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ぼんやり話。


ボーッと生きてんじゃねーよ!

画面でどなっているチコちゃんをよそに、思う存分ボーッとする土曜の朝。

ふと、昨日の記事(→めんせつ話。)のことなど考える。

地区で人気の幼稚園に、事情通でやる気満々の親子を差し置いて、何も知らないで受けたムスコが入園できた理由はずっと謎であった。

入ってみると、その小規模園は、家庭的で親切で、人気のあるのもよく分かる。

おっとりした校風で、ムスコも委縮することなく、のびのびと3年間を過ごした。

私がボンヤリして気づかなかっただけかもしれないが、マスコミで取り上げられるような、ママ友トラブルなどとも無縁だったと思う。

いったいどうやったの?!

うちが合格だと聞いて詰め寄ってきた、あのママさんの鬼の形相を思い出しても

あんな怖い人はいなかったなア…

目から鼻へ抜けるような人は少なくて、ポヤンとした雰囲気の人が多かった。

そういえば園児たちも、高倍率をくぐり抜けてきたわりに、とくべつデキるお子さんという感じではなかった。

だからこそ、みんなノンビリ、のびのびと園生活を過ごせたのかもしれない。

面接で何見てたんだろう…

ボーッと生きてんじゃねーよ!

画面では、またチコちゃんが赤く膨らんでいるが

もしやあの園、ボンヤリを集めてた?

20年越しに疑問が氷解したような気がする。

ちこちゃんにしかられる
(ボンヤリしている時はデフォルトモードネットワークという、ひらめきを得やすい状態らしい)



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2023/09/30 11:30

めんせつ話。

ムスコが3歳になろうとするころ、男の子の相手にほとほと疲れた私は、コイツはもう幼稚園に入れよう、と思い立った。

ムスメも通った近所の公立幼稚園は2年保育なので、私立を探さねばならない。

電話帳を調べて、徒歩で15分くらいのところに、3年保育の幼稚園があることがわかった。

買物がてら見学に行くと、小規模で家庭的な雰囲気。さっそく願書をいただき、親子面接を待っていたある日。

団地の駐車場で、顔は知ってるけど名前は知らない奥さんに、いきなり声をかけられた。

ヤマモモ幼稚園、受けるんですって?

なんで知ってるんだろうと思いつつうなずくと

ウチもなの!面接ガンバリましょうね!

言われて戸惑う雰囲気が伝わったのか

あそこはスッゴイ倍率なのよ!知らないの?

呆れ顔で教えてくれた。

彼女は続けて、あの園はこんな先生がいて、これこれの行事が…と、私にとってハツミミな情報を、次から次へ披露してみせた。

何しろ初めて聞くことばかりで、ハアハアと感心しているしかない。

聞けば彼女は、卒園生のお友だちから、園指定のカバンや体操着も、お古で調達済みらしい。

フマジメな私は、私立に入れるって大変なことだったんだ、と、目を開かされる思いであったが、いまさら打つ手はない。

もはやマナイタの鯉の心境で、いつも通りボーッとしたムスコを連れ、面接に向かう。

親子別々の面接は、拍子抜けするほどアッサリ、短時間で終わった。

数日して、入園の案内が郵送で届き、ホッとしていたら、同じ駐車場で、先日の奥さんに

いったいどうやったの?コネとか使った?

えらい勢いで詰め寄られた。

彼女のところは残念な結果になったらしい。

どうやった…って… 別に…

モゴモゴする私を、眉間にしわを寄せてにらむ表情に、なんでウチが落ちて、こんなボンヤリ親子が、という思いがアリアリとうかがえる。

まさに進退窮まる状況から、どうやって抜け出したのか、記憶にない。

じりじりと迫るコワい顔は、今もありありと思い出せるが、彼女の名前は知らないままである。

めんせつすたいる
(こんなカッコ、今までしたことない)



本日も早朝より他出のため、2016年9月29日の記事に加筆のうえ再掲いたします。



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2023/09/29 11:30

うんどう話。

日曜の早朝、女性の金切り声で目が覚めた。

早く!サッサとして!

