fc2ブログ

こふんの話。

黄金週間、わが町にもたくさんの観光客がいらしている。

とはいえ、大型テーマパークも、若者に人気のスポットもない土地だから、静かなものだ。

観光の目玉といえば、仏像古墳、そして野放しの鹿。いくら観光客がご陽気にはじけてくれたところで、地味さはどうしようもない。

しかし、大昔、古墳が大ブレイクしたこともあったのだ。

ちょうど今、東京国立博物館ではキトラ古墳の壁画展をやっているが、私の世代で古墳と言えばなんといっても高松塚古墳

たかまつづか

私が小学生の時、壁画が国宝指定された。この4人のおばさんの絵は、あらゆる新聞雑誌に掲載され、あげくに風呂敷だの、絵皿だの、グッズが作られる騒ぎ。

担任の先生は歴史マニアで、この世紀の大発見にコーフンして言った。

今度の学習発表会は、タカマツヅカをやりましょう!

モゾー紙に「高松づか古ふん」の見取り図を描いたり、四神の壁画を解説したり、班ごとにテーマが与えられる。

そんな中、私を含む4人の女子が、先生に名前を呼ばれた。

皆さんには、タカマツヅカの乙女をやってもらいます

ハア?!ナンすか?

…と、今の私なら言ったろうが、40年前の純朴な小学生たちは、わからぬままにうなずいた。

タカマツヅカの乙女」は、今回の発表会の目玉となる出し物で、壁画に似せた扮装をして、セリフを言うのだという。要するに、あの4人のおばさんになれ、ということなのだ。

わたしたちは、タカマツヅカの乙女です

に始まる台本もできており、早速練習が始まった。

それにしても、なぜ選ばれたのか。みんなで顔を見合わせてセリフを言っているうちにだんだんわかってきた。

4人は全員、よく言えば天平美人型、わかりやすく言えばオタフク。ほっぺがプックラして一重まぶたの子ばかりが選ばれていた。

そう気づいてから、学習発表会がユウウツでユウウツでしかたなかった。プックラしたほっぺが恨めしくて、つねってみたりした。

そして、たくさん練習したはずなのに、不思議なことに、本番の記憶が一切ないのだ。

もしかしたら、仮病を使ってサボったのかもしれない。



にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


日記・雑談ランキング

スポンサーサイト



むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2014/05/04 09:09
コメント
No title
はるか昔の切ない思い出。
本番の記憶がないのはちょっと残念ですが・・
かわいかったんでしょうね!そのころは・・・

いや!今でもでしょうけど・・・
No title
あらららら・・・。
タカラヅカ乙女だったら記憶があったでしょうに。
残念ですね。

もし本当に当日一人お休みしてしまったのならば、壁画が急にはげてしまったとでも言ったのだろうか・・・。
No title
こんにちは。
ぢょん・でんばあさんと 同級生だったら、タカマツヅカの乙女は5人になっていたと思います。
歴史を変える瞬間(笑)
年齢をひらうごとに はれぼったかったまぶたも 見る影もなくしぼんだメカ沢です💦
Re: No title
Carlos様

コメントありがとうございます。

残念ながら、今も、昔も、そんなにかわいかったことは無いです。

ヒガミではなく、客観的事実です(笑)。

今も昔も、中身で勝負です。
Re: No title
オレンジわんこ様

コメントありがとうございます。

タカラヅカなら嬉しかったでしょうね~。メバリして、鼻に影をつけて、ホリを深く…(笑)。

母に聞いても何にも覚えてないのですよ。かといって、軽くずる休みさせてくれるような親でもなかったので、謎は深まる一方です。
Re: No title
メカ沢様

コメントありがとうございます。

おお、第五の乙女が!

加齢現象は、当方もご同様です。私はぷくぷくほっぺが垂れてきてる気がして、悩んでます。

管理者のみに表示