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えきべん話。

昨日は時代祭を記事にしたが、それにつけても思い出すのは、あの時のお弁当である。

バイトの子全員にあてがわれる弁当だから、オカズも贅沢ではなく、野菜や乾物の煮〆に、かまぼこ、お漬物、そんな感じだったが、それがよかった。

京料理というと、マッチ箱ほどのかたまりを高そうなお皿の真ん中にのせ

ナントカのカントカ焼きでございます…

とすまして差し出してくるアレではなく、名前もついてないような、普段のオカズばかり。ほとんどお精進なのに、しみじみかみしめたくなるほどおいしかった。

おそらくは地元業者の仕出しだったろう。もう食べられないと思うと、よけいに記憶に残る。

私にはもう食べられないお弁当がもう一つある。

10年ほど前までは、地元関西を離れていたので、長い休みには、新幹線に乗って帰省した。

実家では家族でくつろぎ、昔の友達に会い、あっという間に帰る日になってしまう。

名残を惜しむ帰りの新幹線に、必ず買って乗り込んだのがこのお弁当。

すいりょうけんのはっかくべんとう
(→ 水了軒 八角弁当

ちまちまといろんなオカズが詰められていて、何がどうということはないのだが、食べているとだんだんいい気分になってくる。

美味しいお弁当の条件は温めたくならないこと。食べている間に

これ、レンジでチンしたら美味しいだろうな~

と、ちょっとでも思ったらダメなのだ。

その点でもこのお弁当は満点であった。

その後私は地元に戻ったため、休みごとに新幹線に乗ることもなくなった。

もちろん駅まで行けば同じお弁当は売っているのだけど、それは何か違うのだ。

窓の外を流れ去る風景に、次の休みまでサヨナラ、と心の中で言いながら箸を動かすのでなければ、あの味ではないような気がする。

地元に帰れたことは嬉しいけれど、あのお弁当の味はちょっぴり懐かしい。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/10/23 10:48
コメント
No title
こんにちは
駅弁ね~、旅をする楽しみのひとつですよね。
最近では、電車に乗る機会も少ないので、駅弁を買うこともなくなりましたが、最近はデパートで駅弁大会が行われ、
たまに買って食べることがありますが、どうも違うんですね。
やはり車窓を眺めながらでないね~
Re: No title
Carlos様

デパートの駅弁大会の賑わいを見ると、つい一つ買ってしまいそうになりますが、いつも「待て待て…」と思いとどまっています。

遠くでなくていいから、特急列車に乗って、駅弁を買って、どこかにフラッと行ってみたいですね。

そう思いつつ、土曜日だというのに仕事です…。
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Re: おおおお!
鍵コメr様

貴殿のご提案に関しましては、残念ながら不採用とさせていただきます。

理由は、美味しいお弁当の最大の条件は

・自分で作ったものではないこと

だから、であります。

あしからずご了承くださいませ。

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