まどふき話。
そんなわけで、脚立に上がって窓を拭いてたら
窓ばっかり拭いて… かたいパン食べて…
ふとそんなフレーズが、口をついて出た。
ユーコさんは、モト亭主側の親戚で、お盆や正月には義父母の家で会った。
男どもが飲み食いし、義母がいそいそともてなす間、私たちは、たまたま前にあるものをチマチマつまみながら、ヒソヒソ話をする。
トウモロコシの食べ方を教わった(→もろこし話。)のも、そんな時だったと思う。
ある年の春、ユーコさんの夫君が海外赴任となった。
会わずに数年、ひさしぶりに、おせち料理越しに見る彼女は、ゲッソリと痩せていた。
赴任地で心のバランスを崩し、帰国してきたのだ。
日本でも暖かい地方に生まれ育ったユーコさんに、寒冷な土地の生活は合わなかった。
とっつきにくく、あまりフレンドリーとは言えない国民性も、彼女には厳しかった。
いつも家の前を掃いている、隣家のオバサンには
窓が汚れている ちゃんと掃除しなさい
家を訪ねてきて、注意されたという。
あの国はみんな… 窓ばっかり拭いて… かたいパン食べて…
思いつめた目で、吐き捨てるように言ったユーコさん。
私はその国のかたいパンが好きである。
緯度が高く、冬場の日照時間の短い国で、窓から太陽光を取り込む大切さもわかる気がする。
隣家のオバサンは、それを教えたかったのだろう。わざわざ言いに来てくれるなんて、打ち解けてみれば、親切な人だったかもしれない。
しかし、その時の彼女にはそうは言えず、黙ってうんうんと聞いただけだった。
日本に帰ったユーコさんは、みるみる回復した。
義家との関係も切れ、彼女とも長く会わないが、きっと元気にしていることと思う。


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窓ばっかり拭いて… かたいパン食べて…
ふとそんなフレーズが、口をついて出た。
ユーコさんは、モト亭主側の親戚で、お盆や正月には義父母の家で会った。
男どもが飲み食いし、義母がいそいそともてなす間、私たちは、たまたま前にあるものをチマチマつまみながら、ヒソヒソ話をする。
トウモロコシの食べ方を教わった(→もろこし話。)のも、そんな時だったと思う。
ある年の春、ユーコさんの夫君が海外赴任となった。
会わずに数年、ひさしぶりに、おせち料理越しに見る彼女は、ゲッソリと痩せていた。
赴任地で心のバランスを崩し、帰国してきたのだ。
日本でも暖かい地方に生まれ育ったユーコさんに、寒冷な土地の生活は合わなかった。
とっつきにくく、あまりフレンドリーとは言えない国民性も、彼女には厳しかった。
いつも家の前を掃いている、隣家のオバサンには
窓が汚れている ちゃんと掃除しなさい
家を訪ねてきて、注意されたという。
あの国はみんな… 窓ばっかり拭いて… かたいパン食べて…
思いつめた目で、吐き捨てるように言ったユーコさん。
私はその国のかたいパンが好きである。
緯度が高く、冬場の日照時間の短い国で、窓から太陽光を取り込む大切さもわかる気がする。
隣家のオバサンは、それを教えたかったのだろう。わざわざ言いに来てくれるなんて、打ち解けてみれば、親切な人だったかもしれない。
しかし、その時の彼女にはそうは言えず、黙ってうんうんと聞いただけだった。
日本に帰ったユーコさんは、みるみる回復した。
義家との関係も切れ、彼女とも長く会わないが、きっと元気にしていることと思う。


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国民性がよく表れてそう(どこの国かわからないけど。北欧かな?)。
小説のフレーズにも使えそうですね。
ユーコさん元気にしているでしょうかね~
硬いパンは食べてないでしょうが・・・
昔日を思い出して ドイツでの日々でした
仕事をしてたので管理人に掃除人を紹介していただいてでしたが 休日の日曜日は窓拭き禁止だった様なは周りの人々への配慮でしょう 。
けっこうな悪口ですよね。
私は好きな国なんで、こういう言い方もあるのかって思いました。
彼女の病気は日照時間の少なさによる冬季鬱というものだったそうです。
今は元気にしていてくれるといいなあと思います。
英国にも窓拭きさんありました。賃貸に入ってたので、好むと好まざるにかかわらず来られるんです。
勝手に来て外から磨いて、請求書が入ってるんで最初はビックリしました。