すぐみた話。
シールなどはすぐ剥がす派である私は、同時にスグミル種でもある。(→ すぐみる話。)
スグミル種とミナイ種は、作家の向田邦子による分類で、人間を、プレゼントの包みをすぐ開けるか否かで分けるものだ。

「無名仮名人名簿」 向田邦子著 文春文庫
スグミル種の私は、何かいただくとすぐ、我慢できなくてあけてしまう。
お中元なんか来たら困るだろう。
打ち水をした庭の見える、清らかな夏座敷で、絽の訪問着の美人が、熨斗紙つきの箱をスッと差し出す。
私はと言えば、美人が風呂敷を解いた時からもうソワソワして、中腰になっている。
白魚の指から、ひったくるようにして取り上げ、セロテープをはがす手間も惜しんで、バリバリと包みを破り、箱のふたを開けて、中身を確認する。
野蛮きわまりない。
まあ、さいわい、うちには庭も、座敷も、お中元をもらう当てもないけど。
お中元は来ないが、プレゼントをくれる優しい人は時々現れる。
その時困るのは、ステキなラッピングだ。
世の中には細やかでセンスの良い女性がたくさんいて、かわいいラッピングを施してくださる。

キレイなリボン、カワイイ包装紙、オシャレなカード…嬉しくないわけはない。
でも、バリバリとあけてしまったあとの、そのリボンは、包装紙は、どうしたらいいのか。
取っておく場所はない。かといって、すぐにゴミ箱行きはせつなすぎる。
私はスグミル種であると同時に、貧乏性なのである。
つくづく因果な性分だと思う。

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スグミル種とミナイ種は、作家の向田邦子による分類で、人間を、プレゼントの包みをすぐ開けるか否かで分けるものだ。

「無名仮名人名簿」 向田邦子著 文春文庫
スグミル種の私は、何かいただくとすぐ、我慢できなくてあけてしまう。
お中元なんか来たら困るだろう。
打ち水をした庭の見える、清らかな夏座敷で、絽の訪問着の美人が、熨斗紙つきの箱をスッと差し出す。
私はと言えば、美人が風呂敷を解いた時からもうソワソワして、中腰になっている。
白魚の指から、ひったくるようにして取り上げ、セロテープをはがす手間も惜しんで、バリバリと包みを破り、箱のふたを開けて、中身を確認する。
野蛮きわまりない。
まあ、さいわい、うちには庭も、座敷も、お中元をもらう当てもないけど。
お中元は来ないが、プレゼントをくれる優しい人は時々現れる。
その時困るのは、ステキなラッピングだ。
世の中には細やかでセンスの良い女性がたくさんいて、かわいいラッピングを施してくださる。

キレイなリボン、カワイイ包装紙、オシャレなカード…嬉しくないわけはない。
でも、バリバリとあけてしまったあとの、そのリボンは、包装紙は、どうしたらいいのか。
取っておく場所はない。かといって、すぐにゴミ箱行きはせつなすぎる。
私はスグミル種であると同時に、貧乏性なのである。
つくづく因果な性分だと思う。

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すぐ見る派ね~実は私もなんです。
母は丁寧にセロハンテープをはがし、包み紙を丁寧に伸ばし
たたんでしまっておくのですが・・・
子供のころバリバリ破いて叱られたことがありました。
今でも、途中までは丁寧にあけるんですが、最後は面倒くさくなって、ビリビリ!
きれいなラッピングは本当に困りますよね。
しばらくはとっておきますが、そのうちゴミ箱行きです。
もちろん包装紙はバリバリです。
ラッピングは言わば瞬間芸です。
その芸術性が短いのは仕方がないんです。
向田邦子、好きでした。
片っぱしから読んだ記憶があります。
それはそれは過分のお言葉、お盆で戻ってきた向田さんに叱られそうです。
私も若い頃は向田エッセイが大好きで夢中で読みました。
なくなったのはこんな暑い時期でしたね。調べてみて、没年が今の私よりもお若いことを知って驚いています。
本当の名人でした。
昔のお母さんはそうでしたね。うちの母も、丁寧にテープをはがし、紙を伸ばして、紐は紐で輪っかに巻いて缶に入れて…ってやってました。
あの紙は何に使ってたんだろう?と今にして思います。
ウフフ…バリバリですか!
私もバリバリです。
俺たちバリバリだぜ…って、古い?
>ラッピングは言わば瞬間芸です。
>その芸術性が短いのは仕方がないんです
まったく同感です。
ただ、そのラッピングをやってくれた本人が前にいる場合どのようにふるまうべきか、まだ答えが出ません。