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にょろにょろ話。

ちょっと早く目が覚めた朝。

まだ時間はあるけど、涼しいうちに出かけようと、家を出た。

いつもはバタバタ通り抜けてしまうエレベーターまでの廊下を、ゆっくり歩いていると

にょろり…

3軒隣の部屋の前で、目の端に何かが動いた。

あの色、あの大きさ、あの速度

あれはアレだ…

歩調を緩めぬまま、チラリと視線をやると

!!

姿が見えなくなっていた。

ドアの下の隙間から、室内に入ってしまったのではないか。

アレは振動に敏感らしいから、おそらく私の足音に驚いて、隠れようとしたのだろう。

思わずその場で立ちすくみ

どうしよう…

そこんちの住人とは、挨拶程度で親しくもない。朝のこんな早い時間に

今 おたくにアレが入りましたよ!

言ってあげた方がいいのだろうか。私ならありがたいが、誰でもそうとは限らない。

昨夜の蒸し暑さで眠れなくて、明け方やっとウトウトしたところに

♪ぴんぽ~ん♪

いきなり鳴らされたら、どう思うだろう。

見間違いかもしれない。大山鳴動して○○○ゼロ匹という可能性だってある。

でも 私の足音のせいだし…

しばらくドアの前で逡巡したあげく、けっきょく何もできず、そのまま出勤した。

それでよかったのか、ずっと悶々としている。

むかでこないもん
(うちにはアレが来ないでほしい)



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2023/06/30 11:30

いせきの話。

物騒な誤変換にギョッとした(→ぶっそう話。)ものの、原稿書きじたいはサクサク進む。

どうせ埋め草記事なので、気楽に書いた。

ダラダラ長く書いてから、編集の人に電話して字数を尋ね、植込みを刈り込むように短く詰める。

誤字を発見するのもこういうときだ。

…アレ?

のんきな紀行文のはずが、えらくものものしい一節がある。

…大太古のような…

こんなこと書いたかなあと前後を読んだら、「だいたいこのような」とした箇所らしい。

もお~!ナニコレ~!

そんな言葉があるかどうか知らないが、大太古とは、いったいどんな大昔なのか。

われながら、古代のロマンに満ちた変換ミスである。

そういえば以前、肌解析って何だろう、と検索したら、裸遺跡が出たことがあるし、LINEで誰かと断捨離の話をしていて

これも もう処分時かしら

と打ったら

猛暑文土器かしら

未知の遺物を発掘してしまったこともある。

1万基の古墳を擁する県に住んでいると、誤変換でも遺跡を掘り当てがちなようだ。

古代のロマンもほどほどにしないと…

反省しながら、「大太古」にカーソルを乗せてみたけれど、このくだり、そもそも不要に思えて、まるまる削除することにした。

かえんがたどき
(これが猛暑文土器だ!…ウソです)



