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ふんしつ話。

寒い季節は、お布団に入るのが嬉しい。

ふくふく、ぬくぬくと温まっていくのが楽しい。

あと少し起きていたいと思いつつウトウトする、その心地よさ。

本を持って寝床に入っても、いくらも読まないうちにやっぱり眠ってしまう。朝起きたら片手に本を持ち、指を頁にはさんだままのこともある。

ゴトン…

真夜中、外の物音で目を覚ました。耳を澄ましても、それきりシンとしている。気のせいか。

読みかけの本を眺めて眠りに戻ろうと、枕元を探ると

あら、無い?

モゾモゾと寝返りを打ち、反対側に手を伸ばしたが、指先に当たるものは無かった。

ま、いっか、と思ったけれど、どうも気になる。しかたなく、寝床に半身を起こしても

あら~ 無い?

こうなると気になって寝ていられない。

立ち上がり、掛布団と毛布をバサッと振るう。せっかくの暖気が、逃げていく。

しかし寝る前までたしかにあった本は、影も形も見えない。

冷えてしまった布団にくるまり、もしや不埒者が忍び込み、持ち去ったのか、さっきの物音は、そ奴の逃げる音か、不穏な想像に身を委ねる。

それきり眠れなかった、と言えれば格好がつくが、のび太体質の悲しさ、またしても、あっという間に寝てしまった。

短い夢を、いくつも見た気がする。

ドロボウの入る夢、自分がドロボウだった夢…。

布団を上げたら、本はなぜか枕の下にあった。

へいあんちょうのせいかつとぶんがく
(「平安朝の生活と文学」池田亀鑑著 ちくま学芸文庫)



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2020/11/30 11:30
コメント
No title
この時期、布団に入ってだんだん暖まっていくのが快感ですよね。
私はあっという間に眠ってしまいます。
本与読みながら・・というのは灯りはつけっぱましですか?
私は明るいと眠らないので真っ暗にしてます。
No title
一時期、朝起きた時に喉が痛いので、寝る時にマスクして寝てたことがあり、朝起きると、マスクがないと思ったら、二つにたたんで枕の下から出てきました。それも何度も・・・
無意識のうちに、たたんで枕の下に自分で入れたんだと思います。

きっと本も、無意識のうちに、枕の下に避難させたんだと思います。

朝、布団から出るのが辛い季節になってきましたね。もぞもぞしてから起きるようにしてます。


Re: No title
Carlos様

枕元にスタンドの明かりをつけています。

私はこうこうと明るくても眠れるんですよ。
Re: No title
レツゴ―一匹様

マスク アンダー ザ 枕!

私もモゾモゾしてから起きよう、と思ったら、背伸びしたとたんに足がつりました。

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