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みそかの話。

大晦日といえども、わが家は平常運転

元旦に、ムスメとムスコと実家に現地集合するので、そっちにおせち料理を取り寄せた。

つまり、こっちの準備は無いのである。

やることは、バスに乗る前に年越しそばを買って、おばーちゃんのとこに行く、それだけ。

従来もたいがい気楽に過ごしてきたが、それにしても何もない年末だ。

昔の人は愚図の節季働きなどと戒めた(→ことわざ話。)けれど、こうも穏やかだと、逆にそわそわして落ち着かない。

何もしないし、誰も来ない…

♪ぴんぽ~ん♪

アレ?誰?

ハーイ どちら様…

たくはいびんでーす

え?

そんな予定なかったはず…しかし、送り状の宛先はたしかにうちである。

受け取ってしまった細長い箱を眺めるうちに、ハッと思い当たって、急いで開けると、ずっと入荷を待っていたロールスクリーンが入っていた。

ろーるすくりーん

うちの廊下にはヘンな寸法の窓があり、先月ようやっとピッタリのものを見つけたのだ。

よりによって今日届くか、とも思ったが、先方としては新年に間に合わせてあげよう、という好意かもしれない。

だとすれば、そのご好意を無にすることなく、何が何でも今日中に取りつけねばならぬ。

歳末の忙しい中、届けてくれた宅配便のお兄さんの労にも報いたい。

いよいよ押し詰まって、なぜかネジマワシを振り回す姿は、まさに愚図の節季働きである。



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もろもろ | トラックバック(0) | 2022/12/31 11:30

さざんか話。

歩道沿いのお宅の垣根に、サザンカの花が咲いていた。

あれ?早い?

団地の花壇のツバキのつぼみは、まだ青くてかたかったような気がする。

ツバキとサザンカって、どっちが先だっけ?

園芸の嗜みがなくて、お花のことをあんまり知らない。どっちだっけと首をひねっていたら

♪かきねの かきねの まがりかど~…

ふと童謡が浮かんだ。

♪あ~たろ~か あたろ~よ~…

そうだ、確かこれにサザンカが出てきた…

♪きたかぜぴ~ぷ~ ふいている~

アレ?なかなか出てこないな。

♪さざんかさざんか さいたみち~

2番かよ!

寒い時期に咲くことは分かるものの、ツバキより先か後か、季節が判然としない。

他にサザンカの歌は無かったかな…あ!

♪く~も~り がら~すを~ て~でふ~いて…

歌い出しからして長くかかりそうな気配。

♪あ~いし~てもあいしても あああ~…

しばらく歌って、終盤やっと

♪あか~く さいて~も ふゆの~はな~

あ、冬なんだ。

♪さざん~かの~やど~

そんで最後かよ!

念のため、ツバキの歌も歌って、確認しとこう。

♪つ~ばきさく~ はる~なのに~

こっちはいきなりかよ!


(この歌も好きでよく歌ったが季節が出てこない)



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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2022/12/30 11:30

がんばる話。

昨日友だちのミドリちゃんに電話したら、すぐに出ないので、忙しかった?と聞いたところ

野菜の皮むき…ゴミ収集 明日までだから

は?

