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なまえの話。

ゴミ出しで、隣の棟のオカモトさんと会った。

いつものように会釈して、右と左に別れかけたが、つい

あっ!そうだ… あの…

と声が出た。

オカモトさんは足を止め、何か?という表情でこちらに向き直る。

オカモトさんの息子さんと、うちのムスコは同い年で、小学校の時はよく遊んだ。

笑うと目が細くなる、やさしい子だったが、デキのいいオカモト君は、中学受験をして私学に進んだので、いつしか疎遠となってしまった。

昨日夕飯を食べながら、ムスコがふいに

オカ どうしてるのかなあ…

と言ったのだ。

それを伝えたかったのだが、さあ、オカモト君の下の名前が分からない

お母さんだってオカモトさんなのだから、オカモト君、ではおかしいし、あだ名の「オカ」では、もっとおかしい。

あの…と言いかけたまま、続きが出ずに固まってしまった。

オカモトさんはしばらく待っていたが、何かを察したのだろう

ムスコ君はお元気?うちのケンゴは明日、東京に帰るって…

と、先に話しかけてくれた。

オカモト君にソックリな、やさしい笑顔。

ホッとして、男の子がいると部屋が狭いわよね、だの、ゴハンの準備が大変ね、だのと、帰省あるあるを話して、別れた。

ムスコも今日、大学のある街に帰る。

かえっているかえる



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/08/17 11:30
コメント
No title
息子さん、オカモト君にはあわなかったんですね。
ニアミスだったのに・・・
残念でした。
息子さんが帰ってしまうとまた寂しくなりますね。
おかしくは
ありません。
オカモトくんでいいんです。
なんの問題もありません。

お母様方は帰省した子供たちの世話で忙しいかったことでしょう。
でもそれを上回る楽しさもあったと思います。
Re: No title
Carlos様

帰省といっても、友だちに会ったり、どこかに出かけたり、若い子はロクに家にはいませんね。

次に帰る時には幼馴染も訪ねてみたら、と言っておきました。

Re: おかしくは
rockin'様

先方はちゃんと息子の名前を覚えていてくださったので、なおさら申し訳ない気持ちになりました。


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