くぎにの話。
イカナゴの釘煮の季節。
近頃は全国的な知名度も上がっているようだが、もともとは関西でも一部地域の郷土料理である。
私は釘煮を作らない地域に育ったため、作り方はおろか、煮る前のイカナゴを見たこともない。
それでもこの時期になると食卓に上るのは、かならず誰かしらが下さるからだ。
イカナゴの釘煮のもっとも顕著な特徴は、調理法でも、材料でも、味でもない。その流通方法である。
とにかく、作った人がやたらと周囲に配る。
採れすぎた野菜をお裾分けする、というのはよくあるが、イカナゴをくれる人は自分で獲ってくるわけではない。
市場に足を運び、安からぬお値段で買うのである。
買ったものに、さらに調味料を加え、腕によりをかけて、出来上がったものを配る。
家計の負担も相当だろうに、不思議な習慣だと思う。
幼馴染のユキちゃんは、シュートシュートメと同居。嫁ぎ先は、主婦が競って釘煮を作る地域であった。
気楽に遊びに出るというわけにもいかず、たまにシュートメがいない時間を狙って電話してくると
あの、釘煮ババアが!
と、よく愚痴を聞かされた。
毎年毎年、10キロを超すイカナゴを仕入れては、専用のどでかい鍋に、それでなければ、という選りすぐりの調味料をどぼどぼ入れて、シュートメが作る釘煮。
家じゅうにたちこめる醤油の香りも、ユキちゃんにとっては忌々しいものだったに違いない。
時は流れて、私たちも、もはや電話口で慰め合った若嫁御ではない。
ユキちゃんから届いた釘煮を、炊き立てのご飯にのせながら、フフフと笑う。
立派な釘煮ババアになったね、ユキちゃん。

(釘煮にならずに海にいるとこういうサカナになるらしい)

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近頃は全国的な知名度も上がっているようだが、もともとは関西でも一部地域の郷土料理である。
私は釘煮を作らない地域に育ったため、作り方はおろか、煮る前のイカナゴを見たこともない。
それでもこの時期になると食卓に上るのは、かならず誰かしらが下さるからだ。
イカナゴの釘煮のもっとも顕著な特徴は、調理法でも、材料でも、味でもない。その流通方法である。
とにかく、作った人がやたらと周囲に配る。
採れすぎた野菜をお裾分けする、というのはよくあるが、イカナゴをくれる人は自分で獲ってくるわけではない。
市場に足を運び、安からぬお値段で買うのである。
買ったものに、さらに調味料を加え、腕によりをかけて、出来上がったものを配る。
家計の負担も相当だろうに、不思議な習慣だと思う。
幼馴染のユキちゃんは、シュートシュートメと同居。嫁ぎ先は、主婦が競って釘煮を作る地域であった。
気楽に遊びに出るというわけにもいかず、たまにシュートメがいない時間を狙って電話してくると
あの、釘煮ババアが!
と、よく愚痴を聞かされた。
毎年毎年、10キロを超すイカナゴを仕入れては、専用のどでかい鍋に、それでなければ、という選りすぐりの調味料をどぼどぼ入れて、シュートメが作る釘煮。
家じゅうにたちこめる醤油の香りも、ユキちゃんにとっては忌々しいものだったに違いない。
時は流れて、私たちも、もはや電話口で慰め合った若嫁御ではない。
ユキちゃんから届いた釘煮を、炊き立てのご飯にのせながら、フフフと笑う。
立派な釘煮ババアになったね、ユキちゃん。

(釘煮にならずに海にいるとこういうサカナになるらしい)

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大鍋にいっぱい
こちらに帰って 魚屋さんに聞いたら
凄い高い値段なんです
や~~めた
尾道では たくさん作って 配るんですよ
私のくぎ煮を食べてみてください
よそさんのも 飛んできます
こちらでは 一方通行 や~~めた
お店では、(調味した煮汁)を売っているとか?
鍋も貸してくれるお店も有るとか聞きましたよ。。
これはもう立派な(お祭り)ですよね。
最近獲れなくて「新子」って言うのかな、、、小さいのが無いそうですよ。
私の町のスーパーで売っているのは(佃煮)で、かなり大きいです。
口に入れると、モゴモゴとほっぺを突いて痛いのよね。
・・・というのも、ご近所サンの実家が関西の釘煮を作る地方だとかで、毎年この時期になるとお裾分けをいただいていました。
買う手間、作る手間の他に送料をかけてまでのお裾分け。
恐るべし釘煮ババア!です(^^;)
ご近所サンが引っ越してしまい、今では釘煮をいただく先がなくなってしまいました。
また食べたくなりました(>_<)
小女子佃煮は知っておりますが、あんなもんなんでしょうか?
暖かいご飯にのせて食べるとお美味しいですが・・・
イカナゴの釘煮を。
美味しいんでしょうね。
配りまくる釘煮。
釘煮コミューン?
配る方と配れる方がかぶることはないのでしょうか?
でも単位が「キロ」ってとこが。
尾道でも作るんですか。兵庫県のものかと思っていました。
瀬戸内の魚ですものね。
ホントですね。
友だちも新子が高いとこぼしていました。でも買うんですよね。
友だちのお姑さんも全国発送なさっていたそうです。
すごいエネルギーですよね。
だいたいご想像されたようなものだと思います。
私は違いのわからない女で、本場の人には叱られそうですが。
作る人同士の交換もあるらしいですよ。
おうちによって味が違うとか。
そのキロ3千円をヘーキで10キロ買うところがまたすごいですよね。
何匹居るんだろうとか考えちゃダメなんだろうなー。