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/06/29 11:30

ぶっそう話。

某日、知人とLINE。

どういう文脈でそんな話になったのだったか、

人間恥じらいが大事ですよね~

と入力したところ
びっくりぱんだのすたんぷ
瞬時に驚きのスタンプが返ってきたので、こちらもビックリして見直したら

人間は地雷が大事ですよね

となっている。

母の入力ミスを笑っていた(→としがす話。)けれど、私もそろそろ他人事じゃなくなってきた。

変換ミスは仕方がないから、見落としが無いように都度気をつけるしかない。

先日も要眼鏡等と打ったら、溶岩共闘という激アツな誤変換があったばかりだ。

イモートと市民検診の話をしていたときも

今日市民権死んだ

急に社会問題を提起しかけて、あやういところで訂正した。

そういえばイモートとのLINEでは、共通の知人の某さんのことを意識高い系と言おうとして

某さんって石北会系だよね

架空の反社会的勢力に所属させてしまったこともある。

こうして見ると、私の変換ミスは、地雷とか死んだとか、物騒になりがちなようだ。

注意しないとな…

考えながら、勤務先の月報に載せる原稿を書いていたら

わが思い出の地の再訪 

表題がいきなり

思い出の血の裁縫

と変換され、ギョッとした。



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2023/06/28 11:30

べにしあ話。

10年ほど前「猫のしっぽカエルの手」をよく見ていた。

べにしあ

京都大原の古民家に住むベニシアさんというおばあさんが、ハーブを育てたり、お料理をしたり、四季の生活を楽しむ様子を伝える番組だった。

「ベニシア」と表記するとわからないが、彼女の名前はイタリアのヴェネチアVenetiaと同じである。

ご両親がヴェネチア滞在中に彼女を授かっただか生まれただかが、命名の由来らしい。

うちの両親の新婚旅行は宮崎。

私はそのあとすぐ生まれたので、その命名法では「宮崎」という名(姓ではなく)になってしまう。

イギリス人じゃなくってヨカッタ…

しみじみ思ったりする。

テレビにも、いろんな見方があるだろうが、私は完全に他人事という気持で見ていた。

へえ~手作りお菓子 ステキね… なるほど~ 洗剤を使わなくても ハーブでできるのね…

などと楽しく見てはいるものの、実践する気持は全くない。

番組が終わればヤーレヤレと腰を上げ、洗濯機に洗剤を入れ、冷凍食品をレンジで温めて、コンビニで買ったアイスを食べている。

隙間風の入る古家で、焦げ鍋をタワシでこするような難儀なことは、マッピラごめんである。

家事なんぞ、できれば最短距離で済ませたいし、楽しめと言われてもムリだ。

しかし、イギリスのおばあさんがそれをしているのを見て、とても心温まるし、ステキだなと思うことは矛盾じゃないと思う。

彼女の生活は私にとって、遠い美しい風景のようなものだった。

訃報を聞き、ベニシアさんがまだ72才だったと知って、ちょっと驚いている。

おばあさんと思っていたが、私が喜んでテレビを見ていたころは、60代前半だったわけだ。

今の私と、ほとんど変わらない年齢である。

ステキな古民家暮らしのなか、まだまだ生々しい人生のもろもろに悩んでいたのかも、と思うと、遠い存在だった彼女を、少し近しい人に感じる。
 


ベニシアさんことVenetia Stanley-Smithさん死去の報に接し、2014年11月23日の記事に加筆のうえ再掲いたします。



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てれびじょん | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/06/27 11:30

ちゃーとの話。

今朝のテレビは夏の帽子特集。

視聴者投稿の帽子の悩みに、専門家が答える。

いつも感心するのは、世の中のどんな分野にも、専門家を称する人がかならず存在することだ。

お詳しい専門の方を探しましたが 見つかりませんでした…

そんなこと、たまにはあってもよさそうなもんだけど、見たことがない。

それはさておき、画面には図が映っている。

にあうぼうしちぇっくしーと

似合う帽子が分からない、という視聴者の悩みに応じて示されたフローチャートだ。

こういう番組や雑誌の記事でおなじみで、骨格診断とか、似合う髪型や服の色など、3つか4つのYES、NOで、なんでも決めてくれる。

しかし私はこれで納得したことがない。

毎回、マジメにYES、NOを答え、いちおうの結果を得るものの

……ええ~ これェ?

毎回ビミョーな気持になる。

そもそも、導き出されたお勧めの服や帽子、髪型が、ぜーんぜん好みじゃない

あんな帽子なら 似合わない方がマシだ

今回も断然、従わないことに決めた。

私に言わせれば、帽子なんて気合だ。

どんな帽子だって、選んでギュッとかぶったら、あとはもう、周りを気にしないことである。

さあ、今日も出かけよう。似合う帽子じゃなく、好きな帽子をかぶって。



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2023/06/26 11:30

チンボツ本。

夕ご飯を終えてテレビを点けたら、見たことある映画をやっていた。

たいたにっく

いや、なんでよりによって今日?

