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ひやした話。

朝夕が、ずいぶん冷える。

フトンを暖かいのに替えなきゃ、と思いつつ、昨夜くたびれて、ドウと倒れるように寝てしまったせいか、起きてみるとちょっとノドが痛い。

こういう時は葛根湯。身体が冷えて風邪気味で

ん?なんかヘンだな~

という時、血液の循環を良くするので、予防薬として常備…

アレ?

昨日帰りに買ったはずなのに、薬箱に無い。

周辺を探してもサッパリ見つからないので、購入前後の記憶をたどることにした。

えーと、あれはスーパーの…

生協の配達が止まって(→ひょうろう話。)、牛乳や葉物野菜など、冷凍では賄えないものを買いに、スーパーに寄ったのだ。

スーパーと同じフロアのドラッグストアで

そうだシップ…それから葛根湯も…

たしかに買ってきたのである。

ずっと生協で宅配だったので、重たい買物袋を提げて帰るのも、ずいぶん久しぶりだった。

荷物をドサッと台所の床に下ろし…

ハッ!もしや…

慌てて冷蔵庫を開けると、中で葛根湯(顆粒)とシップが、なかよく冷えていた。

かっこんとうをのみなっさい
(「ナニ屋根から落ちた?葛根湯をのみなっさい」)



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/21 11:30

ばよりん話。

茹でておいた玉子(→ゆでたま話。)があるから、今日は玉子サンドにしよう。

ぺりぺりと、カラを剥いたら

えーッと…ばよりんは…

それは、どこで言っても通じない、私の心の中の呼び名である。

在外のころ、借りていた家は家財一式がついていた。(→にゃおんの話。

入居時には、リストに基づき、家財のチェックをする。なにしろスプーンの1本まで入ったリストなので、その長さたるや尋常ではない。

くつべら1本…シュロの靴ふきマット1枚…

業者がリストを読み上げるのを聞きながら、1つ1つ現物を確認する。

契約社会なんだなァ…

実感したのを覚えている。

台所に差し掛かったときは、もういい加減疲れていた。

慣れない英語の家財道具の名前も、半ば聞き流してYes,Yesと生返事していたら

…っばよりん 1つ…

聞き流せない言葉が耳にとまった。

は?と聞き返すと、有能そうな業者の女性は、抽斗から見覚えのある小さな器具をつまみだし

Egg violin 日本にはありません?

ニコッと笑って見せた。

それは古ぼけた玉子切り

細い針金を、ヴァイオリンの弦に見立てた呼び名なのだろう。あれから20年以上経つが、あれをそう呼ぶ人に、他で会ったことはない。

たまごきりき
(これでタテヨコに切るとみじん切りが便利)



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/20 11:30

おやじの話。

某日某所、ムカつくオヤジに会う。

立派な大人相手に、あんなに腹が立ったのは久しぶりである。

パリッとしたシャツに背広、高そうなネクタイがムカつく。

鼻の穴が見えるほどそびやかしたツラが、血色よくツヤツヤしていて、それがまたムカつく。

背後に回した手をグーに握り、ぶん殴りそうになるのをなんとかこらえたものの、クソオヤジとの時間はまだ続く。

今後も社会人としてやっていくためには、怒りを抑えねばならぬ。

クッソ…

マスクの中でつぶやいたとき、ふとヘンなことを思いついたのは、アイロンの効いたカラーが目にとまったからかもしれない。

クソオヤジでも奥さんいるんだ…

こんなヤツだから、家でも暴君っぷりを発揮し、妻を泣かせているんだろう。

いや、あるいは、意外に良き父、良き夫だったりするかもしれない。

いずれにせよ、こんなヤツにも毎日栄養を考えてエサ…いや、ご飯を食べさせる妻がいる。

洗った清潔な衣服を着せる人がいる。

おお、同志よ、いじらしき女性よ。

想像すると、さっきまでの怒りが、シュルシュルとしぼんで

今日はこンくらいにしといたらァ!

