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くのーる話。

住宅街の中を、駅へ抜ける道。

暖かな風が、お昼どきのにおいを運んでくる。

ふっと鼻先をかすめたのは、インスタントラーメンのような、コンソメのような…

あれ?これはお誕生日会のにおい…

私が子供のころは、お友だちを招くお誕生日会が盛んだった。

お招きを受けたら、プレゼントをととのえ、いつもより少しだけあらたまってうかがう。

お呼びするほうは、バースデーケーキのほか、お菓子やスナックを準備して待つ。帰りにお土産を持たせてくれるおうちもある。

むろん子供にはできないから、何から何まで全部母親の仕事である。

今じゃとても無理な話で、専業主婦が当たり前だったあの時代だからこそ、出来たことだと思う。

型で抜いたり、巻いてリボンで結んだり、婦人雑誌のグラビアみたいなサンドイッチが、銀のお盆に並んでいるのを見ると、本当にワクワクした。

そしてスープカップにはクノールスープ

粉を溶いて、温めるだけでできる、インスタントのスープである。

思えばチープな味だったが、うちで食べる汁ものといえば味噌汁、という時代に、洋風のスープはちょっぴり特別だった。

こんどは○○にしようか、と母が別のメニューを提案しても、クノールスープがいい、とせがんだのを覚えている。

お誕生日会はクノールスープのにおい。

青い空に、今年初めてのツバメが飛ぶころには、お誕生日会のワクワクを思い出す。

くのーるすーぷ
(謎の肉が入っていたチキンクリーム)



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/04/19 11:30
コメント
No title
クノールスープおいしいですよね。
私もまだ務めている頃の」朝食はパンとクノールスープでした。
最近は食べてませんが、懐かしい味です。
ぢょんでんばあさんはお子さんのお誕生会を思い出すんですか~
子供たちも大きくなって今度はそのお子さんに・・・
私は何を食べたか覚えていないんですけど、母手作りのグリーンのチェックのワンピースを着たのを覚えています。フレアスカートがゆらゆらしてちょっとしたお姫さま気分だったなぁ。

畳敷の和室に座卓だったんですけどね(笑)

思えば母親とっても大変。でもがんばってくれたんだなぁとしみじみ思います。


No title
昔はクノールの袋のスープは洋食のかほりでした~
ハンバーグにポタージュスープがつくと贅沢な気持ちになったもんです。
サンドイッチとかクッキー(市販品)も用意してオレンジジュース。

お誕生会は、フルーツポンチのイメージですね~三ツ矢サイダーに缶詰のフルーツ入れるだけですけど(笑)

帰りに綺麗な金平糖をお土産に、ちょっと友達もみんなあらたまった態度でしたね、ちょっとりぼんなんかむすんじゃって。
Re: No title
Carlos様

母には誕生日会をしてもらいましたが、私は子供の誕生日会をしたことはありません。

共働きのご家庭も増えて、廃れたんでしょうね。
Re: タイトルなし
うさきち様

私も母に作ってもらった服のことはよく覚えています。

あの時代のお母さんは大変だった、私はサボってるなあと思ったりします。
Re: No title
レツゴ―一匹様

あー、そうそう!フルーツポンチが出るおうちもありました!なつかしいなあ。

そこのおうちにはそれ用のでっかいガラス鉢があって、かっこいいなあ、お金持やなあと思ったの覚えています。
No title
あ、家はお金持ちじゃなくて、確かフルーツポンチ用のでなくて、素麺のやつのガラスだったような、素麺を入れる大きなガラス。ツユ入れる小さいのにフルーツポンチを入れてたような。

フルーツポンチ流行ってたのかなぁ。
お金持ちの家では、喫茶店でパフェを人数分注文してくれてたんで、『ここんちの子になりたい』って思ってました。
Re: No title
レツゴ―一匹様

喫茶店のパフェ?!すごい!お金もやけど、都会!

やっぱりレツゴーさんとこは街やなあと思いました。


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