という風に膝を打った。

こないだドコソコの駅前で ぢょん子さんを見かけたんですけど…

よく利用する、ターミナル駅の名前をあげ

怖い顔で足元睨んでるから 何かよっぽどのことがあったのかと…

声をかけそびれた、というのだ。

あ、そういえば私も…

私もいつか事務所の前で…

他の人も、わらわらと同意する。

うむむ…

どうやら、日傘をさすときには、角度の他に気にかけるべきことがあるようである。

ひがさをさす
Claude Monet (1840-1926)



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/07/28 11:30

にもつの話。

車を運転しないので、 重い買物は宅配が頼りである。

炎天下、汗をふきふき、買物袋を提げて歩かずに済むのは、本当にありがたい。

そんな暑い中、段ボールを抱えて来てくれる宅配便のお兄さんお姉さんには、いくらお礼を言っても言い足りないと思う。

チップの習慣のない日本で、どう感謝を表すか。

私は夏場は冷蔵庫で冷やした缶コーヒーを、荷物と引換えに渡している。

暑い時期、爽やかなのはコーラやサイダーだが、炭酸はブシュ―となるので危ない。

宅配便のトラックを観察すると、ドリンクホルダーに缶コーヒーを入れている車が多い気がする。運転中の眠気覚ましにもいいかもしれない。

コーヒーがあまり好きじゃない人でも、冷たい缶を手に持つだけで、少しは涼しいだろう。

まあ自己満足なんだけど、けっこう喜んでくださるように思う。

ケース買いすれば、1本70円かそこらで済むんだから、気持よく配達してもらう送料、と思えば安いものだ。

♪ぴんぽ~ん♪

おっと、ウワサをすれば宅配便が来た。

は~い ちょっと待って~

用意の缶コーヒーを、台所に取りに行き

ハイ、どーぞ

重い荷物と引換えに手渡すと

あ、いつもありがとうございまーす!

満面の笑みで受け取ってくれた。

いつも感じのいいお兄さんだけど それにしてもいつもより笑顔だったなァ

ハンコをしまって、荷物を取り込み…

アッ!

かんこーひーはこがい

今日の荷物はコレでした。



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/07/27 11:30

せけんの話。

世間は狭いなんてことをよく言う。

私も夏休みの旅行で、幼稚園の先生に会ったことがある。先生はどうやら男連れだった。

ウキウキの彼氏との旅行、せっかく泊りがけの距離を移動してきたのに、よりによって父兄に会うなんて、さぞかしガッカリしたろう。

友人には、新婚旅行で海外に行ったら、同じツアーに中学の同級生がいた、という人もいる。

もともと親しくもなく、会うのも卒業以来で、嬉しさよりは当惑のほうが大きかったそうだ。

ツチダさんの話も、この手のエピソードに分類されるものだろうか。

彼女は、地域のオーケストラに所属する、熱心なアマチュア音楽家。

語学が堪能で、旅行好きでもある。

ある時、旅先のヨーロッパ某国で、ツチダさんは教会に立ち寄った。

教会音楽はクラシックの源流であり、コンサートの会場になることも多い。その日もコンサートの打合せ中らしき人たちが行き来していた。

会衆席に腰かけ、朝からの観光で疲れた足を休めながら、祭壇の豪奢な装飾を見上げていると

日本の方ですか?

通路をやってきた紳士が、彼女に声をかけた。

ええ、そうですと答えると、日本に興味があるらしく、喜んだ様子の紳士と、しばらく話が弾む。

でもこの人 どっかで見たことあるような気が…

話しながら、ツチダさんはずっと気になっていたが、パイプオルガンの前にいた女性が呼んだのをしおに、紳士は立ち去った。

楽しかった旅も終わり、帰国後さいしょの練習で

次の公演のチラシ できたわよ~

渡されたチラシの上でほほえむ顔を見て、ツチダさんはビックリ仰天した。

教会の紳士がそこにいた。

彼女のオーケストラが次に演奏する曲の、作曲家その人だったのである。

楽譜にサインもらえばよかった~!

ツチダさんは悔しがっている。

いっつあすもーるわーるど



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/07/26 11:30

まぼろし話。

昼間のスーパーにやけに子供が多いと思ったら、もう夏休みだ。

今でこそ出不精になったが、昔は子供を連れて、人並みに夏休みの旅行もした。

よく出かけたのは、私鉄沿線の海辺の町。

海水浴場があり、水族館があり、大きな神社とこじんまりした遊園地があって、いつも楽しめた。

そんなある年の旅の始まりで、私はマボロシを見たのである。

ホテルの送迎バスは、海沿いのドライブウェイを快調に飛ばしていた。

お天気は良し、車窓には光る海。子供たちは海側の窓にくぎ付けだ。

山側の斜面に目をやると、そちらには民宿やお食事処の看板が並んで、夏の陽光に焼けて色褪せたイセエビの絵が、旅情をそそる。

中の1枚、白いブリキに黒のペンキで、シロートっぽく書かれた文字に

牡蠣氷

私は目を疑った。

かき氷といえば、ご存じの通り、削った氷にシロップをかけた夏のお楽しみである。

のーまるなかきごおり

まさか、この上に牡蠣を?