笑顔で片付けることができた。

クソオヤジは、そこに居もしない妻に助けられたとも知らず、胸を張って出て行った。

めだまおやじ
(こんなオヤジならムカつかない)



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/10/19 11:30

わしゃわしゃ話。

しとしとと、雨の秋の日。

検温と手指消毒をして、店に入ろうとしたら、モシャモシャ音がする。

かさぶくろすたんど

濡れたカサを収める、ビニールのカサ袋を下げたスタンドの前に、その女性はいた。

えらく手間取ってるな、とは思ったのだ。

どうやら、ちぎり取った袋にカサを入れようとするものの、袋の口が開かないようだ。

指先がカサカサして滑る、スーパーのビニール袋なんかでよくなる、アレだ。

スーパーのサッカー台なら指を湿す海綿があるが、ビルの入口にそれは無い。

女性は親指と人差し指の間で、ワシャワシャ大きな音を立ててカサ袋を揉んでいるが、袋の口はいっこうに開かない。

それどころか、袋はヘビのように彼女の腕にまとわりつき、くっついてしまった。

あんまり揉んだものだから、しまいに静電気が起きたらしい。こんなにしっとりした雨の日に、よっぽどの勢いだったのだろう。

背後には、私を含め、数人の列ができている。

彼女がスタンドの前に仁王立ちしているので、後の者はカサ袋が取れないのだ。

それに気づいた女性は、ハッとしてにっくきカサ袋を腕から引っぺがし、カサを入れることなく、スタンドのゴミ箱に投げ込んで、行ってしまった。

本来の用途には1秒も使われず、ゴミ箱に直行したカサ袋。

拾って使ってやりたい気もしたが、人目が気になって、できなかった。



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/18 11:30

ひょうろう話。

生協を突然襲ったサイバー攻撃(→こーぷの話。)のせいで、今週は配達が来ない。

それどころか、来週も、その次も来ないらしい。

食料品のほとんどが生協頼みの私は、困った。

むむむ…兵糧攻めとは 卑怯なり!

目に見えぬ敵を相手に歯噛みしたとて詮ないこと。まずはわが方の兵力…いや食料の確認だ。

冷蔵庫を開ける。玉子と牛乳がもう無いけれど、ハムや納豆などもあり、空っぽじゃない。

冷凍庫にもそこそこ入っている。食材が隙間なく入っているほうが、効率よく冷えるからだ。

そういえば、缶詰やレトルトも、災害時の非常食を兼ねて、ふだんから多めに在庫している。

必要なものだけ頼んだつもりでも、きっちり使いきるとは限らない。いつの間にか生じた底溜りに気づき、ムラムラと闘志が湧いてきた。

兵糧攻め 受けて立つ!

生鮮品は仕方ないけれど、そのほかの買物を最小限にして、今あるもので過ごせば、節約にもなるはずだ。

このさい スッキリ使い切るぞ!

ケチな性分なので、こういうガマン系の目標は苦にならない。

得意のチャレンジクッキング(→カテゴリ・ちゃれんじ)の出番もありそうだ。

さてさて…イヒヒ…

腕まくりして食品庫を覗く。なんだか、楽しくなってきた。

ひょうろうがん
(忍者の非常食・兵糧丸)



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ちゃれんじ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/17 11:30

こーぷの話。

週末には生協の注文

昔は用紙に記入していたが、今はネットだから、いつでも注文できてラクチンだ…けど…

しすてむしょうがい

はア?システム障害?

別窓に出た説明文も隔靴掻痒、何が悪いのかハッキリしない。

いろいろあって~ いつもみたいに牛乳やキャベツ 持ってけないの~ みんなゴメンね~

要はそういういうことらしい。

えー マジでー?

