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いめるだ話。

かつて私は日本のイメルダと呼ばれていた。むろん権力者の妻だったわけではない。

履かない靴を山と持っていただけである。

いめるだ

マラカニアン宮殿の靴置場よりはるかに狭い部屋に、箱に入った新品の靴が何足も何足も。

バブル期、関西OLの靴は、原色の革にラインストーン、スパンコール。イナズマパンプスの異名を取るほど、それはそれはハデだった。

ハデな靴を手に取れば、宝箱を開けるみたいにヨロコビが湧いて、それだけで元気が出る。

洋服は試着しないといけないが、靴はサイズさえ見れば買えるというのもいい。

パッと買うと、スッと爽快な気持になった。

その日、仕事に疲れた私は、大阪OL御用達のブティックオーサキという靴屋さんに、またしてもフラフラと入り込んでいた。

すると店の奥、ひときわ派手なパンプスの並ぶ一角に、非日常的な髪型で、たった今パーティーを抜けてきたようなドレスの人が、靴を見ている。

イメルダ マルコス!?

誰あろう、ミワアキヒロその人であった。

髪を黄色くする前だった。普通の人じゃない感じはしたが、特別なオーラはなかったと思う。

ただ顔がものすごくでっかい!と思ったのを覚えている。

ほどなくバブルが崩壊し、仕事もヒマになって、むやみに靴を買うのもやめた。

あの頃の靴は、どれもこれもみんな、年月の狭間に消えてしまった。



本日早朝より他出のため、2014年3月14日の記事に加筆のうえ再掲載いたします。



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むかしむかし | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/03/14 11:30
コメント
ぢょんさんは靴フェチ!?
しかし、かの美輪明宏が来るなんて凄そうなお店ですね!

私は足の形が歪で、試着なしでは絶対靴は買えません。パンプスは特に。ヒールをカツカツ鳴らして颯爽と歩くオフィスウーマンからは程遠かったです。
No title
関西のイメルダですか~まだその靴履かずに残っているんですか~

三輪明宏さんが靴を買っていたんですか~
Re: タイトルなし
うさきち様

靴は好きですね~。でも、子供を産んで以来、パンプスは履いてません。

若いころは足に合おうが合うまいが、かっこいい靴を我慢して履きましたが、今はそういうわけに行きませんね。
Re: No title
Carlos様

もう1足も残ってないですね。とってあったら面白かったでしょうけれど。

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