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きんろう話。

今日は勤労感謝の日

私が子供の頃、というともう大昔だが、その頃は学校で

いつも皆さんのためにお仕事をしてくださるお父さんに感謝しましょう!

という趣旨で、父親あての作文を書かせる授業があった。

いろいろな事情の家庭があったろうに、ずいぶんと無神経な話だが、昔だから仕方がない。

優等生の私は先生が喜びそうな作文を書きつつ、どーもシックリしないな、と思っていた。

子供が普段目にしているのは、年がら年中、休みなくパタパタと働く母の姿である。

かたや父はといえば、休みで家にいる時は、やれあれをとれ、これをくれと母を指図するだけだ。

加えて父はサラリーマンであったから

うちのパパは電車の運転手だよ

わたしのおとうさんはパン屋さんよ

というように、勤労具合が目に見えない。

父の仕事は建機関係の商社の営業だった。

おとーさんのお仕事はなあに?

あそこ、あの、工事現場に大きい機械があるだろう?

あのキカイを作ってるの?

いや…作るのは別の人…

じゃあ、ウンテンしてるの?

いや…運転するのはまた別の人…

えー?あ、わかった、売ってるの?

いや…直接売るのはまた別の人…

口重な父からこれだけのことを聞いた後、私はすっかり父の仕事への興味を失ってしまった。

以後、父の勤労にたいして、とくに想いを致したことも、口に出して感謝を表したこともない。

歳末の近づく今、街で工事現場にさしかかると、どこかにちくりと痛みを感じるのは、おそらく気のせいではないだろう。

はたらくくるま2019



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2018/11/23 11:30
コメント
No title
こんばんは。
お父さんの仕事が子供には見えにくいことってよく言われますよね。私も一時期MR(医薬情報担当者)だった時期があって、直接の営業でもなし、ちょっと説明しにくいところがありますから、お父さんの気持ちも分かるような気がします。
No title
こんばんは。
今日は勤労感謝の日!?
今、分かった。!祭日は知っていたけど、何の日かは全然無関心でした。
昔、私は作文書いたかどうか思い出せませんが、
書いたとすれば月並みだと思います。
私の家は商売をしていましたが、働いている姿を多い出すのは母の姿ばかりです。
父親で思い出すのは、酒を飲んでいる姿と釣りに行く様子だけです。
陰でちゃんと働いていたと思いますが、一番印象に薄い祭日です。
私も感謝の日にちゃんと働いていますから。
誰か感謝してくれないかなあ~
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そうなんですよね
父親が会社勤めだと労働を目視出来ないので労働者のイメージが湧かないんです。
私の父親も会社勤めだったのでそうでした。


大丈夫ですよ。
父親は子供から労働に対する感謝の言葉は全く求めていませんから。
それ以前にそのような発想もありません。
私もそーですからね。
Re: No title
へろん様

MRさんは激務と聞きます。大変な仕事をなさりながらお子様に理解されないのは寂しいですね。

父は無口でしたのでどう思っていたのかはわからないままです。
Re: No title
さんいー様

子供にありがとうと言われるのはお母さんばかり。

お父さんは辛いよ、ですね。

Re: No title
鍵コメc様

もう3年になりますか。早いものですね。

お母様をなくされた時のC様の記事、記憶にあります。
Re: そうなんですよね
rockin'様

そう言っていただけてちょっとホッとしました。

父は家では電球1個も換えない人でした。

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