いけばな話。
窓辺の枝を切るのに、花鋏を使った。(→ ありあり話。)
忘れるほど久しぶりだが、パチンパチンとじつによく切れる。やはり専門の道具は大したものだ。
お花鋏は、生け花に使う。
なんで持っているかといえば習ったからであり、なんで道具箱の奥深く眠っていたかといえば、続かなかったからである。
むかしむかしのOL時代。仕事だけで手いっぱいの新人を脱却したころ、余裕ができたせいで、逆に心細くなってきた。
私はこの先 どうなっていくんだろう?
仕事の手を止めれば、漠然とした不安がひたひたと迫ってくる。
無鉄砲な性格ならば、会社を辞めて自分探しの旅に出るところだが、私は今も昔も、いたって慎重派である。
まずはなにか、新しいことをしてみよう、と、始めたのが生け花であった。
会社の会議室に先生がいらして、花材をいただき、お借りした花器にいける、気軽なお稽古だ。
私はだいたいが小器用で、なんでも無難にできるほうである。
花を切って差すだけのこと、フツーにやれると思ったが、これがなかなか、そうでなかった。
先生のお手本は、花の茎をグッと切り詰め、水面ギリギリに咲くように活けて、後ろに立てた長い葉との対比が美しい。
しかし私は、せっかく伸びた花を短く切るのが、どうしてもイヤだった。
切り口から少々切り取っただけの私の花は、中空にとぼけたように浮かび、バカみたいにユラユラ揺れている。
見回ってきた先生は、呆れてアラアラ、とおっしゃったと思えば、止める間もあらばこそ
パチンパチン!
爽快な音を立て、10分の1ほどに切った花を、引っこ抜いた場所に差し直して
ほら、良くなったでしょう!
そのあと何度、お稽古に出ただろうか。
一緒にはじめた同僚は、お免状を頂くまでになり、私の手元には、1丁の花鋏だけが残った。


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忘れるほど久しぶりだが、パチンパチンとじつによく切れる。やはり専門の道具は大したものだ。
お花鋏は、生け花に使う。
なんで持っているかといえば習ったからであり、なんで道具箱の奥深く眠っていたかといえば、続かなかったからである。
むかしむかしのOL時代。仕事だけで手いっぱいの新人を脱却したころ、余裕ができたせいで、逆に心細くなってきた。
私はこの先 どうなっていくんだろう?
仕事の手を止めれば、漠然とした不安がひたひたと迫ってくる。
無鉄砲な性格ならば、会社を辞めて自分探しの旅に出るところだが、私は今も昔も、いたって慎重派である。
まずはなにか、新しいことをしてみよう、と、始めたのが生け花であった。
会社の会議室に先生がいらして、花材をいただき、お借りした花器にいける、気軽なお稽古だ。
私はだいたいが小器用で、なんでも無難にできるほうである。
花を切って差すだけのこと、フツーにやれると思ったが、これがなかなか、そうでなかった。
先生のお手本は、花の茎をグッと切り詰め、水面ギリギリに咲くように活けて、後ろに立てた長い葉との対比が美しい。
しかし私は、せっかく伸びた花を短く切るのが、どうしてもイヤだった。
切り口から少々切り取っただけの私の花は、中空にとぼけたように浮かび、バカみたいにユラユラ揺れている。
見回ってきた先生は、呆れてアラアラ、とおっしゃったと思えば、止める間もあらばこそ
パチンパチン!
爽快な音を立て、10分の1ほどに切った花を、引っこ抜いた場所に差し直して
ほら、良くなったでしょう!
そのあと何度、お稽古に出ただろうか。
一緒にはじめた同僚は、お免状を頂くまでになり、私の手元には、1丁の花鋏だけが残った。


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お茶杓一本とおふくさが一枚残りました。
練習用のお茶碗と茶筅はどっかいったみたい(笑)
膝の進め方は覚えていますが、抹茶を美味しくたてるまでに撤収(笑)
華道もありましたが、花を活ける=あたら短い花の命をさらに短くするようで、自分にはあっていないと思いました。
未だに、鉢物はいいのですが花瓶に活けるのは苦手です。
指導書や解説書の類から、こんなコトも出来る特殊工具まで、、今では使い道の違う役立ち方をしているモノ、
先日の父の日の贈り物だって、着るや使う以外の楽しみ方で箱のまま、、
でも、確かに気持ちは伝わっていたハズです。
それも、父の日の贈り物の楽しみとして正しかったのかも知れません。
成長した娘が現役バリバリで頑張って贈ってくれたことが一番の喜び、、ナンテコトもある様です。毎日のスラリとした文章、楽しみに拝見させていただいております。(拍手)
私も華道は合わないな。
ちっちゃい雑草みたいな花が好きなんですよ。
切ってうちで飾るより、道端で咲いてる姿がええんやなぁ。
いろいろな生け方があるんですね。
自分が楽しめればいいので自分が気に入った生け方でいいんじゃないですか。
が良く判りませんが・・・
実に潔い。
是非、再開を!
茶道も、書道もありましたねー。
堅い会社は「道」に弱いようで…。
コメントありがとうございます。
文章をお褒めいただくととても嬉しいです。これからもせいぜい精進いたしますのでどうかお付き合いくださいませ。
茶道は妹がやってましたね。
我々の年頃はみんな、ちょっと触って、ほとんどの人があきらめる…という感じだったと思います。
お花をもらってきても水差しに突っ込むくらいで、剣山を使うようなお花には縁がなくなりました。
家にお花があるのはいいものですね。
「道」のつくものは面倒ですよ。
まあ、も少し年を取ってヒマになったらわかりませんが。