でんぽう話。
私鉄の急行で隣県へ。
ポカポカと暖かな日差しに、眠くなりだしたころに、その駅を通過した。

デンポウ、というちょっと変わった名前の駅を降りたことは無いし、友人知人にも、ここにご縁のある人はいないけれど
デンポウの星…か…
小さくつぶやいてみた。
今から50年ほど昔、まだ海外旅行が珍しかった時代。
ハイカラ爺さんの祖父は、出始めのJALパックで、嬉々としてあちこちへ出かけた。身の回りの面倒を見るため、祖母もシブシブついていく。
そのころは、ただの観光旅行でも、海外に行くというと餞別を贈ったり、見送りに行ったりした。
わが一族もその例にもれず、子から孫から、雁首揃えてわざわざ空港までお見送りに行った、あれはパリのときか、ハワイのときか。
満面の笑顔の祖父と渋面の祖母が、添乗員に連れられて出発口に消えたあと、デッキに上がると、そこには我々同様、見送りの人が集まっていた。
広々した飛行場の景色はすばらしかったが、それよりも気になったのは、手製の横断幕を広げた騒がしい一団だった。
あんなもの 飛行機の窓から見えるんだろうか?
子供の目にも疑わしく思えた、手書きの文字を
伝法の星 何野何某君
ガンバッテ来いよ!
字配りまでもありありと思い出せるし
デンポウって何?
しばし考え込んだのも覚えている。
地名であると知ったのは、かなり後のこと。
何野何某君が、彼らの期待通り故郷に錦を飾ったかどうかは、今もわからない。

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ポカポカと暖かな日差しに、眠くなりだしたころに、その駅を通過した。

デンポウ、というちょっと変わった名前の駅を降りたことは無いし、友人知人にも、ここにご縁のある人はいないけれど
デンポウの星…か…
小さくつぶやいてみた。
今から50年ほど昔、まだ海外旅行が珍しかった時代。
ハイカラ爺さんの祖父は、出始めのJALパックで、嬉々としてあちこちへ出かけた。身の回りの面倒を見るため、祖母もシブシブついていく。
そのころは、ただの観光旅行でも、海外に行くというと餞別を贈ったり、見送りに行ったりした。
わが一族もその例にもれず、子から孫から、雁首揃えてわざわざ空港までお見送りに行った、あれはパリのときか、ハワイのときか。
満面の笑顔の祖父と渋面の祖母が、添乗員に連れられて出発口に消えたあと、デッキに上がると、そこには我々同様、見送りの人が集まっていた。
広々した飛行場の景色はすばらしかったが、それよりも気になったのは、手製の横断幕を広げた騒がしい一団だった。
あんなもの 飛行機の窓から見えるんだろうか?
子供の目にも疑わしく思えた、手書きの文字を
伝法の星 何野何某君
ガンバッテ来いよ!
字配りまでもありありと思い出せるし
デンポウって何?
しばし考え込んだのも覚えている。
地名であると知ったのは、かなり後のこと。
何野何某君が、彼らの期待通り故郷に錦を飾ったかどうかは、今もわからない。

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伝法の星君
面白い名前の駅ありますね。
私が北海道にいたころ 「幸福」という駅と「愛国」
という駅があり 「愛国」 から「幸福」の切符が
人気でしたが今は廃線になりましたが・・・
そのぢょん子さんの御爺様だもの、
その時代・・・もっともっと愉快な方であったろうと察します。
愛国から幸福行きの切符、私も持っていました。どなたかからのお土産だったかしら。
伝法の隣の駅も「福」駅というんですよ。
祖父のような人は傍目には面白いですが、身内はずいぶん迷惑したと思います。
私の面白いのは文章だけにしたいと思います(笑)。
おなじみの駅なんですね。なんだかうらやましいです。
矢倉緑地、行ってみたいなあ。