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きがちる話。

卒業の季節。

そつぎょう

♪ああ卒業式で泣かないと 冷たい人と言われそう♪

とサイトウユキも歌っているが、だったら私も冷たい人だ。

自分の卒業式でも、子どものでも、一回も泣いたことがない。

決して無関心なのではない。いつも非常な興味を持って、どんなシーンも見逃さぬよう、どの一言も聞き逃さぬよう、がんばっている。

しかし、むしろそれが気の散る要因なのかも、とも思う。

ムスメの中学の卒業式では、和食屋でよく流れているような、J-POPを邦楽にアレンジしたBGMが流れていた。

ちょうど、ムスメが卒業証書をもらうため、しずしずと校長先生の前に進み出た時、曲がX-JAPANの「に変わった。

♪ク~レナイにそ~まった このオ~レを~ な~ぐさめるヤ~ツは も~い~な~い~♪

のメロディーが…スローテンポで…お琴で…校長先生は真顔で…ムスメも大マジメで…。

♪オレが~みえないのか~ スグそ~ばにいるのに~♪

他に何も考えられず、吹くのをこらえるうちに式は終わった。

先日のムスコの卒業式でも、あのBGMではと恐れていたが、幸い新曲が導入されており、一安心した。

式は順調に進み、来賓の祝辞。

壇上に上がった今期のPTA会長は、フォーマルスーツのスカートも短めで、小柄でかわいらしい若いお母さんだ。

緊張した面持ちで演壇に進む彼女に、心の中で「頑張って!」とエールを送る。

パフン パフン パフン

不思議なゆるキャラ的な音がしたので、会長の足元を見ると

ムートンブーツ

暖かそうなムートンの室内履き。

確かに、中学の体育館は冷える。卒業式の案内にも

冷えますので暖かくしておいで下さい

とは書かれていたのだが。

小柄な会長の足首をクリンと取り巻いたムートンが、カワイイ仔リスさんのようだ。

すごい勢いで吹き出しそうになったが、鋼鉄の腹筋でなんとか抑え込んだ。隣席のお母さんが、小刻みにプルプル震えている私を、不審そうに見ている。

こうして私はまた、冷たい人でなくなるチャンスを逸したのである。


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ごきんじょ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/03/20 18:21
コメント
No title
こんにちは
まだお若いですね
人間60歳くらいを過ぎると前頭葉の抑制が
衰えてきて感情失禁状態となり涙もろくなりますよ

そういうことではなくてじょんさんの場合は
あまりにも気が散ることが多いことですかね
でもふきださないでよかったです
Re: No title
コメント有難うございます。

いい年をして、つまらないことにばかり気がついてソワソワするのは、いい加減にしなければとは思っているのですが、三つ子の魂なんとやらで、なかなか難しいです。

いろいろなことに感動して流す涙は、純粋で素敵なものだと思います。気持ちよく泣くことはストレスの解消にもなるとか。もしかしたら健康の秘訣になるかもしれませんね!

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