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きがかり話。

2か月以上続いたマンションの大規模修繕工事(→ あしばの話。)も完了に近づいてきた。

今月末には足場も解体され、スッキリ塗り替えた外壁が現れる。

じつはそれは始まりの終わりでしかない。

うちの団地は数棟の集合で、私の住まいはたまたま、真っ先に工事がはじまった棟。

敷地の反対側の棟は、工事どころか足場も組まれていない状態なのだ。

私がジットリ部屋干しに囲まれている時、さんさんと陽光を浴びていた人が、代わりに薄暗い生活に突入すると思うと、いい気味でなくもない。

しかしここに気がかりが1つ。

つばめのす

これから工事が進む棟に、ツバメの巣があるのだ。

そこは居心地がいいらしく、毎年いくつかの巣がかかる。

前年に用済みとなった巣をリフォームして住み着く、ちゃっかり屋もいて、住民は皆ほほえましく見守ってきた。

ところが今年は、ツバメのリフォームと、人間のリフォームの時期が重なったのだ。

工程が順調なのはいいが、ツバメのことを考えると気が気でない。

音や振動、塗料の成分は生育に影響しそうだし、外壁を塗るためには、せっかくの巣を撤去しなければならない。

ヒナがいる状態で、工事がそこまで進んだら、いったいどうなるのか。このところずっとヤキモキしている。

昨日の帰り、すぐ家に入らず、巣を見に行った。

すると、すぐ下に作業着の男性が数人、クリップボードを手に、ボールペンの後ろで巣のほうを指している。

不吉な予感がして近寄ると

いやー 良かった

間に合いましたねー

みんなニコニコしているではないか。

つられて見上げると、いつの間にか、巣は空っぽになっていた。

ツバメのヒナは、無事巣立ったのだ。

工期を大事にする業者だって、ピヨピヨ鳴くヒナを宿なしにするような非情な振舞いは、けっして本意でないに違いない。

なんかいいな、よかったな

そう思いながら、うちに帰った。



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/06/16 11:30
コメント
じょんでんばあさんへ
ツバメの巣が気に成ったじょんでんばあさん、
ツバメの巣立ちが間に合って良かった工事屋さん、
どちらも心優しい人たち、
気持ちが安らぐ思いです。!(^^)!
良かった
本当に良かった。
昔、私の家の近くの造成地で鷹の巣が見つかりました。
そして子供の鷹が巣立つまで工事は中止になりました。
市の判断です。
すごい判断だ。

私の家の捨てまくり運動は一時休止。
ただ一年使用したら捨てようと決めていた物を随時処分しております。
No title
なんかほほえましい話ですね。
無事雛が巣立った後で良かったですね。
Re: じょんでんばあさんへ
和ちゃん様

きっとビジネスライクに小っちゃい鳥の巣なんか落としちゃうんだろうなーと勝手に思い込んでいました。

世の中けっこういいじゃんか、と思いました。
Re: 良かった
rockin'様

市、エライ!

そして物を使い切る心がけもえらい!
Re: No title
Carlos様

工事も人間のすることなんだなと思いました。

私も嬉しかったです。

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