お正月に生ゴミが出ないよう、剥けるものを先に剝いてしまうというのだ。

リンゴも剥いて 塩水につけたよ~

昔からマジメな人だが、ちょっと極端に走る傾向がある。

さて、明けて今朝。ミドリちゃんち同様、うちも燃えるゴミの日である。

しかし、ゴミを出す私に、友人ほどの緊張感はない。なぜならば

ならしごみかれんだー2022の1

わが市の収集はまだまだ終わりではないからである。

ゴミカレンダーの第5週にご注目いただきたい。

ならしごみかれんだー2022の2

12月31日は、わが市では、ふだんゴミ収集のない土曜日だ。

おおかたの自治体では休みになる大晦日に、わざわざ燃えるゴミの収集に乗り出すのである。

大仏商法と揶揄されるごとく、万事に消極的なわが市。

現状維持と横並びを好む土地柄で、なにゆえゴミ収集にのみこれほど頑張るのか。

有難いっちゃ有難いが、不可解の念は去らない。



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/12/29 11:30

まどふき話。

そんなわけで、脚立に上がって窓を拭いてたら

窓ばっかり拭いて… かたいパン食べて…

ふとそんなフレーズが、口をついて出た。

ユーコさんは、モト亭主側の親戚で、お盆や正月には義父母の家で会った。

男どもが飲み食いし、義母がいそいそともてなす間、私たちは、たまたま前にあるものをチマチマつまみながら、ヒソヒソ話をする。

トウモロコシの食べ方を教わった(→もろこし話。)のも、そんな時だったと思う。

ある年の春、ユーコさんの夫君が海外赴任となった。

会わずに数年、ひさしぶりに、おせち料理越しに見る彼女は、ゲッソリと痩せていた。

赴任地で心のバランスを崩し、帰国してきたのだ。

日本でも暖かい地方に生まれ育ったユーコさんに、寒冷な土地の生活は合わなかった。

とっつきにくく、あまりフレンドリーとは言えない国民性も、彼女には厳しかった。

いつも家の前を掃いている、隣家のオバサンには

が汚れている ちゃんと掃除しなさい

家を訪ねてきて、注意されたという。

あの国はみんな… 窓ばっかり拭いて… かたいパン食べて…

思いつめた目で、吐き捨てるように言ったユーコさん。

私はその国のかたいパンが好きである。

緯度が高く、冬場の日照時間の短い国で、窓から太陽光を取り込む大切さもわかる気がする。

隣家のオバサンは、それを教えたかったのだろう。わざわざ言いに来てくれるなんて、打ち解けてみれば、親切な人だったかもしれない。

しかし、その時の彼女にはそうは言えず、黙ってうんうんと聞いただけだった。

日本に帰ったユーコさんは、みるみる回復した。

義家との関係も切れ、彼女とも長く会わないが、きっと元気にしていることと思う。

はめころしまど



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むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/12/28 11:30

まどふく話。

数か月間にわたり開けっ放しだったことに、先日気づいた(→すきまの話。)脱衣所の

気づかなかったのは、カーテンがあるうえ、高い位置にあり、しかも開けにくいせいだ。

ホテルの客室みたいに数センチしか開かない。

この家に住んで15年以上になるが、この窓に触ったのはほんの数回だと思う。

気づいたついでにいっちょ掃除でもしてやっか、と、脚立に上がってカーテンを外した。

…キタナーイ…

窓には触らなくても、カーテンは何度か外して洗濯している。そのたびに汚れてるなあとは思っていたのだ。

しかし手の出るスキマが無くて、外側を拭けず、諦めていた。

汚れるのはなんだよね…

つぶやきつつ、なんの気なしにガラスに触った指先を見たら

…なんじゃこりゃあ!!!

真っ黒けではないか。

外側だと思っていた汚れは、ほとんど内側についていたのだ。

あわててガラスクリーナーにウエスにクロスと、本式の窓拭き道具を取りに走る。

しばらくカーテンをかけず、きれいになったガラス越しに、やわらかい午後の日差しを眺めた。

この小さな窓を拭いて、ズボラの大掃除は終わりである。

はめころしまど



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/12/27 11:30

はらまき話。

買うか買うまいか迷っているものがある。

それはハラマキである。

光熱費の高騰に加え、冷えが気になるお年頃。

ここは一番、ハラマキの力を借りて、健康維持に努めるべきではなかろうか、と思ったのだ。

ハラマキというと、即座に思い出すのは

ふーてんのとらじろう

この方がお召しのようなラクダ色のウールだが、今は薄手で服の下にも着けられ、色もTシャツのようにいろいろ選べるようになっている。

にもかかわらず迷うのは、昨日の話題(→カキトメ本。)のせいであった。

着るものが増える冬場、ご不浄ではどうしてもモタモタしがちだ。これこそが現金書留の封筒になぞらえられる所以である。

そこに、さらにハラマキが加わった場合、混乱の度合いを増す可能性は否めない。

まずどの層に巻くべきかという問題がある。

ズボンの上か、下か。あるいはババシャツの上か、下か。

つづいて、上下のいずれに属するかも決めねばならない。つまりその時、ハラマキを上げるか、下げるかの問題である。

さらに洗濯の頻度に関しても考える。購入する枚数にかかわってくるからだ。

そこには、肌にじかに着けるか、シャツやズボンの上かという、第一の問題も関係する。

ハラマキに悩む年の瀬、平和っちゃ平和である。



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2022/12/26 11:30

カキトメ本。

年賀ハガキが足りなくて、郵便局に行く。

歳末だけあって、預金窓口にも列ができているが、混んでいるのは郵便のほうである。

郷里に送る荷物か、遅めのクリスマスプレゼントか、段ボール箱を抱えて並ぶ人もいる。

いつも1つの窓口を2つ開け、郵便物はテキパキ処理されて、次は私の番。

私の前は70代くらいの女性で、緑のフチのある現金書留の封筒を手に持っている。

…5時以降の配達でお願い

すみません 現金書留は日時指定できないんです

孫のお年玉かな 息子さんか娘さん 夕方まで働いてるんだろな

チラッと思いつつ、私はぜんぜん別のことを考えていた。

現金書留といえばマンガ「あたしンち」のお母さんのエピソード。

重ね着する冬、女性が用を足すときの個室の中の

ははのかきとめ

上げて下げてまた上げて…という手の動きを

ははのかきとめ2

現金書留の封筒に例えている。

でも、フラップを下げて上げて下げて封をする、この形式の封筒は、昨年仕様変更のために無くなってしまった。

今は緑のフチドリこそ残れ、普通の厚手の封筒である。

あの封筒 面白くてよかったんだけどなァ

お母さんの冗談も わからなくなっていくなァ


ラチもない考えに沈んでいたら

お次のかたど~ぞ~!