パソコンにヒトリゴトを聞かせつつ、検索をかけると

…生協では大規模なシステム障害が発生し、注文や配達ができなくなった。サイバー攻撃を受けた可能性が高いとみて、警察に被害届を出し…

サイバー攻撃ぃ?

ネットニュースはかなり詳しく、状況を報せていた。

…データがすべて暗号化されて読み取れず…

事務所のパソコンがぶっ壊れたくらいのことかと思ったら、えらく大掛かりな話である。

それにしても、生協なんか攻撃して、どうするつもりなんだろう。

世に言うサイバー攻撃の手口では、データを人質に取って身代金を要求してくるらしいが、生協の支払い能力なんて、たかが知れてるだろう。

オバサンのお買物データを盗んで、面白いのか。

どうも解せないと首をひねっているとき

NASAとNARAの間違いじゃないか

SNSに流れている意見を見て、一瞬ナルホドと思ってしまった。まさかね。

 

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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/16 11:30

てつどう話。

今日はおばーちゃんのお出かけに随行する。

行先は、英国フェア

えいこくふぇあ

老舗百貨店で行われるこの催事は、彼女の恒例行事である。(→ふぇあの話。

いままでは老母の衝動買いの監視役としての同行だったが、年齢なりに衰えてきたおばーちゃんを、ひとりで行かせるのが不安なのもある。

最寄り駅に向かうバスの中、百貨店へのルートを考えた。

わが町から都心への行きかたは

1,私鉄でA駅まで行き、JRに乗換える

2,私鉄でB駅まで行き、地下鉄に乗換える

3,JRの区間快速に乗る


この3つがあり、1が一番早く着く。

ただ3のJRは、始発駅から乗りっぱなしなので、座って行けるメリットがあり、おばーちゃんもラクだろう。

ヨシ、3だな。

じゃあ JRでいこっか~

軽く提案すると

ええー、なんでえ?

なんでって…座って行けるじゃない

イヤーよ遠回りだし 時間かかるし

申し添えるが、さしたる予定はない。

オバサンとオバアサンがブラブラ出かけ、百貨店の催事場を冷やかすだけなのだ。

いいじゃん別に 急ぐ旅じゃなし…

説得を試みるも、不調に終わる。そうだ、こんな人なのだった。

私はふだんから、気が向けば快速の区間を各停で行ったりするし、長く乗るのは平気だ。

しかしおばーちゃんは、いかなる時も最短距離を、最短の時間で行こうとする。

何を生き急ぐのか、不思議でならない。

不本意ながら私鉄の改札を入ると

あそこで乗換だったら先頭が階段だわ!

セカセカと、前のめりにホームを行く背中を

今歩くか 後で歩くかじゃない…

ブツブツ言いながら追いかけた。

てつどうかいぎょう150しゅうねん
(鉄道の日にちなみ、電車の話を書こうとしたんですが)



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ごかぞく | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/15 11:30

おいそぎ話。

ECサイトでは、配送料無料のプライム会員になっている。

私はネット通販を頻繁に利用するから、会費を払ってもお得なのである。

プライム会員には、配達の日時を指定できるサービスなどもあるらしい。らしい、というのは利用したことがないからだ。

指定した到着時間に荷物が来ないと、宅配業者にクレームを入れる人もいるようだが、私は違う。

たいした買物じゃないし、いずれ届くでしょ、とラテンな気分で待っている。

ところが、この賞賛すべきおおらかさを、サイト側はイマイチわかってくれていない。

購入ボタンをなにげなくポチポチと押すと、頼みもしないのにお急ぎ便になってしまうのだ。

お急ぎ便 2022/10/14 にお届けします

あっちゅー間に出てきた注文確認の画面に

いや、急いでないから…

つい声に出して返事はするものの、訂正するのも面倒で、そのままにすると、不要不急の買物が、驚くべきスピードで届く、というわけである。

先日はサイトから、なんだか焦った感じのメールが来たので、何事かと読んでみると

お荷物遅着のお知らせ

○○の理由により、商品の発送が遅れ…
お急ぎのところ、誠に申し訳なく…


えらく丁重な謝罪の文面。

いやいや、お急いでない!

