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ようふく話。

今でこそ既製服はサイズもデザインも豊富だが、50年ほど前は違った。

既製服は「ツルシ」とか「ぶらさがり」とバカにされており、男も女も、お洋服はオーダーしたものなのだ。

誂えるほどでもない普段着は、家で、お母さんが作る。子供服、夏の簡単服、冬のセーター。

イモートと並んで立ち、寸法をとられた次の日、学校から帰って、だだだ…とミシンを踏む音が聞こえると、また新しい服だ、と心が弾んだ。

母は色彩感覚もデザインセンスもいい。小学校で周囲を見回しても、私たちみたいな服を着てる子は他にいなかった。

海水浴には、背中が大きく開いて、鳩目穴にリボンを通して結ぶ、オレンジ色のサンドレス。

胸元にスモッキングとピンクのバラの刺繍のあるワンピースはピアノの発表会に着た。

スカイブルーのAラインのコートには、襟に白いラビットファーがついている。

幼いころからそんなお洋服を着ていた私は、洋服の趣味が良い。

いつも自信満々、一瞥、これしかない!と選んだ服は、子どもたちによく似合って、どこに行っても必ず褒められた。

ただし子供の服に関してだけで、大人になった自分に関しては全然だ。

毎日毎日、今日という日にいったい何を着たらいいのか、途方に暮れた挙句、けっきょくもっとも適さない服を着ている気がする。

オシャレな店に行っても、あふれかえる中から、どれを買っていいのやら、見当もつかない。

黙っていても似合う服を作ってもらえた昔が懐かしいが、今の母にねだっても

最近は既製服が安くていいわねぇ~!

もう、洋裁なんて、やりゃーしないのだ。

ふるいみしん



本日3月4日はミシンの日につき、2014年5月28日の記事に加筆掲載いたします。



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むかしむかし | コメント(4) | トラックバック(0) | 2021/03/04 11:30
コメント
うちの母は洋裁とか手芸は好きだったようで、あれこれ趣向を凝らして作ってくれました。

今の母は、私の方が能力があるだのと、なぜかうらやましがるのですが(そんなものは私にはないが)、私にはワンピース一枚も作れません。

専業主婦とは言え、昔の主婦は大したものだったと思います。
No title
お母さん器用だったんですね。
今はサイズもいろいろあって自分に合ったサイズが見つかりますが、昔は長さを合わせるとウエストがぶかぶかだったり苦労しましたが…
Re: タイトルなし
うさきち様

前にこの記事を載せた時には、編み機の写真をのせたんです。

あの、複雑な機械編を理解できた母を、今も尊敬しています。
Re: No title
Carlos様

そうですよね、昔の既製服はサイズも色もあんまり選べませんでした。

母はしじゅう丈を詰めたり、ウエストを出したりしていましたね。

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