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だんじょの話。

スマートフォンを買ってから、すっかり使わなくなったデジタルカメラ

ひさしぶりに触ってみたら、どこが悪いのか、動かなくなっていた。5年以上使っていないから、まあ寿命だろう。

使う見込みも、修理に出すほどの思い入れもない。データだけ取り出し、処分することにした。

そんなわけで最近、むやみに撮った昔の写真を、順番に見ている。

あらためて痛感するのは、友だちが少ないこと、そして景色に興味がないことだ。

けっこうアチコチ出かけているのに、どこに行くのもひとりだから、自分の写真がない。

いい眺めや、きれいなお花の写真がない。

正体不明なものや、ヘンテコなもの、誰かの失敗の痕跡。そんなものばかり撮っている。

コレ…なに撮ったんだろ?

じょし

これもそのひとつ。

童話のお姫様みたいなイラストだけれど、一見してヘタクソだし、だいいちかわいくない。

なんでこんなん撮ったかな~?

不思議に思いつつ次に送ると

だんし

おお、王子様もいた。

彼も上背はありそうだが、王として一国を支配するにしては、いささか頼りない風情だ。

何の絵だろう?正方形なのがヒントかな?紙や布じゃない、なんかツルツルした…

分かった!タイルだ!

次の写真で、推測は確信に変わった。

どなたでも

女子、男子、最後のは車イスで、多目的トイレ。

某テーマパークの、御手洗の表示なのだ。

思い出した瞬間、子供連れのお母さんが、カメラを構える私をじゃまっけそうに入って行ったことなど、昨日のことのようによみがえる。

霧雨の降る寒い日で、人も少なく、なにやらもの寂しかった。あのテーマパークにも長く行かないけれど、今はどうなっているかしら。

ヘンな写真は、ヘンななりに、ちゃんと思い出につながっている。



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/11/30 11:31

グンシュウ本。

点けっぱなしのテレビで、本の番組が始まった。

ひゃっぷんでめいちょ
(→100分de名著

アドルフ ヒトラーが読んだと言われる、社会心理学の名著の紹介だ。以前チラッと見た気がするから、再放送だろう。

著者によれば、政治家やメディアは、群衆に単純化した紋切り型の概念を流布し、暗示を与える。

暗示を受けた群衆は、それとは知らず扇動され、論理でとどめることのできない暴徒と化す。

群衆を惹きつけるのは断言・反復・感染

ヒトラーの演説を聞くと、同じことを何度も、根拠もなく言い切り、それがさざ波のように聴衆に広がるのがはっきりとわかって、おそろしい。

断言、かァ…。

ヒトラーは易々とやってのけているかに見えるが、私にはなかなか難しい。

ブログの記事も、ダラダラ書く癖のある私は、じっさいアップする文章の2倍3倍書いてしまう。

そこから泣き泣き長さを詰めるのだが、削る言葉の筆頭が「ちょっと」

「なんか」「みたいな」「~たり」など、ぼやかす表現も多い。

語尾の「かもしれない」「ような気がする」も頻出する。

どうやら私には、断言を避け、趣旨をぼんやりさせたいという気持が、根深くあるらしい。

心の赴くままに書いた文章は、およそお座に出せるものでない。

ちょっと5つ、かもしれない3つ、みたいな4つを削って詰めて、やっと読める長さになるのだ。

私なんかが独裁者になったりするのは、ちょっと無理なような気がする。

ぐんしゅうしんり
(「群衆心理」ル・ボン著 講談社学術文庫)



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ブックガイド | コメント(14) | トラックバック(0) | 2022/11/29 11:30

やぎさわ話。

いつもお邪魔するわにさんのブログ(→わにの日々 「ウィルス三位一体攻撃」)で、なつかしい名前を見つけた。

ヤギサワ姉妹は往年のテレビアニメーション「アタックNo.1」の登場人物。

あたっくなんばーわん

運動と名のつくものはことごとく苦手な私には、没入しにくいスポ根モノであったが、今と違って子供番組の少ない時代である。

美少女たちがバレーボールに青春を賭ける様子を、それなりに楽しんでいた。

次々とライバルに挑まれては打ち負かしていく、主人公率いる富士見学園。数々の強敵の中の1校が、ヤギサワ姉妹を擁する寺堂院高校だ。

やぎさわさんしまい
(左から、次女静、長女香、三女桂)

どうです、かっこいいでしょう。

仔鹿のような小麦色の肌に、漆黒のセーラー服、しかもそろって輝く青い瞳!