元気のいい声で呼ばれ、ハッとした。

日時指定できなかったお年玉が、けっきょくどうなったのか、わからないままだ。



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ブックガイド | コメント(11) | トラックバック(0) | 2022/12/25 11:30

すきまの話。

う―、寒い。

全国的に降雪や強風を伴う寒波に襲われているのだから、寒いのは当たり前なのだが、家の中まで寒いのはどういうわけなんだ。

…ヒュー…

今日はことのほか、風が強くて

…ヒュー…

木の枝や電線を揺らす風の音が聞こえてくる。

…ヒュー…

…あれ?これホントに、外の音か?

耳を澄まして廊下を歩き、お風呂の脱衣所のドアを開けると

…ヒュー…

吹き抜けに向かった小窓の、レースのカーテンが、なぜか揺れていた。

窓開いてる!

この窓にはふだん触らないが、開いてるんだから誰か開けたんだろう。

私が開けるとしたら湿気やカビが気になる季節だから、1か月や2か月の話ではない。当の本人に開けた覚えがないということは、かなり前から開けっ放しだったことになる。

トシのせいか、この冬は脱衣所が寒いなあ、とは思っていたけれど

寒いはずだよ!

いそいで閉めたら、先程までのヒュー音はピタリとやんだ。

やれやれ、クリスマスは暖かく過ごせそうだ。

すきまかぜ
♪ひとをあいして~ ひとはこころひらき~♪



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/12/24 11:30

けいれい話。

朝、ときどきすれ違うその人に気づいたのは、夏のはじめ頃だった。

30代前半くらいのサラリーマン風の男性。

若い入居者は、高齢化が進むここではめずらしくて、子供世代か、分譲賃貸の人かもしれない。

オハヨーゴザイマース

こちらが挨拶しても、はかばかしい返事はなく、マスクに隠れて表情もわからない。

そういうことは気にしないようにしているので、返事があろうがなかろうが、勝手に挨拶を続けていつのまにか半年、

オハヨーゴザイマース

今朝もやっぱり、返事は聞こえない。

しかし私は気づいている。彼の挨拶に。

それは秋の終わりの、朝の空気が冷たくなる頃。

オハヨーゴザイマース

いつものように挨拶したとき、背広の肩がピクンと動いたのを、私は見逃さなかった。

私の姿を認めて、ポケットに突っ込んでいた手を出したのである。

なーんだ いい子じゃん…

道で行き会う近所のオッサンには、ジャンパーのポケットに手を入れたまま

おあざーす

口だけで言うのがいくらもいる。あんなのに比べれば、ずいぶん礼儀正しいじゃないか。

オハヨーゴザイマース

オバサンの挨拶に、ポケットからパッと手を出すのが、彼なりの敬礼なのだ。

暑い夏には見られないから、寒いのもまんざら悪くないな、と思う、今年初めての雪の朝。

はつゆきちらちら



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/12/23 11:30

まちのな話。

朝から冷たい雨。

出かける仕事も無し、家にこもって、年賀状を書いてしまおう。

絵柄は印刷するけれど、宛名は手書きである。

10年ほど前、パソコンが壊れたのをきっかけに、住所録を作るのもやめた。

今年はじめにいただいた年賀状を見ながら、1枚1枚、ヘタクソなりにあの人この人の名を書く。

好きな人の名前は、書いていて楽しい。

やさしい人の住む街の名は、行ったことがなくても懐かしく思える。

アイウエオ順に並べた賀状が、8割がた裏向けになり、マ行に届いたとき

あれ?コレさっき見た…

不思議な既視感をおぼえた。

郵便番号、県、市、町。

さっき書いたのとおんなじ住所じゃないか。

いそいで裏返った束を繰ると、あったあった。

へえ~、あの人の引越した先は この人の住んでる町だったのか。

お互いに、ぜったい接点など無いはずの、ふたりの知人が、同じ町内の住人だと発見した。

スーパーですれ違っているかしら

同じ場所に ゴミを出してるかもしれないな


今まで並べたことのないふたつの顔が、想像の中で笑いあっている。

なんとなく気分がポカポカしてきたから、立ち上がって、お風呂のスイッチを入れた。

今日は冬至、柚子の実はないけど、ゆずの香りの入浴剤でも入れて、暖まろう。

カピバラ



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/12/22 11:30
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