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ぱんじー話。

ニュータウンに住んでいいことは、花壇が整備されていることである。

春は、赤と黄色のチューリップ。

チューリップが植わっているだけで、建物が幼稚園っぽくかわいらしく見えるから、面白い。

背の高いチューリップの足元を埋めるように咲いているのはパンジーだ。

ぱんじー

黄色、オレンジ、紫、白…色とりどりの花が、みんなこちらを向いている。

ムスメは小さい頃、コワガリであった。

大きな音や、怖い顔が大の苦手。

テレビでワルモノが出てくるとフスマの陰に隠れるし、大人は見慣れたダルマや、節分の鬼の面も

くわい、くわい!(怖いの意)

と言って、泣いた。

ナマハゲの来ない地方に生まれたことは、彼女にとって何より幸いであったろう。

あるうららかな春の日、お買い物に出たわれわれ親子。

眠くなりそうな日差しの中、小さいムスメの手を引いて歩く、平和そのものの平日の街。

ところが、あるところでムスメの足がピタリと止まったと思うと、

くわい…

小さくつぶやいたまま、動かなくなってしまった。

見回しても、鬼も怪人も、ナマハゲもいない。

くわい?なにがくわい?

尋ねても要領を得ない。

丸っこい手が指さす方には、咲きそろったパンジーの花壇があるだけである。

え、お花?お花がこわいの?

驚いて聞き返すとムスメはこっくりとうなずいて

みんな みてる…

と言った。

たしかに、パンジーの花は、どこから見ても不思議にこっちを向いているし、隈取りをした人の顔に見えなくもない。

そうか、パンジーがこわいか。

お花といえば自動的にかわいいものと思っていた私は、ちょっと不意を突かれた。

そんなコワガリのムスメも25歳。連休は1人で、海外に行くらしい。



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ごかぞく | コメント(12) | トラックバック(0) | 2019/04/24 11:30
コメント
No title
小さな娘さんの気持ち、なんとなく分かります。
いろんな植物を育てていますが、パンジーの花は育てようと思ったことがないんです。
あの花が目のように見えてしまうんですよ。
ビオラは小さいので大丈夫なんです。
不思議ですよね。
No title
パンジーを見るたびに娘さんを思い出すんですね。
言われてみると確かに怖い顔に見えますね。
No title
こんばんは。
私はひまわりで泣いてましたよ。
電気を消してねるのが怖くて小さい豆球を点けて寝てたんですが薄っすら見える天井の木目をじっと見てると動いてるように見えて泣いたりしてた記憶が。
No title
お花が怖いという感覚、なんとなくわかります。
ぢょん様、キンギョソウの口をお開きになったことはお有りですか?ぜひバカッと開けてみてください。
赤がオススメです。
怖いです。
No title
小さな花が顔に見えるムスメさんは感性が豊かなんでしょうね。いまだにパンジーは怖いままなんでしょうか?

高校生の頃、通学途中にあるお宅の庭に、そびえてたひまわりが人の顔に見えて怖いという友達がいたのを思い出しました。

そんなコワガリのお嬢さんも一人で海外へ行かれるんですね~素敵♪
これですよ
これ。
お嬢様のこの見方と感じ方。
素晴らしい。
この感性は大事にすべき宝物です。

女性一人の海外旅行。
となれば間違いなく行き先はロシアですね。
因みにモスクワは女性名詞でサンクトペテルブルグは男性名詞です。
もし、お嬢様がご存知ないようでしたらお伝え下さい。
Re: No title
miyazyy様

丹精のお庭の写真、いつも楽しみに拝見してます。

パンジーやっぱりお顔に見えますか。同じですね。
Re: No title
Carlos様

色とりどりでかわいい花だと思うんですけどね。

花壇がキレイな季節は楽しいですね。
Re: No title
タロー様

そうそう木目は怖かったです。

うちの実家も古い木造家屋だったもので、目をそらすと動くんですよねあれ。
Re: No title
シィさま

近所にキンギョソウが植わっているところが無いのでまだ果たせておりませんが。

いつか必ず見ます!
Re: No title
wanco様

ヒマワリは背が高いので顔くらいのところにあるのがギョッとしますね。

娘はまだ行先を知らしてきません。どこ行くんやホンマ。
Re: これですよ
rockin'様

娘がどこに行くのかまだ分かりません。

いつぞやのごとく「アムステルダムなう」などと言ってくるのではないかと思います。

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