つういん話。
今日は通院。季節柄、待合室にはマスクの人。
ここでしか読まない雑誌をペラペラめくりつつ待っていたら、ドアの向こうから
…いやー!うわーん!…
漏れ聞こえるのは子供の泣き声である。
たぶん予防接種、注射だな。
やがて診察室の扉が開くと、小さな女の子が、お母さんに連れられて出てきた。目元が赤らんで、ヒックヒックしゃくりあげている。
病弱だった私は、冬の初めには必ず体調を崩し、熱を出した。お休みできるのは嬉しかったが、
さ、ミヤワキさんに行くよ
母が言いだすと途端に憂鬱になった。
ミヤワキ先生は子供の頃のかかりつけ。(→ はしかの話。)昔のお医者様は、熱が出たくらいのことでも、じつに気楽に注射をなさった。
しんどいから行かない…
バカね しんどいから行くんでしょう!
抵抗もむなしく、ミヤワキ医院の門をくぐる。
聴診器の後、銀色の平らなスプーンで舌を押さえられ、やがて看護婦さんが、アルコール綿の容器や様々な器具をのせたワゴンを押して現れる。
もはやこれまで、俎板の鯉とならないのが子供というものである。
泣いて泣いて、泣いた。
帰り道、どうしても泣きやまない私に、母もよほど困ったのだろう。商店街の小間物屋で、珍しくブローチなど買ってくれたこともあった。
あまりつけた覚えのないクマさんのブローチは、今もオルゴールの中にある。


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ここでしか読まない雑誌をペラペラめくりつつ待っていたら、ドアの向こうから
…いやー!うわーん!…
漏れ聞こえるのは子供の泣き声である。
たぶん予防接種、注射だな。
やがて診察室の扉が開くと、小さな女の子が、お母さんに連れられて出てきた。目元が赤らんで、ヒックヒックしゃくりあげている。
病弱だった私は、冬の初めには必ず体調を崩し、熱を出した。お休みできるのは嬉しかったが、
さ、ミヤワキさんに行くよ
母が言いだすと途端に憂鬱になった。
ミヤワキ先生は子供の頃のかかりつけ。(→ はしかの話。)昔のお医者様は、熱が出たくらいのことでも、じつに気楽に注射をなさった。
しんどいから行かない…
バカね しんどいから行くんでしょう!
抵抗もむなしく、ミヤワキ医院の門をくぐる。
聴診器の後、銀色の平らなスプーンで舌を押さえられ、やがて看護婦さんが、アルコール綿の容器や様々な器具をのせたワゴンを押して現れる。
もはやこれまで、俎板の鯉とならないのが子供というものである。
泣いて泣いて、泣いた。
帰り道、どうしても泣きやまない私に、母もよほど困ったのだろう。商店街の小間物屋で、珍しくブローチなど買ってくれたこともあった。
あまりつけた覚えのないクマさんのブローチは、今もオルゴールの中にある。


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当時は栄養の考えもなく「ヤギの乳が良い」と父親が聞いて、遠いところから取り寄せて飲むことで命が繋がれました。
本当は70歳代まで生きれる体ではなかったのですが、天のイタズラで予定より生きる試練を頂戴しました。
子供には注射採決は悪魔の仕業と同じかも知れませんね。
私も毎月、診察前に採血をしいおりますが、すでに400回を超えているはずですが採血する方も、される方も慣れたものです。
お尻に打たれる注射の痛いことと言ったら・・・毎日泣いてる私に母が『泣かなかったらジュースを買ってあげる』と言ったんです
ジュースは飲みたいけど、痛さには勝てず毎日泣いてました
そして最後の注射の日・・・その日はお尻じゃなくて腕に注射されたんだけど、びっくりするくらい痛くなくてケロッとしてたら、めでたくジュースを買ってもらったということを思い出しました
子供が泣くのは親も辛いんでしょうね^^
こういうちょっとしたかわいいものを売るお店が、子どもの頃にあった気がします。
おみやげもの屋さんの片隅だったり、お化粧品を扱っているカウンターがあるお店の一部だったり、そういうかわいいもの「だけ」を売っている店はあんまりなかったのですが、なんとなーく、こういう「ファンシー雑貨」といったかな?そういう昭和っぽい雰囲気が……。
親がせっせとこしらえてバザーに出していた「マスコット」にもこういう雰囲気のものがあった気がします。かわいいなあ。
私は、注射もじっと耐えて涙を流さず、『えらいね』と褒めてもらえる子だったんで、何も病院帰りに買ってもらえなかったな。せいぜい、病院の受付でシールくれるくらいでした。
高熱をよく出してたので、母がその時は優しく、『何食べたい?』と聞いてくれるので、熱でうなされながら『豚まんとアイス』といって、食欲がなくてどっちも食べられなかったけど。
今も、オルゴールの中にあるブローチって素敵♪
私は、病院に行く度に、売店でお菓子を買ってもらうのが楽しみでした。
今は太々しくなりましたが・・・・・。
懐かしい思い出の品ですね。
私は子供のころは医者など連れて行ってもらったことがありません。
熱が出たときには寝てました。
予防接種は学校で打ってくれました。
現役復帰させましょう。
私も持病の関係でよく採血がありますが、慣れませんね~。
若いころはベッドに寝て取ってもらっていました。(ひっくり返ると危ないので)
あれは何だったんでしょうね、昔の注射。
うちの子供らはたぶん予防接種以外されたことないと思います。お尻の注射も未経験のはず。
> おみやげもの屋さんの片隅だったり、お化粧品を扱っているカウンターがあるお店の一部だったり、
あー、わかる!懐かしいなあ。
カワイイもの「だけ」のお店ってサンリオショップ登場以降ですよね。あれはあれでまた懐かしいんだけど。
そりゃー私だってカワイイ時期はありましたよ~。
泣かずに我慢すると気を失って倒れる子になっちゃったので、それはそれでめんどくさかったでしょうね、親も。
そうなんです。安全ピンじゃなくて、針先が出たまんまの、危険ピンなの。
子供向けにこんなピン、今じゃ考えられませんよね。
健康でお丈夫だったんですね。
私も予防接種は学校で集団接種でした。
コメントありがとうございます。
うちの娘は、予防接種に連れて行った時、お医者さんが珍しくてニッコニッコしていました。
先生は「この子、あんまり病院でいじめられたことないんだね」とおっしゃいました。
それが、針先が鈍ってまして、無理に刺すと服に大穴が開くんです。
かといって新しいピンに換えると雰囲気が合わず。