ふんしつ話。
寒い季節は、お布団に入るのが嬉しい。
ふくふく、ぬくぬくと温まっていくのが楽しい。
あと少し起きていたいと思いつつウトウトする、その心地よさ。
本を持って寝床に入っても、いくらも読まないうちにやっぱり眠ってしまう。朝起きたら片手に本を持ち、指を頁にはさんだままのこともある。
ゴトン…
真夜中、外の物音で目を覚ました。耳を澄ましても、それきりシンとしている。気のせいか。
読みかけの本を眺めて眠りに戻ろうと、枕元を探ると
あら、無い?
モゾモゾと寝返りを打ち、反対側に手を伸ばしたが、指先に当たるものは無かった。
ま、いっか、と思ったけれど、どうも気になる。しかたなく、寝床に半身を起こしても
あら~ 無い?
こうなると気になって寝ていられない。
立ち上がり、掛布団と毛布をバサッと振るう。せっかくの暖気が、逃げていく。
しかし寝る前までたしかにあった本は、影も形も見えない。
冷えてしまった布団にくるまり、もしや不埒者が忍び込み、持ち去ったのか、さっきの物音は、そ奴の逃げる音か、不穏な想像に身を委ねる。
それきり眠れなかった、と言えれば格好がつくが、のび太体質の悲しさ、またしても、あっという間に寝てしまった。
短い夢を、いくつも見た気がする。
ドロボウの入る夢、自分がドロボウだった夢…。
布団を上げたら、本はなぜか枕の下にあった。

(「平安朝の生活と文学」池田亀鑑著 ちくま学芸文庫)

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ふくふく、ぬくぬくと温まっていくのが楽しい。
あと少し起きていたいと思いつつウトウトする、その心地よさ。
本を持って寝床に入っても、いくらも読まないうちにやっぱり眠ってしまう。朝起きたら片手に本を持ち、指を頁にはさんだままのこともある。
ゴトン…
真夜中、外の物音で目を覚ました。耳を澄ましても、それきりシンとしている。気のせいか。
読みかけの本を眺めて眠りに戻ろうと、枕元を探ると
あら、無い?
モゾモゾと寝返りを打ち、反対側に手を伸ばしたが、指先に当たるものは無かった。
ま、いっか、と思ったけれど、どうも気になる。しかたなく、寝床に半身を起こしても
あら~ 無い?
こうなると気になって寝ていられない。
立ち上がり、掛布団と毛布をバサッと振るう。せっかくの暖気が、逃げていく。
しかし寝る前までたしかにあった本は、影も形も見えない。
冷えてしまった布団にくるまり、もしや不埒者が忍び込み、持ち去ったのか、さっきの物音は、そ奴の逃げる音か、不穏な想像に身を委ねる。
それきり眠れなかった、と言えれば格好がつくが、のび太体質の悲しさ、またしても、あっという間に寝てしまった。
短い夢を、いくつも見た気がする。
ドロボウの入る夢、自分がドロボウだった夢…。
布団を上げたら、本はなぜか枕の下にあった。

(「平安朝の生活と文学」池田亀鑑著 ちくま学芸文庫)

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私はあっという間に眠ってしまいます。
本与読みながら・・というのは灯りはつけっぱましですか?
私は明るいと眠らないので真っ暗にしてます。
無意識のうちに、たたんで枕の下に自分で入れたんだと思います。
きっと本も、無意識のうちに、枕の下に避難させたんだと思います。
朝、布団から出るのが辛い季節になってきましたね。もぞもぞしてから起きるようにしてます。
枕元にスタンドの明かりをつけています。
私はこうこうと明るくても眠れるんですよ。
マスク アンダー ザ 枕!
私もモゾモゾしてから起きよう、と思ったら、背伸びしたとたんに足がつりました。