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あるじの話。

うちのお雛さまは、ムスメの初節句に、母から贈られた内裏雛(→おせっく話。)。

豪華な雛人形は、子供の成長に伴い、出さなくなってしまうことも多いようだが、うちのお雛さまは、こじんまり、小さなものである。

しまうにも飾るにも手間をとらないのが幸いして、毎年取り出して飾る。

三宝にのせたひなあられを供えつつ、フシギなもんだな、とふと思う。

うちのお雛さま、なんて呼んでるけれど、人形の主はムスメだ。

私も幼いころは、両親にお節句を祝ってもらった。ガラスケースの前に、ちんまり座った写真が、ちゃんと残っている。

そんな私のお雛さまは、実家にしまいっぱなし。

15人もいる大掛かりなセットなんか、とっくのとうに出す気を失くした母は、ちっちゃな陶器のお雛さまを別に買ってきて、玄関に飾っている。

思い出して、昔のお雛さまの所在を尋ねると

出してもいいわよ でも 出したらしまってよ

言われてそのままだ。

小さな内裏雛とはいえ、扱いに気を使う日本人形を出して飾るのは、面倒といえば面倒である。

無精者の私が、自分のじゃないお雛さまを、毎年飾るのはなぜか、自分でもわからない。

ムスメの健やかな成長を祈ってうちにやってきたお雛さまが、めく日差しの中でほほえむ。

今年も主の顔を見ることなく、桐箱に戻っていくのだろう。

おひなさま



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ごかぞく | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/03/03 11:30
コメント
No title
子供が大きくなるとだんだん出さなくなりますね。
我が家でもどこにしまってあるか?
うちは娘がいないのですが、母が奈良の一刀彫のを買ってくれました。

段飾りのお雛様は、元々武家などの大きなおうちで用意するものでしょうから、今みたいに庶民が持つにはちょっと大きすぎますね。

よく飾られなくなったお雛様を集めて飾るイベントがありますが、ちょっと複雑な気持ちになります。
Re: No title
Carlos様

きっと奥様だけはご存じなんですね。

ちょっと寂しいですね。
Re: タイトルなし
うさきち様

奈良一刀彫!いいですね~憧れです。

毎年物産館で眺めるんですが、コロッとして可愛くて欲しくなります。

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