しちゅうの話。
朝夕の空気が冷たくなり、街路樹の色合いも変わりはじめる頃。
下草が枯れ始めたせいか、ふと、いつも見ないものに目が止まった。

街路樹に添えられた支柱である。
この辺りは20年ほど前に開発された新興住宅地で、道路脇の植え込みもおそらくその頃のものだ。

このように、もはや支えの不要なほどに育った木も多い。
役目を終えた支柱は

長年支え続けてきた、その木の足元に力なく倒れ、朽ちていくが、

支え、支えられる関係が終わっても、並んで生きていこう、と決めたものもいる。
かと思えば、

いったい、二人の間に何があったのか、いささか険悪な状態のものや

ワイワイと多人数で、楽しければそれでいいじゃないか、と日々を送るものもいる。
中でも異色を放つのは、

本来支えるべき樹木を失い、ときに自らの存在の意義を疑いつつ、ひとり立つ支柱である。
孤高ともいえるその生き方には、何か励まされる。
…と、何もない道路脇を見つめ、ウンウンとうなずく私を、部活帰りらしい高校生が気味悪そうに見、遠回りによけて通り過ぎて行く。
ハッと我に返って、また歩き出した。

(もはや何が何だかわからなくなっている例)

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下草が枯れ始めたせいか、ふと、いつも見ないものに目が止まった。

街路樹に添えられた支柱である。
この辺りは20年ほど前に開発された新興住宅地で、道路脇の植え込みもおそらくその頃のものだ。

このように、もはや支えの不要なほどに育った木も多い。
役目を終えた支柱は

長年支え続けてきた、その木の足元に力なく倒れ、朽ちていくが、

支え、支えられる関係が終わっても、並んで生きていこう、と決めたものもいる。
かと思えば、

いったい、二人の間に何があったのか、いささか険悪な状態のものや

ワイワイと多人数で、楽しければそれでいいじゃないか、と日々を送るものもいる。
中でも異色を放つのは、

本来支えるべき樹木を失い、ときに自らの存在の意義を疑いつつ、ひとり立つ支柱である。
孤高ともいえるその生き方には、何か励まされる。
…と、何もない道路脇を見つめ、ウンウンとうなずく私を、部活帰りらしい高校生が気味悪そうに見、遠回りによけて通り過ぎて行く。
ハッと我に返って、また歩き出した。

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存在理由が見当たらない支柱。
非実用の支柱。
こうなると存在意義は存在そのものに昇華されています。
これはもう「純粋支柱」です。
この支柱は実用世界から藝術の世界へと次元移動しました。
我が家の支柱はそろそろ交換時期になっています。
ひとり立ちも以前は存在しておりました。
でんばあさんの(語り口)。
もし今 同じ物を見ていても、何も感じないかもしれない私だ。
年は取りたくない、、それでも昔は(詩人)だったような気がする。。
たいしたもんだ。
だから惹きつけられるんだよね。
でんばあさんの透徹した観察眼によって、支柱も純粋芸術になるんだなあ…
純粋支柱は、何物も支えていないようで、実は何もかもを支えているのかもしれません。
アイハート様も詩人ですよ。
花を作る人はみんな、花で人の心を動かし、詩を語っているんじゃないかなあ。
お褒めにあずかり恐縮です。
こんなヘンなことを書いて、読んでいただけて、しかも褒めていただけるなんて、嬉しいことです。
トマソン好きなんですよね。
ひそかに写真を撮ったりもしてましたが、発表の機会もなく死蔵しております。