沈没したこの豪華客船を見るために、深海にもぐった潜水艇が消息を絶った。乗船していた5人も絶望的だと報じられたばかりだ。

きっと今ごろ、タイミングが悪いだの、不謹慎だの、ネット上ではさぞかし喧しいに違いない。

しかし、いくらテレビ局に節操がないといっても、ニュースに乗っかったわけじゃないだろう。

昨日の今日でこんな大作、流せるわけがないから、たぶん事故のずっと以前から放送が決まってたのだろうけど

偶然って怖いねエ…

他人事じゃない気がしたのは、今朝届いた絵本のせい。

ちんぼつせんはたいむかぷせる
(佐々木 ランディ 著 矢野 恵司画 福音館書店刊)

かねがね水中考古学に興味があり、今月初めに出た子供向けの本が面白そうで、ネット書店で注文してあったのだ。

日本では数少ない水中考古学の研究者が、興味深い水中遺跡や、そこからの歴史的発見を紹介している本で、例の豪華客船は出てこないが

ちんぼつせんはたいむかぷせる2

題名がこれでは、事故がらみのヤジウマ的興味と思われても仕方がない。

内容は期待通りなのに、なんだか残念である。



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ブックガイド | コメント(2) | トラックバック(0) | 2023/06/25 11:30

ぴよりん話。

用件はバタバタと済んで、帰りの切符を見たら、まだ1時間近くある。

観光できるほどの時間じゃないし、荷物も多い。

お茶でも飲んで時間つぶすか…

コンコースでキョロキョロすると、喫茶店の前に4、5人の行列ができていた。

こりゃいいや ここにしよう

ふだんなら行列なんてマッピラゴメンだが、私はセッカチなので、ただ店でお茶を飲むだけでは、15分ももたない(→かふぇの話。)。

並んで待てば、ウロウロせずに時間がつぶせて、ちょうどいい。

ノロノロ進む列の最後尾で、待つこと30分。

どうしてここだけ行列だったのか、席について、メニューを開いて分かった。

ぴよりん

かのフジイ名人が対局のオヤツに食べたので有名な、ヒヨコ型のケーキの店だったのだ。

丸餅ほどのちっこいケーキに、飲物セットで千円と、人気を反映した強気の値付けである。

まあいい、話の種にいっちょ食べとくか。

すみませ~ん!

若いウエイトレスの背中に声をかけても

お待ちくださーい

言い放ったきり、再び来る気配もない。これまた人気を反映した強気の接客である。

いささか鼻白んでメニューを置くと、不穏な空気を察したか、先程よりやや年かさのウェイトレスがやってきて、注文を取っていった。

と、思ったら、そそくさと戻ってきて

コーヒーのほう 新しく落としてますので 5分ほどお待ちいただけますか?

そうですか いいですよ

待つのは全然かまわないが、ウェイトレスがなぜか、ハナっから怒ってる人対応だったので、尊大な風を装った。

やがて、淹れたてだというコーヒーとともに、そいつはやってきた。

ぴよりん1

お皿の上だと写真より、一段と小さいな。

ぴよりん2

瞬殺!

待って、食べて、飲んで、ちょうど50分。

さあ帰ろう、もう私の電車が来る。



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2023/06/24 11:30

どあから話。

久しぶりにちょっと遠出した。

物見遊山じゃないけれど、日頃見慣れない景色に包まれる解放感は、やっぱりいい。

用件を済ませて、次の場所へ向かう。

昼過ぎの地下鉄は空いていて、端っこの席にゆったり座れた。

しばらくボンヤリ揺られていたが

あっ、アレ!

あわててスマホを手に取った。

もう何年も前に初めて見て、写真に撮りたかったのに、車内が混んでいて、涙をのんだのである。

前に人が立っていない、今のうちに

シャッターチャーンス!