尋常じゃない声色に飛び起きて外を見ると、クーラーボックスを提げた男性が、前のめりの奥様の後をノタノタ追いかけていく。

ああ、運動会の場所取りか。

うちも子どもが小学生の間は、なんとか重いおしりを上げていたのだが、中学の運動会は平日開催でもあり、見に行くこともなくなった。

高校に至っては、いつかも知らないまま終わったし、子供に来てほしいと言われたことも無い。

こうまで冷淡なのは、運動ができないからだ。

私もイモートも、それなりに背丈もあり、ふだんはテキパキふるまっているので、そう劣っているとは見えないのだが、なにしろ運動能力がない。

走れば不気味なほど遅いし、ボールを投げるとみんなの半分のところにポテッと落ちる。

スタミナも皆無で、何をしても15分でバテる。

そんな私の子どもたちがスポーティーな人間になるわけもない。

ふたりの唯一の得意は水泳だが、運動会でプール競技はないのである。

親として晴れがましい思いをしたのは、ムスコが放送係でマイク前に座ったこと、ムスメが紅組代表で優勝旗を受け取ったことくらいだ。

イモートのところも似たり寄ったりで、姪っ子は学校の体育でも四苦八苦したらしい。

おじーちゃんが亡くなる前、毎日話し相手をしに病院に通った。

年寄りの気持ちを明るくする話題は孫である。

姪っ子の運動会の練習のことなど、面白おかしく話していたら、おじーちゃんはぽつんと

うちに足の速いやつは生まれないからな…

そういえば、若い時野球をやっていたこの人も、走るのが嫌だからピッチャーだった、という。

それにしても、いまわの際にこんな予言めいたことを言い残さないでもらいたかった。

未来永劫、金輪際、我が家系には運動会のスターは生まれないのかもしれない。



本日業務多忙につき2014年9月28日の記事に加筆のうえ再掲いたします。



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ごかぞく | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/09/28 11:30

まるじゅう話。

今日はちょっといい天ぷら屋でランチ。

もちろんオゴリ…だったらいいのだが、友だちとふたりなので自腹である。

まあ、ランチのコースなので、家計に影響が出るほどではない。

カウンターに席を占め、シャレた先付けとビールで乾杯、ガラスケースから取り出される色とりどりのタネに、ワクワクしながら揚がるのを待つ。

オクラ、エビ、レンコン…揚げ物はおいしい。

しばらく無我夢中でサクサク噛んで、飲み込んで、少しお腹が落ち着いてきたので、カウンターの中をキョロキョロ眺めた。

高級なカマボコ板が並んだようなお品書には、コースにないタネもいろいろある。

メゴチ カボチャ へえ~ エリンギ…

エリンギって何語?

さァ… フランス語?

もちろん根拠はない。

ゴーヤ ささみ…丸十…マルジュウでいいの?

どうだろ…だいたいマルジュウって何?

こういう時、ためらいなく聞けるのがオバサンのいいところである。

すいませ~ん!

ちょっと、やめなさいよ恥ずかしい…

友だちは私より若い分、いくばくかのハジライが残っている。

いいじゃん知らないんだから…あの、マルジュウって何ですか?

小舟のような白い帽子をかぶった若い職人さんに尋ねると

ハイ 丸に十の字の…

まるにじゅうもんじ

ああ!島津家!薩摩の…

サツマイモですね

ニコニコ答えてくれた職人さんが、足元の冷蔵庫を開けるためしゃがんだすきに

ホラ、聞いてよかったでしょ!