急がない買物を、お急ぎ便にした私が悪いのだ。

逆に申し訳なくて誰かに謝りたくなり、カスタマーサービスを検索したが、出てくるのはクレームの画面ばかり。

私の申し訳ない気持は、宙ぶらりんである。

おいそぎびん



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/10/14 11:30

ガンテイ本。

読み終えた本が溜まってきたので、古書店に払うために箱詰めした。

2か月でミカン箱ほどの段ボールがほぼいっぱいになって、まだ少し入る。

着払いだからギュー詰めにしなくてもいいのに、つい生来の貧乏性が発動して

他に何か…なにか要らん本は…

本棚をギロギロ睨む。

本棚に立てている本については、いちおう吟味はするけれど、当落線上の本は常にあるものだ。

厚めの上下巻で場所をとっている、ハードカバーに目がとまった。

ひかるげんじのものがたり
(「光る源氏の物語」中央公論社 丸谷才一・大野晋)

この本の処遇を考えるのは何度目だろうか。

読みたければ図書館にある。文庫化もされている。

さらに言えば、この本の内容は、そんなに好きではない。

表題の通り、国語学者と小説家のふたりが、源氏物語についてさまざま語り合うのだが、その話がなんちゅーか、なのだ。

ご案内の通り、源氏物語というのは、光源氏という文武両道、容姿端麗、血統書付のモテモテ男の女性遍歴が主たるストーリーである。

もちろん、教養溢れる対談には得るものも多いし、知識量には圧倒される。

しかし、色ごとに慣れないセンセイがたに、希代のドンファンを語らせるのは、やはり無理があるとも感じる。

紫式部の流麗な筆致は、男女の秘め事を直接に描くことはない。

それに対して、嬉々として実事の有りや否や(つまりヤッたかヤラないか)を検討しているのなど読むと、いささかゲンナリする。

女が描く理想を、現実の男が語ることの難しさは、知性をもってしてもいかんともしがたい。

アリテーに言って、読んでムカつくのだ。

にもかかわらず本棚にあるのは、王朝継ぎ紙を使ったダストジャケットのデザインが美しいから。

包み紙がきれいだから取っておく、と聞いたら、泉下の玩亭先生はさぞかしお怒りであろう。

さて、どうすっかな この本…

本書の著者のひとり、玩亭こと丸谷才一、今日が没後10年になる。



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ブックガイド | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/10/13 11:30

わかもの話。

わかものことば

朝のテレビはイマドキの若者言葉

オジサンオバサンに足を突っ込んだ出演者らが、若者言葉のクイズが分からずに、騒いでいる。

大学生の子供が言うことが分かりません

視聴者の悩みも紹介されたが、なぜそれが悩みになるのか、分からない。

昔、若者だったころを思い出すといい。

あれは、仲間以外に分かってほしくなくて使ってるのだから、大人が理解してやる必要などないのである。

鳥が鳴くのを聞くように、何言ってんだろね、とでも思っとけばいいのだ。

あの鳥どもも、就職活動がはじまれば、どのみちオジサンオバサンの言葉を話しだす。

そんなことより、私が気になるのは、若者には分からない、若くない者言葉が、なぜ無いかという点である。

すでに廃れた若い頃の流行語ではなく、オジサンオバサンとして生活する中で生まれる、オジサンオバサン言葉って無いのだろうか。

オジサンオバサンには、若者のような、同世代の共通認識が欠けているのだろうか。

たとえばパートの休憩時間、オバサンたちが話に花を咲かせていると、若い社員がやってきて

何言ってんのかぜんぜん分からない!

まったくイマドキの若くない者ときたら!


そんなこと、あったら面白いと思うんだけど。



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てれびじょん | コメント(10) | トラックバック(0) | 2022/10/12 11:30
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