スマホはシャッター無いな、と思いつつ、この機を逃さじと撮ったのがこれ

どあからてを

ドアに貼られた、注意表示のステッカーだ。

どあからてを2

なぜ「から」「を」だけ字が小さいのか?

格助詞は小さくする、ということなら、なぜ

どあからてを3

「に」は大きいままなのか、ずっと気になっていたのである。

何年もの間に記憶も薄れ、もしかして見間違いだったのか、いささか自信を失っていたところだ。

未だ理由はわからないままだけれど、謎の実在を確認できて、ひとつ大きな目的を果たしたような気がする。



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ごかぞく | コメント(6) | トラックバック(0) | 2023/06/23 11:30

かにのひ話。

私はカニがキライである。

お好きな方のほうが多いのは重々承知だから、今までそういう気持はやや控えめに表現してきた(→かにかに話。)。

しかし正直に言えば、水族館でカニの水槽が目に入らぬよう、遠回りするくらい苦手なのだ。

カニ、とくに大型のカニが、深海に棲む生物で本当に良かった。

もしあれらが陸上にいて、家に入り込んだら。

夜半、ガシャガシャという物音に、足元を見て、うずくまるあれらを発見したら。

私の心臓は即座に停止するであろう。

不思議なもので、キライキライと思っていると、逆に目に入る機会が増えるものだ。

きょう6月22日がカニの日だと知っているのも、そのせいだと思う。

22日がカニの日なのは、子供でも分かる。両手でチョキを出し、耳の傍に挙げる、陽気なダブルピースのポーズが、カニに見えるからだろう。

しかし、なぜ6月なのか。

カニ好きの皆さんにとって、あれは冬の味覚なのではないか。

疑問をそのままにするのもナンなので、あまり気が進まないが「カニの日」で検索をかけてみた。

わんさとヒットしたカニの画像にウッとなりつつ、字だけに焦点を合わせると

カニの日の理由は…

おお、あったあった。

占星術のカニ座の最初の日で…

へ?

また、五十音で「か」が6番め、「に」が22番めであること…

なんと!

ダブルピースでカニカニ、と思いきや、えらく込み入った由来があるではないか。

感心して、カニだらけのページを閉じた。だからといって、カニ好きになりはしないけれど。

ほぼかに
(だがカニカマは大好き)



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/06/22 11:30

くちこみ話。

生協の注文の締切日に気づいて、慌ててパソコンを開く。

昔は注文用紙に鉛筆でマークをしながら、共通一次試験(これもだんだん通じなくなる)を思い出したりしたものだが、今はネット注文だ。

食べるものには冒険心がないから、注文も毎回変わり映えしない。

牛乳、玉子、ヨーグルト…次々とクリックしていると、ふと、ふだん見ない項目に目がとまった。
くちこみ

購入者の口コミ欄だ。

私はだいたい、口コミというのを当てにしない。

食べ物の好みなんてとくに人それぞれだし、他の誰もがマズいと言ったって、自分がおいしけりゃそれでいいのだ。

それにしても、48件もある口コミで1つ星は穏やかではない。

好奇心から内容を見てみれば

煮ても柔らかくならないし美味しくない!

野菜の味もせず、まずいのひと言です。


まだ商品カタログに載っているのが不思議なほどの不評である。

ますます興味が湧き、読み進めると

残念な商品でした。 二度と買いたくない。

次は買いません!

生協には良い物もありますが、この商品はもう購入したくないです。


皆さん購入を後悔されているのみならず

買おうと思った人はやめた方がいいです。

他の人が買うのを阻止しようとする人までいる。

ここまでくると、がぜん面白くなり

どんな味なんだろう…

なけなしの冒険心が、まさかのこのタイミングで発揮された。

迷うことなく注文ボタンを押したあと、ワクワクしながら商品の到着を待っている。



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ちゃれんじ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2023/06/21 11:30
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