繰り出す三位一体攻撃は、あまりにもアニメ的で荒唐無稽な技ながら、文字通り無敵であった。

黒目に歯があるヒロインより、この美人姉妹に、私のハートはずぎゅんと撃ち抜かれた。

彼女らの魅力はそれだけではない。

寺堂院高校は、わが地元大阪の高校なのだ。

今でこそ、何を見ても、いつ見ても大阪弁が幅を利かしているが、当時私の見ていたテレビでは、新喜劇くらいのものだった。

つまりヤギサワ姉妹は、はじめてテレビで見る、大阪弁をしゃべる美人だったのである。

すっかり姉妹のファンになった私は、弱った末娘にボールを集中させるという卑劣な攻撃で試合に勝った主人公を、本気で嫌いになってしまった。

たしか、あれきり番組も見なくなった、と思う。



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てれびじょん | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/11/28 11:30

ふかふか話。

ホットカーペットカバーを新調した。

正確には、この春先、冬物の投げ売りで買って、寝かせてあった品である。

どんなものでも、新品は嬉しい。ウキウキと包装を剥ぎ、床に敷き伸べると

さて…

おごそかに第一歩を下ろす。踏み初めの儀といったところだ。

ふわ~ん…

おお!これこれ!

前のカバーはふつうのパイルカーペットであったが、今回のは中綿の入ったクッションタイプ。

ふかふかかばー

寒い時期に、フカフカの床でゴロゴロしたくて、これを選んだのだ。

さっそくアザラシ、ないしトドの如く身を横たえ

ぬふー…

滑らかな毛足の感触を楽しんでいるうちに、いつの間にか眠っていたらしい。

…ハッ!

気づけば短い秋の日は傾き、窓の外は薄暗くなっていた。

うー 寒っ!

いくらフカフカでも、カーペットの電源を入れずにいたので、冷えてしまった。スイッチをオンにしてから、羽織るものを取りに行く。

ついでにコーヒーを淹れ、長期戦の構えで、再びカーペットの上に陣取った。

あーフカフカ… あーあったか…く…ない?

さてはスイッチか、と確かめたが、電源ランプは赤く灯っている。

すわ故障かとさぐってみると、本体はホカホカと温まっているではないか。

???

つまり、カバーがあまりにも分厚く、フッカフカに断熱しているせいで、ホットカーペット本体の熱が、表面に伝わらないのだ。

前のペラペラでハゲハゲのカーペットは、感触は最悪だった。しかし、その薄さゆえ、スイッチを入れるや否やアッツアツになった。

えーッとこれは…いいこと?わるいこと?

とりあえず判断を保留し、ボンヤリしてしまった私である。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/11/27 11:30

おはなの話。

マイド~!

今日も今日とて、実家に頼まれものを届ける。

ありがと~ お菓子あるよ 柿剥こうか?

第一声は、いつもこんなだ。

私ももうすぐ還暦なのだから、顔を見るたびに何か食べさせるのはやめてほしいものである。

おかーさん アタシ柿キライだって 

アラ?そうだっけ?

柿に限らず、おばーちゃんは、私の好き嫌いをいっこうに覚えない(→ぴーすの話。)。

記憶しないというよりは、自分の好きなものを、娘が嫌うのが信じられないのだろうか。

ずっと昔、子供のころからだから、もはやあきらめの境地である。

抵抗むなしく剥かれた柿に、シブシブ手を伸ばしながら、並んでテレビを見る。地上波はサッカーしかやってないので、BSのお寺巡りに替えた。

四季折々の花で有名な、花の寺の映像に

キレイね~ 黄色が濃くて…

ふーん、とはかばかしい返事もせずにいると

アンタ嫌いだもんね この花

言われてちょっと驚いた。

そんなこと言ったっけ?

さあ でもキライでしょ?

たしかに、あんまり好きな花ではない。しかし、そのことを告げた記憶はない。

人がきれいだきれいだと喜んでいるときに、わざわざ水を差すようなことは言わないはずだ。

いくつになっても、母親って不思議なものだな。

母の横顔をしばらく見てから、画面に目を戻した。

にわのかき



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ごかぞく | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/11/26 11:30

すばらし話。

今朝も晴れていい気分。

洗濯物を干しながら、空を見あげたら、ふと歌が口をついて出る。

♪すば~らし~い~だんせ~…♪

そこそこのボリュームで歌ってしまってから、誰も聞いてないだろうなと周囲を見回した。

なんちゅう歌詞!

もちろん、学校で習った歌ではない。

家事の合間に、駅からの帰り道に、歌う母から、年相応より古い歌を刷り込まれた私。

ラジオ時代に青春を過ごし、耳から覚えた歌は、歌詞もよくわからず(→なぞなぞ話。)、歌手も出典も、今となっては不明なものが多い。

このヘンテコな歌も、どういう人が、どういう場面で歌ったのか、わからない。

♪素晴らしい男性 素晴らしい男性
♪明るく陽気で 心健やか


メロディーが明るいからか、母もこんなお天気のいい日、庭で干し物をしながらよく歌っていた。

幼い私は、縁側に座って足をブラブラさせて

おとーさんは すばらしくないのか…

心の中はともかく、いつも無口で、およそご陽気とはいえない父を思い浮かべ

じゃあ おかーさんはなんで おとーさんとケッコンしたんだろう?

