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あるばむ話。

お墓参りの後、メイちゃんと写真を撮りっこしていたら、おばーちゃんが言う。

今は写真もカンタンよね~ 小さい子でも撮れるもん 昔のカメラじゃ難しくて…

確かに、パッと向ければ撮れる今のカメラと違って、昔は露出だの、絞りだの、難しかった。

カメラそのものも、漬物石のように重かった。

だから我が家で写真を撮るのはおじーちゃんの仕事だった。

私とイモートを並ばせると、カメラのあっちこっちを回したりひねったり調節して、おもむろにカシャリと1枚。

運動会、旅行、誕生日、お正月、あんなめんどくさいカメラで、よく撮ってくれたと思う。

おじーちゃんのかめら
 (重くてめんどくさいカメラ)

しかも、ミョーなところでマメなおじーちゃんは、アルバム整理も完璧だった。

まず、アルバムが、家のと、私のと、イモートのと、3冊に分かれている。

お嫁に行く時持たしてやろうという親心だ。

私のアルバムには、私の写真。イモートのには、イモートの写真。

私とイモート、二人が写った写真は、わざわざ焼き増してそれぞれに貼ってある。

きちんと添えられた、日付と場所のラベルは、特徴のあるおじーちゃんの字だ。

生まれてから中学生まで、15年分のアルバムは、二人ぶんで30冊。

プリント一つとっても、DPEの時代、大変な手間と労力だ。

それをなによ、あんたたち!全部うちに置きっぱなしで!

そうなのだ。

家を出ても、狭い新居じゃ置き場がなくて、私もイモートも、ずっと実家に置きっぱ。

おじーちゃんの親心は、ほぼムダである。

まーまー、いいじゃないの おかげでこうしてみんなで見れるんだし…

イモートがとりなしたが、お盆で戻ったおじーちゃんが、隣で憮然としている気がした。



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/08/14 08:50
コメント
No title
こんにちは
お父さん几帳面な方だったんですね。
昔の写真を眺めながら、当時の思い出に浸れるのも実家があるからでしょうね。
いいお盆んなりましたね。
確かに
昔のカメラは重かったですね。
学生の時、初めて一眼レフのカメラを買いにった時、重いと店員さんに文句をゆーと「これで重いと思うなら一眼レフは買えませんよ」と戒められたことを思い出しました。

お父様の整理したアルバムは宝物です。
ぢょん・でんばあ様、宝物は永遠です。
いいな
私も子供達の運動会なんて、カメラを4台ぐらい用意して出掛けました。
モノクロ、カラーネガ、リバーサルと使い分けていたので結構楽しんで写したものです。
圧巻は、リバーサルフィルムの画像を壁いっぱいに投影して、子供達と見る時です。
ビデオカメラは買えませんでしたが、幻燈会は迫力満点。
運動会の写真はモノクロームに限ります。
コントラストの強い陰影の中で子供達が生き生きと浮かび上がります。
現在のようにパソコンに取り込んだ画像に比べ、インパクトが違います。
お父様が残されたアルバムを大切になさってください。
コンタックスなんて垂涎の的!。
No title
坂本龍馬の写真が残っているように「モノ」は残る。だけど「データ」はいつか消える。
ビデオテープで残していてもビデオデッキがなければ見られない。ハードディスクも無限ではない。
文明が発達するということは、はかなさが増して行くということなのかも知れません。
Re: No title
Carlos様

子供を連れて実家に集まれるということの幸せを、改めて思います。

そんな時に父がいない寂しさも、また感じるのですが…。

楽しい時間もあっという間に過ぎて、間もなく送り盆です。
Re: 確かに
rockin'様

記事を書くのに父のカメラを出してみて、改めてその重さに驚きました。

こんなものを首にかけて、海に山に運動会に、よく出かけたものだと思います。

父の写真が、さらに大切なものに思えてきました。
Re: いいな
MK様

わあ、スゴイですね!さすが凝り性のMK様、本格的です。

うちの父は文化系で、どちらかというと機械モノは苦手。家ではヒューズが飛んでも取り替えは母がやっていました。

それなのにカメラに関しては、なぜか頑張っていました。

コンタックスは確か、伯父のお譲りだと思います。ケースや英文の取扱説明書も残っていて、使わないですが大切にしまっています。
Re: No title
old comber様

私は、震災の文書クリーニングのボランティアをした時、それを痛感しました。

データは水をかぶると瞬時に飛んでしまいます。

紙に焼き付けた写真は、汚れてもちぎれても、その面影を残します。

同時に、和紙に墨で書いた日本の古文書の強さを改めて認識しましたよ。

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