もう少し情報を得ようと身を乗り出したが、バスはあっという間に看板を通過。

以来、牡蠣氷は私にとってマボロシの存在で、見間違いだったのでは、という気もしていた。

思いついて10年越しに検索をかけてみたところ

牡蠣氷は、シャーベットの様な食感を楽しめる 生食用冷凍牡蠣です。 一番美味しい時期の牡蠣を、 牡蠣の細胞を壊さずに、急速液体冷凍しました。(→やま栄水産 牡蠣氷

単なる美味しいものであった。

ホッとしたような、ちょっと残念なような。

本日7月25日、かき氷の日



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/07/25 11:30

じまんげ話。

テレビで鹿の映像を見て(→でびゅーの話。)いたら、別の鹿のことをふと思い出した。

親の欲目というものだろうが、老母の言によれば、私はデキる3歳児だったらしい。

物覚えがいいし、字も読めた。

積み木もていねいに 崩さずに積むしね…

遊び方も、同年配の子とはちょっと違った、と、母は言うのである。

お人形遊びなんかも いろいろ工夫してね…

オモチャが乏しかったから、工夫せざるを得なかったのだが

空き缶やお湯吞を リカちゃんの椅子にして…

アタシはリカちゃんハウスが欲しかったよ!

あの、奈良の鹿のフーセン アレを置いてるから なにかと思ったら おうちの門だって…

鹿のフーセンとはこれ

びにーるしか

ビニールの鹿の脚を門柱に見立てて、人形を出入りさせていたというこのくだり、おばーちゃんのお気に入りで、何度聞かされたか、わからない。

かしこかったわよねエ~

神童からタダの人になった、55年後の当のご本人を前に、なぜこうも自慢げなのか、まったくの謎である。



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むかしむかし | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/07/24 11:30

でびゅーの話。

…ことし生まれた鹿の赤ちゃんが きょう公園デビューしました…

ローカルニュースの声に画面を振り返ると、開いた扉からドドドと出て行く、鹿の親子の姿。

こじかのこうえんでびゅー

春に生まれた仔鹿は、母鹿ともども鹿苑という施設でしばらく保護され、成長を待って公園内に放たれる。

緑の芝を自由に駆け回る仔鹿は、愛らしく、いかにものびのびと心開ける風景である。

しかし、かつてそれと対照的に、息苦しい公園デビューがあった。

30年ほど前、私がムスメを産んだころ。

タコ壺の中にいるみたいな育児に疲れ、子連れでうろうろとさまよい出て、仲間を探す孤独な若い母親たちがいた。

そんな母子が、はじめて公園に行くことを、公園デビューと言い、一種の流行語になった。

育児雑誌を見れば

公園デビューの10のコツ

失敗しない!公園デビュー


記事が踊り、まるでわが子の一大事という扱いである。

お腹の大きい間、アパートの近所をなんとなく見て回ったところ、たしかにどこの公園にも、母子らしきグループが集まっている。

心細さで肩を寄せているような、おとなしいグループがあるかと思うと、子供そっちのけで居酒屋みたいにワイワイやっている母親たちもいた。

出来上がったグループに入っていくのは気が重いものだ。

集団行動につきもののトラブルの噂など聞くと、ただでさえ学生時代からグループ付合いが苦手な私には、あまりにもハードルが高かった。

けっきょく、公園にも行ったり行かなかったり、そのうちにヤレヤレ、幼稚園が始まった。

いまや仲間作りもSNSの時代、育児用語としての公園デビューはたぶん、もう死語なのだろう。

そもそもあれは、必要なことだったのかしらん、なんて思ったりする。

不用意に近付くと母親に突進され けがをする恐れもあるため 遠くから見守ってください…

鹿も人も、幼い子を抱えた母親は、いつも気を張っているんだ。

そしてニュースは次の話題に移る。



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/07/23 11:30

いつもの話。

うーん 今日なに着よう

天候、行先、仕事の内容、様々なファクターを考えに入れ、クローゼットの前で頭を悩ませるのはいつものことだが、くわえて今朝は

この前会った時 なに着てたかな…

もうひとつ別の悩みがあった。

毎週会ってる同僚や親しい友だちなら、いろんな服があって、たまたま連続で見たんだな、と思ってくれるだろう。

しかし今日会うのは、はじめて会ってから間隔を置かず、2度目に伺うことになった人なのだ。

うっかり前回と同じ服で出かけたら、いつも同じ服着てる人認定をされかねない。

私は、衣類に関してはたいがいなハデ好きで、おまけに顔面が地味なので、服の色柄はただでさえ印象に残りやすいのである。

スティーブ ジョブズのように、黒やグレーのシンプルな服ならともかく

いつもコバルトブルーの魚模様を着てる人だなあ

とか

いつもオレンジのシマシマを…

とか

いつもキミドリの…

とか、思われるのはいただけない。

前回ぜったい着てない服はどれだろう、と頭を絞った結果、長袖を着ていくことにした。

予報では30度を超す日だというのに、まったくウンザリだ。

誰かに初めて会った時は、着た服を手帳に書いておこう。そう、あらためて決意した。

まいとしおなじふく



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/07/22 11:30
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