得意げに自慢すると、友だちは

マアネ…

なんとも複雑な表情で、シイタケをかじった。



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2023/09/27 11:30

ぼーどの話。

子供が小さかった頃は、幼稚園や学校のお便りを冷蔵庫にマグネットで貼っていた。

それぞれに予定が増えていくと、開け閉めのたんびにフサフサ音がするようになったので、求めたのが画鋲で留めるコルクボード

子供が独立してひとり暮らしになり、予定表やお知らせの枚数が減っても、まだ使っている。

重ねると下の紙が見えないから、近い予定が一番上になるように、ずらして留めないといけない。

用済みの紙をさっさと外すのはもちろんだ。

土曜日に済んだ排水管洗浄のお知らせをはがすと、すぐ下は停電のお知らせだった。

だんすい3

そうそう、水も出ないのよね…

うちのマンションは、電気が停まると断水になるので、停電の日は水の汲み置きも必要である。

前回の全館停電は確か冬だった(→ていでん話。)けど、今ごろはまだ気温が高いから、冷蔵庫の中身も気をつけないと…

だんすい1

へ?

だんすい2

はア?!

すすすすみません、急に忙しくなったので、今日はこれにて失礼!



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2023/09/26 11:30

だれなの話。

暑さ寒さも彼岸まで、とやら。

通勤途上の遊歩道にも、暑いうちは控えていたらしいウォーキングの人たちが、また現れた。

同じ時間帯なので、すれ違う人の顔ぶれも、なんとなく見覚えがある。

中のおひとり、着ているものの雰囲気からして、おそらく60代前半くらいの、小柄な女性だが、出会うたびやけに丁重に会釈してくださる。

ただすれ違うだけの関係にしては丁寧すぎるのだ。

もしかして、どこかでお世話になったことのある、見知りの人なのだろうか。

たしかめたくても、こちらはセカセカ電車の時間を気にしているし、先方は運動のため、スタスタ歩き続けて足を止めない。

呼び止めるのもいささか無粋である。

なによりこの人、首から上が帽子、マスク、サングラスに包まれた

みすたーえっくす

ミスターX状態。

これではたとえ旧知の間柄でも、どこのどなた様か分からないし、ヒントが少なすぎる。

なれなれしくするのもおかしいが、かといって、もし知ってる人だったら、別のどこかで会って

も~ いつもオスマシしちゃって~!

なんて言われるのもイヤだな~と思っている。



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/09/25 11:30

しずかな話。

ひと雨ごとに季節は移ってゆく。

ほんの2、3日前まで頭がボーッとするくらい暑かった(→くずくず話。)のに、昨夜寝る前には肌寒くてクツシタを穿いた。

寝苦しさに目覚めることも無く、ぐっすり眠った朝、窓を開ければ冷たい風。

今日はホットコーヒーにしよう

誰にともなくつぶやいて、テレビを点けたら

…#~@++$%⁉

わあ!

大きな音にたまげてリモコンのボタンを連打し

…#~@++$%⁉…

ふつうの音量になってホッとしたものの

なんであんなにデカい音…???

疑問が湧く。あんな大音量でテレビを見た記憶はないけど…

あ!

そういえば、昨日の夕飯の前は、まだ扇風機が点いていた。

扇風機がうるさいなんて思ったことはなかったが、考えてみればモーターが回っているのだから、それなりの音はするだろう。

夏のあいだ居間に入ったらまず扇風機を点けて、1日中そのままなので、テレビも聞きにくくて、知らず知らず少しずつ音量を上げていたらしい。

何にでも理由はあるなア…

どうでもいいことも、やっぱり考えて良かった。

夏じゅう働いたわが家の4台の扇風機も、そろそろ静かに休むころだ。

せんぷうき4だい




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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/09/24 11:31

おしゃべり話。

夏休み帰らなかったイモートが、お彼岸の墓参を兼ねて実家にやってきた。

大学生になったメイちゃんも一緒である。

せっかくなのでムスメとムスコにも集合をかけ、久しぶりの一族勢揃いと相成った。

作ったり、買ってきたり、いつものように多すぎるご馳走を囲むひととき。

ワインを抜いてグラスに注いでいたら、ふだん飲まないおばーちゃんが

アタシにも…

めずらしく、ちっちゃいコップを持ってくる。

飲んで食べて、口々に、知ってる人の知らない話、知らない人の知ってそうな話、話題は行ったり来たり。

あっという間に夜は更けて、バスの時間になったので、そのまま泊まるイモートたちを残し、3人でうちへ帰った。

最終バスは貸切。それぞれ座席に落ち着いたら

…しっかしうるさかったねエ~

ムスメが、感に堪えぬといったふうにつぶやくと

だーれも黙ってないもんナ…

ムスコも応じる。

みんな声大きいよ~

アンタたち2人もね!

