りょうよう話。
数年ぶりの風邪のため、3日に渡り蟄居閉門を余儀なくされたが、どうやら治ったようである。
家でダラダラして暇さえあれば寝ているだけで、たいした治療をしたわけではない。
唯一おこなった積極的な行為といえば、
おばーちゃんを遠ざける
これのみである。
私と母はバスで10分ばかりの近居。ふだん行き来するし、けっして不仲ではない。
LINEで不調を聞きつけた母は、さっそく
食べるものある?様子見に行こうか?
と言ってきたが、あまり来てほしくない。
食べられそうなもの(しかし私は食べたくないもの)を持ってハリキってやってきた母に、周囲をウロウロされる、と考えただけで熱が上がる。
母の心配、善意は分かる。わかるのだが、ほっといてほしいのだ。
大丈夫だから! 後期高齢者にウツしたら 冗談じゃ済まないから!
痛いノドを振り絞ってお見舞いを断った。
子供のころ、今よりはるかに病弱であった私は、ちょっとしたことですぐ熱を出し、寝込んだ。
氷枕を当てる最適な位置を探し、寝返りを打っては具合良い姿勢を探す。
にがい薬、白湯の味、新しいシーツのにおい。
穴の中の仔狐のように、じっと回復を待つ時間は、決して嫌なものではなかった。
痛くても、苦しくても、病気の私は、不思議に満足していたのである。
母は枕元に座っては
どう?まだ頭痛い?
食べたいものある?
と問いながら、脇の下に体温計をはさませ
イタイ…
イラナイ…
答えを聞き、体温計の目盛を見ると、タメイキをつく。
母の意に染まぬ答えをした、罪悪感のようなものがチクリと胸を噛んだ。
心配してくれるのは分かる。
でも、ほっといてほしいとも思う。
静かに身体の不調を聞く時間は、誰にも共有されない、自分だけのもの。
今ひとり、小さなねぐらで丸まっていても、私は決して不幸ではない。

(点滴なんて出産以来で、効きめに驚く)

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家でダラダラして暇さえあれば寝ているだけで、たいした治療をしたわけではない。
唯一おこなった積極的な行為といえば、
おばーちゃんを遠ざける
これのみである。
私と母はバスで10分ばかりの近居。ふだん行き来するし、けっして不仲ではない。
LINEで不調を聞きつけた母は、さっそく
食べるものある?様子見に行こうか?
と言ってきたが、あまり来てほしくない。
食べられそうなもの(しかし私は食べたくないもの)を持ってハリキってやってきた母に、周囲をウロウロされる、と考えただけで熱が上がる。
母の心配、善意は分かる。わかるのだが、ほっといてほしいのだ。
大丈夫だから! 後期高齢者にウツしたら 冗談じゃ済まないから!
痛いノドを振り絞ってお見舞いを断った。
子供のころ、今よりはるかに病弱であった私は、ちょっとしたことですぐ熱を出し、寝込んだ。
氷枕を当てる最適な位置を探し、寝返りを打っては具合良い姿勢を探す。
にがい薬、白湯の味、新しいシーツのにおい。
穴の中の仔狐のように、じっと回復を待つ時間は、決して嫌なものではなかった。
痛くても、苦しくても、病気の私は、不思議に満足していたのである。
母は枕元に座っては
どう?まだ頭痛い?
食べたいものある?
と問いながら、脇の下に体温計をはさませ
イタイ…
イラナイ…
答えを聞き、体温計の目盛を見ると、タメイキをつく。
母の意に染まぬ答えをした、罪悪感のようなものがチクリと胸を噛んだ。
心配してくれるのは分かる。
でも、ほっといてほしいとも思う。
静かに身体の不調を聞く時間は、誰にも共有されない、自分だけのもの。
今ひとり、小さなねぐらで丸まっていても、私は決して不幸ではない。

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治りかけでも、もうちょっと、大事になさってくださいね。治りかけが肝心ですからねー。
そしてぢょんさんは「こぎつね」だったんですね。私はそういうとき「うさぎ」になってました。なんとなく親近感が。
疲れがたまっていたんでしょう、この際しっかり休養をとってください。
お大事に!
良い意味で親子関係は複雑ですね、
いつも主治医が言いますが、体調が悪くなるときは良く寝ていないからだそうです、動物全般に言えることは寝ている間に体はメンテナンスをしているそうです、だから私も熱があるときや不調のときは冬眠中の熊のごとくひたすら寝ます、
お腹が空いて食欲が出ると治っていますね。お大事に
[今ひとり、小さなねぐらで丸まっていても、私は決して不幸ではない。]、陰で見守って呉れるお母さんや、子供さん達が居るからでしょうね。
それにしてもお母様、娘さんが可愛いんですね。
きっと、ぢょん でんばあさんも、何時かはお母様の様に娘さんの事が気に成りますよ!!(^^)!
臥せっている時は、心配しているのは解るけど、うろうろされたくないし、話かけられたくないですね。
呼んだ時だけ、来てくれたらいいです。
でも、家族が臥せってる時は、気になって、ついつい部屋をのぞいて、世話をやこうとしてしまいますが・・・
まだまだ暑いので、無理なさらずに。
お母様にも、治ったアピールの電話してあげてくださいね。
あ、そしたら下がる熱も下がらないか。
ぢょん でんばあ様もカッコいい人に看病して貰ったら嬉しいって思いますよね。
ね。
私もこのところ毎晩全身の蕁麻疹に悩まされているのですが、まったくこういう気持ちになれず、「もういや!」と癇癪を起こしたりしているのでお恥ずかしいばかりです。
点滴がよく効いて良かったですね。
あー、まこさん、ウサギさんだったんだ。なんとなくわかる気がするなー。
私のキツネは、多分童謡ですね。こぎつねこんこん、やまのなか。
ご心配おかけして申し訳ありません。
まだ本調子ではないですが、ぼちぼち通常モードに戻っています。
記事が途切れずに書けたのはよかったと思います。
コメントありがとうございます。
本当につらい時って例え風邪でも眠れないものですね。
昨晩は久しぶりに一度も目覚めずグーグー寝ました。
コメントありがとうございます。
そうですね、こういうことは次へ次へと世代を送っていくものかもしれません。
いろいろアドバイスありがとうございます。
ご自分もお具合悪かった経験のあるwancoさんの言葉には実感がありますね。
優しいコメント嬉しかったです。
> ぢょん でんばあ様もカッコいい人に看病して貰ったら嬉しいって思いますよね。
> ね。
いいえ。思いません。
どんな男前でも、銀幕のスターでも、邪魔なものは邪魔です。
男性は美人が枕元にいると嬉しいんですね。女は病気の時にそんなめんどくさいことがあったら治るものも治りません。
そのへんは男女の違いですね。
ありがとうございます。文章を褒めていただくのは、とても嬉しいです。
じんましんはツラいですよね。かゆいのは、時として痛いよりつらいと思います。良い治療法がありますように。