サシエノ本。
新聞小説や、文芸誌の連載が単行本にまとまった時、もったいないと思うことが一つある。
それは挿絵。
だいたいの挿絵は、連載が終了すればお払い箱になる。
挿絵画家が表紙を任されることさえ稀で、出来上がった単行本には、もともとの挿絵の気配さえない。
出版業界はコミックエッセイとか文藝マンガとか中途半端なジャンルを続々と作るくせに、挿絵に冷淡すぎる、と、私はかねがね思っているのである。
いい挿絵は子供だけのものではない。
児童文学だけじゃなく、大人の本にだって、もっと挿絵があってもいいんじゃないか。
何も、バーンジョーンズやミュシャやビアズリーに出て来い、というのではない。
今の時代、もし中一弥や蕗谷虹児がいたとしても、それに釣り合う小説などないであろう。
軽妙で、現代的で、本文を邪魔せず、それでいて本の世界をふくらませるような挿絵があったらいいなあ、と思うのだ。
だいたい、今の人の書くものは薄味でイメージに乏しく、ペロッと1枚めくったらもう底がなく、広がらない。
挿絵があることによって、グッと面白くなる小説やエッセイが、ぜったいあるはずなのである。
挿絵といえばラノベの萌え絵、というのでは、あまりにも情けないではないか。
海外の本では、ペーパーバックでも挿絵が生き残っているものがけっこう多い。
それだけ、本文と挿絵が分かちがたく結びつき、互いを生かしているのだろう、と思う。

(「機械探偵クリク・ロボット」 しかしこのポケミスの表紙はなんとかならんのか)
この本の挿絵は著者が自分で描いているのだが、かわいくて、ぬけていて、とてもよかった。挿絵がなければこの小説の価値は半減することだろう。
一読を勧めたいが、またしても絶版である。

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それは挿絵。
だいたいの挿絵は、連載が終了すればお払い箱になる。
挿絵画家が表紙を任されることさえ稀で、出来上がった単行本には、もともとの挿絵の気配さえない。
出版業界はコミックエッセイとか文藝マンガとか中途半端なジャンルを続々と作るくせに、挿絵に冷淡すぎる、と、私はかねがね思っているのである。
いい挿絵は子供だけのものではない。
児童文学だけじゃなく、大人の本にだって、もっと挿絵があってもいいんじゃないか。
何も、バーンジョーンズやミュシャやビアズリーに出て来い、というのではない。
今の時代、もし中一弥や蕗谷虹児がいたとしても、それに釣り合う小説などないであろう。
軽妙で、現代的で、本文を邪魔せず、それでいて本の世界をふくらませるような挿絵があったらいいなあ、と思うのだ。
だいたい、今の人の書くものは薄味でイメージに乏しく、ペロッと1枚めくったらもう底がなく、広がらない。
挿絵があることによって、グッと面白くなる小説やエッセイが、ぜったいあるはずなのである。
挿絵といえばラノベの萌え絵、というのでは、あまりにも情けないではないか。
海外の本では、ペーパーバックでも挿絵が生き残っているものがけっこう多い。
それだけ、本文と挿絵が分かちがたく結びつき、互いを生かしているのだろう、と思う。

(「機械探偵クリク・ロボット」 しかしこのポケミスの表紙はなんとかならんのか)
この本の挿絵は著者が自分で描いているのだが、かわいくて、ぬけていて、とてもよかった。挿絵がなければこの小説の価値は半減することだろう。
一読を勧めたいが、またしても絶版である。

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意外なところを衝かれました。
たくさんの人物が記事に登場していますが誰ひとりとして知らない私はコメントのしようがないんですが、ただ挿絵が冷遇されている指摘には大きくうなづけます。
で、挿絵。
事前に申請しますので承認を頂きたいのですが。
ってゆーか、承認がなくても実行しちゃいます。
はい、このネタ頂いて私のブログの記事にします。
平にお許しを!
私の尊敬するターシャ・テューダーも挿絵画家
ふとそれを思いました。
ほんとですね、単行本にも挿絵があったらまた奥が深くなりますよね。
挿絵画家たちの仕事が少なくなっているんでしょうね。
私ももっと挿絵を入れることに賛成です。
挿絵の部分も断片的ですが頭の片隅に残っています。
はじめまして~、過分のお褒めにあずかり恐縮です。これからも精進いたしますので、どうかお付き合いくださいませ。
文庫化のお知らせ&内容確認ありがとうございました。
カミはユーモア作家らしいんですけど、案外読みごたえがあるし、なにしろかわいい挿絵でしょ?グッズがあったらほしいなあとか思っちゃいます。
へい、謹んで承認させていただきますよ。
ちなみにビアズレーはrockin'様が掲載されているサロメの絵の作者ですよん。
ターシャチューダーお好きなんですね。
ブログの記事で想像している六花様のお人柄に似つかわしくって嬉しくなりました。
挿絵のきれいな本をご存知でしたらまたご教示ください。
賛同してくださってありがとうございます。
時代小説で、りりしい若侍や美しい武家の奥方、なまめかしい芸者の挿絵を見るとうれしくなります。
シャーロックホームズのイメージなども、発表当時の挿絵がもとになっているのですよね。
子供の頃見た挿絵の印象は強烈でしたよね。
私はポプラ社の怪人二十面相の挿絵を見て怪しくもおそろしかったことを今も思い出します。
わざわざご確認くださいましてありがとうございました。
鍵コメントの方にも文庫化のお知らせをいただき、驚いているところです。
他の著書もいくつか邦訳されているようですね。読もうと思います。