クツシタ本。

その少女の名は、ピッピロッタ・タベルシナジナ・カーテンアケタ・ヤマノハッカ・エフライムノムスメ・ナガクツシタ(大塚勇三訳)。
略してピッピ ナガクツシタは、赤毛をつんつんのお下げに結い、左右ちぐはぐの長靴下を穿いた、やせっぽちの女の子だ。
父子で世界を旅する途中、船乗りの父が行方不明になったので、町はずれの大きな家に、ひとりで住んでいる。
子供だけじゃ心細いだろう、というありふれた心配は、彼女には無用である。
なにしろ彼女は世界一強くて、しかもトランクいっぱいの金貨をもっているのだ。
好きなものを食べ、気ままに寝起きし、学校へも行かないピッピの自由な生活に、小さい頃はあこがれたものだ。
思えば子供の生活は、不自由に満ちている。
何を食べ、何を着て、何時に起きるか、あらゆることを大人に指示され、やりたいことも、大人の許可を得なければできない。
しぶしぶ起きて、いやいや学校に行けば、騒がしくて乱暴な男の子に意地悪される。
そんな日々に、本の中のピッピは、夢のかたまりのような存在だった。
天衣無縫なピッピは、発言もまた自由奔放。長い船旅での見聞をまじえたホラ話で、普通の子供を面白がらせる。
いわく、エジプト人はみんな後ろ向きに歩く。
いわく、グアテマラじゃ足を枕に載せて寝る。
いわく、アルゼンチンで勉強は禁止されている。
子供のころはこのくだりを、まさかねと思いつつも楽しく読んだ。グアテマラという国名を知ったのも、この本でだったと思う。
しかし考えてみれば、もしも作者の頭に日本という国名が浮かべば
日本じゃ生きた魚を頭から飲み込むのよ
ピッピは言い放ったかもしれないのだ。
児童書に人種差別を持ち出す気はないが、欧米人の見る「後進国」の様子を、極東の子供が、同じ気持で読んでいたと思うと、ちょっと複雑だ。
作者リンドグレーンは、児童の人権擁護に尽くした人でもある。今日で没後20年。

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なんか窮屈な世の中から解放されたいです。
なんか痩せっぽちの女の子がハチャメチャやってるなって印象でした。
なんか私は子どもの天衣無縫な感じって、子どものくせに共感しないタイプだった気がします。
大人から見れば、つまんない子どもだったですかね(笑)
赤毛のアンのアンが好きだったなぁ~空想好きな癇癪持ちな女の子が共感できました。
ピッピ・・・子供の頃には好きだったのですけど今読むと周りは大変だろうななんて考えてしまいます。・・・大人って面倒ですね。
ところで
「アルジャーノン」「ヒッチハイク・ガイド」「赤ずきんちゃん気をつけて」全て捨てられない本です。
本棚が崩れないよう気をつけねば(^^;)
束縛を離れて自由に生活したいものですね。
映画は見たことないですが、どたばたしそうですね。
大草原の小さな家のローラとかも、本はそうでもないのに、ドラマだと苦手なかんじになります。
ムーミンも好きだったし、たぶん北欧っぽいのが好きだったんでしょうね。
「やかまし村」とかも憧れました。
おお、きと様もピッピでしたか!
そして、読書傾向も似ているみたいで、うれしい限りです。