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ジョオウノ本。

ヘプバーンといえば、オードリー。聞けば9割の日本人がそう言うだろう。

アカデミー主演女優賞1回の彼女に対し、60年のキャリアの中で、オスカー像を4つまで獲得した女優・ヘプバーン。

それがキャサリン ヘプバーンである。

名優の定評はあるものの、人気の点ではパッとしない。かく言う私も、鼻の穴の目立つオバサン、という程度の認識だった。

なんだか色気が無いのである。もっと言えば夢がない、のである。

例えばかの名作「旅情」

休暇旅行のオールドミスが、洗練の極みみたいなイタリア男にボーッとしたものの、我に返って逃げ帰るというオハナシ(ひでえ要約)だ。

頭はよくても繊細さに欠け、背ばかり高くて肉体的魅力のないアメリカ女の存在感が同情を呼ぶのだけど、さてそういう女に憧れるか、といえば、それは別問題である。

流し目で斜に構えるだけで観客を惹きつけたモンローなどとは、対極にある女優なのだ。

ある時、本屋でこんな本を目にした。

『アフリカの女王』とわたし またはボギーとバコール、ジョン・ヒューストン。はじめてやってきたアフリカで、わたしの頭はどうにかなってしまいそうだった。

あふりかのじょおうとわたし
(原著もほとんど同じ題名で同じ装丁)

何じゃこの長い題名は。

「または」の後に内容説明をくっつけるこういう題名は、実は英米圏にはけっこうある。

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」なんてのもそれだ。

単純に題名に惹かれてこの本を手にしたが、読んでみるとめっぽう楽しい。

ハンフリー ボガート、ローレン バコール、ジョン ヒューストンらの個性はもちろん、何よりも書き手のキャサリン ヘプバーンである。

この人、ものすごーく面白い人なのだ。

観察眼に優れ、率直な感想を述べるにはばからず、いい格好をしない。

知的で自立した女性の象徴、アメリカのもっとも偉大な女優と呼ばれたキャサリン ヘプバーン。

知的であるということは、ユーモラスであることを恐れない、ということである。

そういう人にとっては、カメラの前でスタア然とふるまうことのほうが、ずっと恥ずかしいのかもしれない。

「冬のライオン」での彼女について、ライフ誌は「演技の女王が現実の女王を演じる」と評したが、本質はむしろ「アフリカの女王」にあるのではないか。

美しい女でいて、なおかつ面白いとはどういうことか。そんなことを考えるのである。

きゃさりんへぷばーん
(Katharine Houghton Hepburn  1907.5.12 - 2003.6.29)



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ブックガイド | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/06/29 11:30
コメント
No title
映画にお詳しいんですね。
キャサリンヘップバーンの名前は知っておりますが、どんな女優だったかは思いだせません。
昔はいい映画がたくさんありましたね。
驚きました
アフリカの女王。
この映画でキャサリンの大ファンになりました。

数日前に本の整理をしていたら、この長ったらしいタイトルの本が出てきたんですよ。
嫁さんに見せると「読む!」。
うん、読んで。

アフリカの女王のキャサリン。
本当に魅力的でした。
I fell in love with her at first sight.
Re: No title
Carlos様

新しい映画はあまり見なくなりましたが、若い頃は2本立て3本立ての古い映画をよく見ました。

家庭用ビデオの普及で2番館というのが無くなり寂しいですね。
Re: 驚きました
rockin'様

強く美しい女性を愛するrockin'様!

さすがです!


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