ばにらの話。
立ち仕事で疲れて早寝をしたら、4時に目が覚めてしまった。
このまま起きたら1日長くて仕方がない。目を閉じて、寝返りをうって、とろとろと浅い眠りの底に沈んでいく。
以前の会社は、スーツ着用の堅い社風だった。
出先でガンガンの冷房に当たっても、帰りにはまた、額に汗がにじむ。
社に戻る前に、少し休憩して行こうと、喫茶店に入った。
冷たい飲み物は汗になるから、ホットコーヒーを注文する。隣のテーブルも、私と同年輩の勤め人らしい女性だった。
バッグからハンカチを出して首筋を押さえていると、コーヒーが来た。
シンプルなカップとソーサー、お揃いの小皿にちっちゃな粒が5つ。
お洒落な店で出てくる、四角くない角砂糖かな。

でも持ち上げた手応えは、予想したより軽くて、あっと思った時はもう砂糖じゃないものはコーヒーの水面に浮かんでいた。
卓上を見れば、シュガーポットがちゃんとある。
小皿は、サービスでついてきた小さなお菓子だった。つまんで口に入れたら、たわいなく溶ける。
鼻腔にひろがるバニラの香りを感じながら、ふと目を開けたら、長針が90度動いた目覚ましが目に入った。
たった15分間の、ほんとみたいな二度寝の夢。
もしかしたら、記憶に沈んでいたこんな体験が、昔むかしに本当にあったのだろうか。
もうスーツを着ることのない私に、確かめるすべはないけれど、夢のバニラの香りが、まだそこらに漂っている気がした。

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このまま起きたら1日長くて仕方がない。目を閉じて、寝返りをうって、とろとろと浅い眠りの底に沈んでいく。
以前の会社は、スーツ着用の堅い社風だった。
出先でガンガンの冷房に当たっても、帰りにはまた、額に汗がにじむ。
社に戻る前に、少し休憩して行こうと、喫茶店に入った。
冷たい飲み物は汗になるから、ホットコーヒーを注文する。隣のテーブルも、私と同年輩の勤め人らしい女性だった。
バッグからハンカチを出して首筋を押さえていると、コーヒーが来た。
シンプルなカップとソーサー、お揃いの小皿にちっちゃな粒が5つ。
お洒落な店で出てくる、四角くない角砂糖かな。

でも持ち上げた手応えは、予想したより軽くて、あっと思った時はもう砂糖じゃないものはコーヒーの水面に浮かんでいた。
卓上を見れば、シュガーポットがちゃんとある。
小皿は、サービスでついてきた小さなお菓子だった。つまんで口に入れたら、たわいなく溶ける。
鼻腔にひろがるバニラの香りを感じながら、ふと目を開けたら、長針が90度動いた目覚ましが目に入った。
たった15分間の、ほんとみたいな二度寝の夢。
もしかしたら、記憶に沈んでいたこんな体験が、昔むかしに本当にあったのだろうか。
もうスーツを着ることのない私に、確かめるすべはないけれど、夢のバニラの香りが、まだそこらに漂っている気がした。

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バニラ味のお菓子ですか~
仕事でもそれぐらいの余禄あってもいいですよね。
じょん でんばあ様のバニラの夢、貴重です。
大事にして下さいね。
ほんわかと騙されました。
楽しいお話をありがとう^^
会社員時代は窮屈だったと思ってましたが、あんがいサボってますね(笑)。
怪獣バニラ?
それは、面白い!
コメントありがとうございます。
私も目が覚めた時はびっくりしました。
あまりにも普通過ぎて、リアルすぎて…。
荒唐無稽でもなし、願望が反映しているようでもなし、あまりの普通さにかえって新鮮というところでしょうか。怖いのではなくておいしい夢でよかった。
夢のお菓子はマカロンみたいなものでした。
いい香りだったなー。