首をひねったりした。

♪どこにもいるよ 素晴らしい男性
♪あなたの隣にいるよ 素晴らしい男性


歌詞はこう続くが、残念ながら今、そのへんには見当たらないようである。

すばらしきだんせい
(しかし裕次郎はタイプではない)



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むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/11/25 11:30

げきたい話。

♪プルル… プルル…♪

忙しいのに固定電話が鳴る。今は携帯もあるし

モシモシ エコナントカのカントカと申します…

こんなセールス電話ばかりかかるなら、もう処分しちゃおうかと思う。

…いま おうちのなかの不用品買取で ご近所を周ってまして…

いつもなら、ありませんのヒトコトだけど

ご近所ってどこですか

中っ腹で聞き返すと、相手は少々たじろぎ

…○○市のほうですが…

○○市っても広いですよ どこ周ってるんですか 

えーと… ドコソコ…

そりゃ遠い 近所じゃない 

そうですか それでご不要なものなどは…

テキもなんとか立て直そうとするが、そうは問屋が卸さない。

だいたいアナタ 誰にかけてるつもり?

えーと フクヤマ様…?

ときどきかかる間違い電話の名前だ。この番号の前の使用者らしい。

うちがここに越してきて、もう20年近いというのに、いつの名簿を使ってるんだか。

何の名簿を見てかけてらっしゃるの?



名簿業者から買ってるんなら こんなの古くって使えませんって言った方がいいですよ

……ぶつっ

切れた。

セールスも大変そうだが、今日の私は、ちょっと機嫌が悪いのである。ヘヘン。

はろーぺーじ
(フリマサイトで古い電話帳を買って使ったりするらしい)



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/11/24 11:30

むらさき話。

コーヒーゼリーも食べ終え(→おかしの話。)、正月の予定についても存分に議論した私たちは、満足して表に出た。

同年代の友人との話はいつも楽しい。目についたものについて、あれこれ話しながら駅に向かう。

そんでさ…んあっ!

なに!どうした?

これ、これこれ…

友だちが指さしたのは、華やかでも、きれいでもない、しょぼくれた路上のプランターだった。

これさ、昔よく…

あ、ホントだ!

紫色をした、その植物を見たとたん、指を向けた友だちも驚くほどの大声が出た。

あったよね~これ、団地の花壇とか…

市民病院の植込とか 古いマンションのベランダとか

最近見ないね なんでかしら

まあ、そんなに素敵でもないけど

こういうもんにも ハヤリスタリってあるのかね

そうかもね

最後の相槌は、少々うわの空に聞こえた。

きっと、この植物があっちこっちに植わっていたころの、ちっちゃな思い出が浮かんだのだろう。

それは私も同じ。

だから同年代の友との話は、いつも楽しい。

むらさきごてん
(ムラサキゴテン:Tradescantia pallida 'Purpurea')



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むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/11/23 11:30

おかしの話。

久しぶりに友だちとお出かけ。

ランチのあと、ぶらぶらお散歩。骨董市をひやかして、オシャレなカフェに落ち着いた。

コーヒーゼリーって おいしいわね~

ホントね~

こーひーふろーといんぜりー

ほどよい甘さが、歩き疲れた身体に沁みる。

作れば安いんだけどね~

雰囲気にウットリするだけでなく、原価を考えるあたり、やはりオバサンである。

でもさ うちで作るといっぱいできて…

そうそう、飽きるよね!

料理全般熱心でない私だが、お菓子作りには輪をかけて不熱心だ。

まず、目分量で済まない面倒くささ。

くわえて、うっかり作ると同じものを延々食べねばならないのも、尻込みする理由である。

おやつのトキメキは、いろいろの楽しさ。

同じおいしいものが続くより、ソコソコでいいから、昨日と違うものを食べたい。

そういえばおせち料理もそうよね

そうそう、作れば安いし…

やればできるけど…

やる気がしないわ ハハハ…

話題はなめらかに、お正月どうする、の話に移り変わっていく。




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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/11/22 11:30

ぼうかん話。

晴れて冷える朝。

いつもの時間に起きたのに、動き出す気がせず、うだうだしていたら

ハッ!ゴミ

けっこうギリギリの時間になっていた。

慌ててゴミをまとめ、玄関を出ると

ブルル… うっ寒っ!

いそいで羽織ったカーディガンが、薄手だったかもしれない。

ドアを開けて玄関の中に戻ったものの、部屋に引き返すヒマはない。

せめてもの気休めに、下駄箱の上に置いてあったマスクをかけて飛び出した。

冷たい空気の中、小走りでゴミステーションへ。

ふー 間に合ったァ

ゴミ袋を置いて、ホッとしたら

あれ?寒くないな

走ったせいか、最初に玄関を出たときに感じたほど、寒くない。

なにより、顔があったかい

マスクって、暖かいものなんだ。

このところ、外を歩くときはマスク無しにしていたが、これからの季節、防寒具としてかけるのもいいかもな、と、ちょっと思った。

ますく



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2022/11/21 11:30
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