じてんしゃ話。
はじめての赤い自転車は、長く乗れるように、という昔の親の発想で、大人向けの、輪っかの大きいものだった。
サドルは下げたが、漕ぎ出しが難しい。怖がりで反復練習が苦手な私は早々にケツを割り、新しい自転車は物置でホコリをかぶることになった。
その後ご近所さんから、子供向けの小さい自転車を、お下がりでいただいた。
おねーちゃんのはあるから、という理由で、ピンクの自転車は自動的にイモートに。
輪の小さな子供向け自転車は乗りやすく、イモートはあっという間に乗れるようになった。
年下に先を越され、ヘソを曲げた私は、イモートにからかわれ、母にはイヤミを言われても、ガンとして練習を拒否、ますます自転車から遠ざかった。
そんな私に危機が訪れたのは中1の時である。
新任の元気な男の先生が、
連休に、クラスで親睦サイクリングに行こう!
と提案。内心ギョッとする私をよそに、あれよあれよと、サイクリングの日程が決定した。
乗れて当然みたいな顔をしている皆に、じつは乗れなくて…とは言えない。
なにしろ当時の私は、優等生で学級委員。誰かに弱みを見せるくらいなら、死んだほうがマシ、くらいに思っていた。
その日から私のヒミツ練習がはじまった。
クモの巣のかかった赤い自転車を物置から引っ張り出し、めんどくさそうなイモートを拝み倒して練習に付き合わせる。
途中、偶然通りかかったクラスメイトには
ちょっとブレーキの具合が…
などと、整備中を装ってごまかした。
何度転んだだろう。膝から下をアザだらけにして、もう泣きたい気持ちの5日めの夕方、もう暗くなってから、自分の足の下で自転車が走り出した時の感激は、今も忘れられない。
今日、5月の風に吹かれ、ペダルを踏みながら思い出す。
えらかったね、あの時の私。
おかげで40年後の今、こうしてどこにでも、自由に行けるよ。
ありがとう、12歳の私。

(懐かしいイラスト「ジェイクの自転車」葉祥明)

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サドルは下げたが、漕ぎ出しが難しい。怖がりで反復練習が苦手な私は早々にケツを割り、新しい自転車は物置でホコリをかぶることになった。
その後ご近所さんから、子供向けの小さい自転車を、お下がりでいただいた。
おねーちゃんのはあるから、という理由で、ピンクの自転車は自動的にイモートに。
輪の小さな子供向け自転車は乗りやすく、イモートはあっという間に乗れるようになった。
年下に先を越され、ヘソを曲げた私は、イモートにからかわれ、母にはイヤミを言われても、ガンとして練習を拒否、ますます自転車から遠ざかった。
そんな私に危機が訪れたのは中1の時である。
新任の元気な男の先生が、
連休に、クラスで親睦サイクリングに行こう!
と提案。内心ギョッとする私をよそに、あれよあれよと、サイクリングの日程が決定した。
乗れて当然みたいな顔をしている皆に、じつは乗れなくて…とは言えない。
なにしろ当時の私は、優等生で学級委員。誰かに弱みを見せるくらいなら、死んだほうがマシ、くらいに思っていた。
その日から私のヒミツ練習がはじまった。
クモの巣のかかった赤い自転車を物置から引っ張り出し、めんどくさそうなイモートを拝み倒して練習に付き合わせる。
途中、偶然通りかかったクラスメイトには
ちょっとブレーキの具合が…
などと、整備中を装ってごまかした。
何度転んだだろう。膝から下をアザだらけにして、もう泣きたい気持ちの5日めの夕方、もう暗くなってから、自分の足の下で自転車が走り出した時の感激は、今も忘れられない。
今日、5月の風に吹かれ、ペダルを踏みながら思い出す。
えらかったね、あの時の私。
おかげで40年後の今、こうしてどこにでも、自由に行けるよ。
ありがとう、12歳の私。

(懐かしいイラスト「ジェイクの自転車」葉祥明)

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あれが出来る子は運動神経がいい子で、男子が多かったです。私はなかなかのれなくて、泣きながら転んでいるので、近所のおばちゃんが、かわいそうだからやめさせてあげたら、と親に言いにきたという実話があります。
ぢょんさんも、乗れてよかった。
私も恥得て自転車に乗れた時はうれしくて、どこまでも走っていったものです。
ところが、降りることが出来ず足が届く高さの段があるところじゃないと降りられませんでした。
その後、成長に合わせてフレームや車輪の大きさを変え、遊ばせています。
おかげさまで、上の二人の孫達は3歳で子供用BMXを乗りこなす事ができました。
現在一番下の孫が兄達の真似をしてキックバイクで遊んでいます。
順次おさがりで使えますから、経済的負担も少ないのですよ。
とにかく、常に子供たちの成長に合わせて自転車を用意するのが大切ですね。
友達に頼んで乗せてもらい練習。その後親戚から大人用の自転車のお古をいただきました。当然足は地に着きません。三角乗り(丁稚乗りとも言っていました)でなんとか乗れた頃、思い切ってサドルにまたがったら、あれよあれよと乗れてしまいました。当然足は着きませんが。
友達に貸してもらって練習した甲斐があったと、嬉しかったことを思い出しました。
きっと、練習中の表情は真剣そのものだったことでしょう。近寄り難い雰囲気を醸し出していたに違いありません。
いい季節です。
ポタリングなんてどうでしょうか?
トトロのカンタ君がやってましたね、三角乗り。
私はケンケン乗りもできないし、立ち漕ぎも平地が続いている広い道じゃないと怖くてできません。
まあ、この年で曲乗りができなくってもいいですけどね{負け惜しみ}
降りられないほど大きな自転車で練習されたんですね。
さすが運動神経抜群のCarlos少年ですね。
私の子供の頃には小さい子には3輪車、あとはざっくり子供用と大人用、そんなものだったと思います。
祖父は孫が20人もいて、1人ひとりには無関心でしたし、自転車の心配なんてしてくれませんでした。今はいいですね。
男の子っぽいエピソードでステキですね。
モノに恵まれていれば豊かとは限らないなあと思います。
今日もいい天気でどこかに行きたいんですが、なんと仕事なんです。
あーあー、職場まで自転車で行っちゃおっかなー。