たしかに10畳ほどのリビングは、笑って、話して、割れんばかりであった。

母は如才のない話好きだし、私は昔から、よそで要らないことを言っては叱られていた。

うちはおしゃべりの家系であるらしい。

例外的にイモートは、若いころはおとなしくて静かで、私が新婚のころ家に遊びに来ては

おねーちゃんの家はうるさい

などとぬかしたものだった。

ところが、いつの間にやら、ちゃーんとうるさいオバサンになっている。

血とはまこと恐ろしいものである。

しゃべる
(関西ではこれがシャベルだが、関東ではスコップらしい)



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ごかぞく | コメント(10) | トラックバック(0) | 2023/09/23 11:30

おおかぜ話。

ベランダに出ようとしたら、サンダルの右はあっち、左はこっちと、離れたところに飛んでいる。

昨夜は激しい雨、バリバリ雷が鳴っていたが、風も強かったらしい。

雨水で濡れたサンダルを拾ってサッシの縁に立てかけていると

♪ぺぽん♪

LINEの着信音が鳴った。

おはようのすたんぷ

昨日は雨すごかったね

母からの定時連絡に

ちょっと怖かったね 大丈夫だった?

実家の裏には、近所でも評判のくそジジイが住んでいる。

以前台風で、取り込み忘れた洗濯物か何か、ごくごく無害なものが、うちからジジイの庭に飛んで行ったとき

こんなもん投げ込んでどういうつもりだ!

どえらい剣幕で怒鳴り込んできた。

ジジイの家にも台風は来ただろうに、そんなことは知らんとばかり、とんでもないイチャモンだ。

おとなしいおばーちゃんは、言われっぱなしで、委縮していた。

それ以来荒天の予報が出ると、夜でも物干し場を必死で片付けていたのを思い出し

洗濯ハンガーとか飛んでない?

確認すると

平気平気 

やけに軽い返事なので

裏のくそジジイ大丈夫?

つい念を押したら

大丈夫 先月亡くなったから

固太りで憎々しくて、おばーちゃんよりよっぽど長生きしそうだったので、意外だったし

良かったね

とも言えず、しばらく返事を考えてしまった。



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2023/09/22 11:30

あめにも話。

子供が小さいころ「にほんごであそぼ」という番組をよく見ていた。

同じ局の、「おかあさんとなんちゃら」のようにお子様ランチ的な内容ではなく、古典文学や伝統芸能もためらわず紹介するのが面白い。

この番組の特徴のひとつが、暗唱を勧奨するという点であった。

脳ミソの新しいうちに丸覚えしたことは、以後の言語感覚の礎となる、という考えに違いない。

楽しく番組を見るうち、じゅげむじゅげむごこうのすりきれ、などと自然に覚えていった。

覚えたひとつが宮澤賢治「雨ニモマケズ」。(盛岡弁ではこちら→雨ニモ負ケズ

寿限無よりはだいぶ長く、難しい言葉もある。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ…


行ったり来たりしながらも、ひらがなもアヤシイ年の子が、30行もある詩をそらで言えるようになるのだから、子供の記憶力はすばらしい。

声を揃えて唱えるふたりの声を聴いていると

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ…


身体は丈夫なほうがいいなあ、とか

ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ…


かしこい人になったら嬉しいなあ、と思い

ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ…


将来の苦難を思い浮かべ、胸を痛めた。親にしてみれば、わが子だから

ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ…


そんな風になるのは悲しいが

サウイフモノニ
ワタシハナリタイ


本人がなりたいなら仕方がない、応援しよう、と考えたりした。

ムスメとムスコの心の底に、あの言葉は今もあるのだろうか。

今日は賢治没後90年である。

あめにもまけず



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2023/09/21 11:30
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