チビネコ本。
私はずいぶんオクテで、ボンヤリした子供であった。
子供の頃の記憶といえば、窓の外を見てボーッとしていたことばかり。
ボンヤリしているからといって、何かを考えるでもない。表現するとすれば

こんな感じである。
言われたことは素直にやるが、生きる意欲に乏しく、本やマンガの世界に埋もれて、フワフワしている子供だった。
その日も雑誌をめくっていた私は、あるマンガに強く惹きつけられた。

(「綿の国星」 花とゆめコミックス)
主人公は仔猫。猫の絵ではなく、耳のついた小さな女の子の姿で描かれている。
今は珍しくもない猫耳の女の子のイラストは、当時は目新しかったが、そんなことより私を驚かせたのは、この仔猫が、じつによくヒトリゴトをいうことである。
コマの中に浮かぶ雲の吹き出しに書き込まれたセリフの、何倍も多い内心の声。
私はそれまで、言葉というのは、他人に向けて発するものだと思っていた。
しかし、幼稚園児ほどに見える仔猫は、心の中にたくさんの言葉を持っている。
誰にも言わない気持ちも、言葉に変えて胸にしまっている。
誰にも届かない言葉もあっていい、そう知った時を境に、私の世界は変わったのだ。
霞に包まれ、遠くで霧笛が鳴っていた心象の世界が、にわかに色とりどりに、饒舌に、周囲の事象を語り始めた。
この季節になると思い出すのは、このマンガの最後の言葉。
おばけのような桜が
おわったとおもうと
遅咲きの八重桜
すみれや
れんぎょう
花厨王
黄色い山ぶき
雪柳
なんとすごい
なんとすごい
季節でしょう
緑に萌える木々、名も知らぬ花にまといつくチョウを見て、私はつぶやく。
なんとすごい
なんとすごい
季節でしょう
聞く人は無いが、それでいい。幸せな、季節がはじまる。

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子供の頃の記憶といえば、窓の外を見てボーッとしていたことばかり。
ボンヤリしているからといって、何かを考えるでもない。表現するとすれば

こんな感じである。
言われたことは素直にやるが、生きる意欲に乏しく、本やマンガの世界に埋もれて、フワフワしている子供だった。
その日も雑誌をめくっていた私は、あるマンガに強く惹きつけられた。

(「綿の国星」 花とゆめコミックス)
主人公は仔猫。猫の絵ではなく、耳のついた小さな女の子の姿で描かれている。
今は珍しくもない猫耳の女の子のイラストは、当時は目新しかったが、そんなことより私を驚かせたのは、この仔猫が、じつによくヒトリゴトをいうことである。
コマの中に浮かぶ雲の吹き出しに書き込まれたセリフの、何倍も多い内心の声。
私はそれまで、言葉というのは、他人に向けて発するものだと思っていた。
しかし、幼稚園児ほどに見える仔猫は、心の中にたくさんの言葉を持っている。
誰にも言わない気持ちも、言葉に変えて胸にしまっている。
誰にも届かない言葉もあっていい、そう知った時を境に、私の世界は変わったのだ。
霞に包まれ、遠くで霧笛が鳴っていた心象の世界が、にわかに色とりどりに、饒舌に、周囲の事象を語り始めた。
この季節になると思い出すのは、このマンガの最後の言葉。
おばけのような桜が
おわったとおもうと
遅咲きの八重桜
すみれや
れんぎょう
花厨王
黄色い山ぶき
雪柳
なんとすごい
なんとすごい
季節でしょう
緑に萌える木々、名も知らぬ花にまといつくチョウを見て、私はつぶやく。
なんとすごい
なんとすごい
季節でしょう
聞く人は無いが、それでいい。幸せな、季節がはじまる。

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家にはぢょん・でんばあさんしかいなくなり、独り言しか言えなくなりましたね。
この本、私も大好きです♪
読み返したくなりましたw
スヌーピーのを思い出します(^_^)
私も好きでした、これ。名作は復刻とか、完全版とか、新装版とかが出るので、今でも読めるのがいいですよね。
(↑このように焦ったセリフが大島弓子さんの漫画にはよく出てきましたっけねぇ)
おっとりしたお母さん、素敵でしたね。
チビ猫ちゃんのように、わたしもつぶやき続けたい。
いやもうちょっと来ちゃってるから、つぶやく癖が抜けない。
なんとすごい季節、まさにその真っ只中。
でんばあさん、楽しくお過ごしになられますように。
そう言われますと、ものすごく寂しい人みたいですね。
ご心配いただいております。
仕事にも行ってますし、友達もいますし、子供とラインもやっております。案外騒がしい毎日です。
はじめまして。コメントありがとうございます。
ぜひ読んでください!私も、ホコリくさい初版コミックスをひっぱりだしております。
私も少女漫画は読まなくなりましたね。絵柄とストーリーの変化についていけなくて。
あの頃のマンガ誌は本当に豪華だったなあと思う今日この頃です。
スヌーピーもコミックス揃えてよく読んでました。
谷川俊太郎訳だったんですよね。
いっぱいあったのにみんなどこに行ったんだろう?
私の持ってるのは40年前の初版コミックスです。
紙は黄色くなってるし、ホコリくさいし、何とかしたいんですけど捨てられないんですよねえ。
お互い、つぶやく癖があるからこそ、ブログなんか書いているのかな。
山姥様はきっとお好きだと思ってました。予想が当たって、嬉しい。
そして猫耳カチューシャの女の子が大好きです。
猫耳カチューシャの子にクネクネ、ベタベタされた瞬間に自分を見失ないます。
でも、騙されないっ!
と、思う。
大分空港より。
大分ですか!いいなあ。
高校の修学旅行以来行ってないです。
お土産ください!