ガイコク本。
私が「ガイコク」を実感したのは、1970年の大阪万博だったと思う。
映画やテレビじゃなく、生きて動いてそこにいる外国の人たちをはじめて見たのが万博だった。
それ以前の幼い私にとって、ガイコクとはこの本の中のことであった。

カロリーヌちゃんは小さい女の子なのに、8匹のややこしい動物たち(犬猫だけじゃなく、クマやライオンの仔までいる!)を連れて、世界のあちこちに旅をするのだ。
ヨーロッパ周遊ドライブ(犬が運転!)、先祖を訪ねてカナダ調査旅行、インドのジャングルで虎に遭い、水上飛行機で北極へ。
オランダの木靴と丸いチーズ、チロリアンハットにプレッツェル、運河をゆくゴンドラ、長い長いアルペンホルン、森の木からとるメイプルシロップ、エスキモーのカヌーや犬ぞり、全部この本で知った。
日本の田舎の木造平屋で、畳に腹ばいになって何度も何度も、覚えるほどこの本を読みかえしながら、私は何を思っていたのだろう。
行ってみたい!という気持ちは、不思議なくらいなかった。
金髪碧眼のカロリーヌちゃんの旅は、あまりにも現実離れしていて、うらやましいとさえ思わなかった。
「ガイコク」は、「昔々、あるところに」の「あるところ」と同じ、どんなに願っても、決して行けない場所。
本で見た国のいくつかに、将来行くこともあるなんて、あの時の私は夢にも思わないだろうな。
昭和43年、小学館刊。またしても絶版ですが、BL出版というアヤシイ名前の出版社から、復刻版が出ています。

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映画やテレビじゃなく、生きて動いてそこにいる外国の人たちをはじめて見たのが万博だった。
それ以前の幼い私にとって、ガイコクとはこの本の中のことであった。

カロリーヌちゃんは小さい女の子なのに、8匹のややこしい動物たち(犬猫だけじゃなく、クマやライオンの仔までいる!)を連れて、世界のあちこちに旅をするのだ。
ヨーロッパ周遊ドライブ(犬が運転!)、先祖を訪ねてカナダ調査旅行、インドのジャングルで虎に遭い、水上飛行機で北極へ。
オランダの木靴と丸いチーズ、チロリアンハットにプレッツェル、運河をゆくゴンドラ、長い長いアルペンホルン、森の木からとるメイプルシロップ、エスキモーのカヌーや犬ぞり、全部この本で知った。
日本の田舎の木造平屋で、畳に腹ばいになって何度も何度も、覚えるほどこの本を読みかえしながら、私は何を思っていたのだろう。
行ってみたい!という気持ちは、不思議なくらいなかった。
金髪碧眼のカロリーヌちゃんの旅は、あまりにも現実離れしていて、うらやましいとさえ思わなかった。
「ガイコク」は、「昔々、あるところに」の「あるところ」と同じ、どんなに願っても、決して行けない場所。
本で見た国のいくつかに、将来行くこともあるなんて、あの時の私は夢にも思わないだろうな。
昭和43年、小学館刊。またしても絶版ですが、BL出版というアヤシイ名前の出版社から、復刻版が出ています。

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今までこの本が残っていたんですか?
幼いころの夢がよみがえってきたことでしょうね。
私は外国人を初めて見たのは終戦後間もなく岩手の田舎にもジープに乗って外人が来て、チョコレートをもらった記憶があります。
初めて食べたチョコレートは苦かったような・・・
でもカロリーヌちゃんは存じ上げませんでした。
チラッと頭をよぎったのが‘長靴下のピッピ’です。
ちょっと似ているかな~と思いました。
「カロリーヌとゆかいななかまたち」が愛読書でした!
このシリーズ、まだ数冊家に残ってます。
ぼろぼろだけど^^
それにしても大阪万博とは懐かしい。
私も行ったんですよ。
大阪万博と言えば、太陽の塔と月の石でしょう。
結局、月の石は長蛇の列に恐れをなし見ませんでした。
論旨から外れてしまいましたが、思わずこちらを思い出してしまいました。
あたしゃあ、小学校の頃、外国とアメリカがイコールで繋がってたんでした。
カロリーヌちゃんはすごいんですねえ。
ぢょん・でんばあさんじゃないけどあの頃、私も、畳に腹ばいになってお姫様と王子様の絵本などを見てたんですねえ。
何を考えていたのかなあ。
私は、割と本気になって、王子様のお出でを待ってたような気がします。やっぱ、金髪の。
もうすぐ50年物のこの本ですが、シリーズで残っているんですよ。
実家にあったのを子どもが小さい時に読ませようと思って取ってきて、そのまま手放せずにいます。
ジープに乗った外国人は、戦後の記憶でしょうか。
万博で見た外国人はチョコはくれないで、私と妹の写真を撮ったりしていましたね。
金色の箱に入ってた世界の童話シリーズ、ご存知ですか?
うちにはこの他の巻もけっこう揃っています。
とてもかさばるのですが手放せません。
カロリーヌちゃんはピッピのように人並み外れた力も常識はずれの面白さもなく、ごく普通~の女の子なのです。それなのにとんでもない冒険をするので、なんだかシュールです。
わーい!ご存知でしたか!うちにも他に「なかまたち」と「つきりょこう」があります!
カロリーヌの巻はよく見たので「グリム童話」なんかより汚れているんですよね。
このシリーズ、人気みたいで、古書価でとんでもない値段がついてます。
よほど生活に困窮したら売ろうと思ってますが、幸い当分は大丈夫そうです。
大阪に住んでいたので、万博は一度ならず行きました。
私の大阪万博の思い出は「動く歩道」と「人間洗濯機」です!
月の石は見たはずですが、記憶にありません。子どもが見て面白いものじゃなかったのでしょうね。
ガイコクと言えばアメリカ、外国語と言えば英語、王子様と言えば金髪(笑)そんな時代でしたよね。
私は本が好きだったけど、本の中のことは夢、と思ってる、冷めた子供でした。
王子様を夢見る方がずっとステキですよ。
そうですか〜、大阪万博以前に「外国」を体験したのがこの本だったんですね
>「ガイコク」は、「昔々、あるところに」の「あるところ」と同じ、どんなに願っても、決して行けない場所。
私も田舎の木造の家で、世界の童話を読んでいたんですが、そう、今よりももっともっと遠い存在でしたよね。だからこそ私などはハイジの住むスイスに憧れたりしていたのですが。
まあ、いまだに行った事ないので、今でも十分遠い場所ではあるんですけど(笑)
BL出版?!(笑) 今でも復刻販売しているのかな? 装丁が大きく変わってなければ欲しいです。チェックしてみます〜!
古い記事を見てくださって、ありがとうございます。
記事にはしませんでしたが、このシリーズではマナサビィ様が取り上げていらした「うぐいすひめ」が大好きでした。
人物の可愛さももちろんですが、引き出しの中にミニチュアのような農村風景があるのにしびれました。
ちょっと出してきてまた読んでみようと思います。