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ペーター本。

今日はこの本。

ろまんちっくらいふをつくる

佐藤憲吉、と言われてピンとこない人でも、ペーター佐藤の名前なら聞き覚えがあるんじゃないだろうか。

それもわからない人も、これ↓なら見たことがあるはず。

ぺーたーさとう

ミスタードーナツの持ち帰り用のボックス。あの愛らしい少年少女のポートレートを描いたのが、ペーター佐藤なのだ。

近年はパステルや色鉛筆によるイラストが多かったが、80年代にはエアブラシを用いた、未来的でクールなイラストで注目されていた彼の、画集を除く唯一の著書がこれである。

はじめてこの本を手にした時、私は中学生。

周囲にいるといえばオッサンガキか、ハナをたらして野球をしているか、ビールを飲みながら野球を見ているかのどっちか。

ところがこの世の中には同じ男でも

僕のロマンチシズムの条件は、透明感があること。

とのたまい、

サテンで作ったティアード・スカートの華やかさ

やら

ロマンチックに装いたい時は、ヴェールのついたカクテル・ハット

などというオニイサンも存在するのだ!と、私は大げさではなく、文字通りシビレた

ロマンチック・ライフと銘打たれたとおり、洋服だけではなく、インテリア、アクセサリー、メイクまで、統一した一つの美意識を持って生活する、美しいものを自分で作る、いろんなアイデアや方法が書かれている。

そのあまりのステキさに、木造平屋に住み、ホコリ臭いセーラー服を着た田舎の中学生は打ちのめされたのだ。

ちなみにこの本で

ニューヨークはワシントンスクエアの近くのユニーク・クロージングというブティック

の存在を知っていたため、ユニクロというものが出てきた時、なんだ、パクリじゃん、とすぐ分かった。

昭和52年11月初版、もちろん絶版です。



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ブックガイド | コメント(4) | トラックバック(0) | 2014/04/19 18:14
コメント
No title
おお、ペーター佐藤ではないですか。
まとめて作品を見たいんですが、機会がないんですよね。

私も美しいものに敏感でいたいですわ。
ビール飲みながら野球を見るオッサンですが。(笑)
Re: No title
あやかしの鼓様

ペーター佐藤に反応してくださって嬉しいです。もう亡くなってずいぶん経つんですよね。

野球とビールを引き合いに出してしまってすみません。

私自身この頃ちょうど、父と一緒に阪神(ブリーデン・ラインバックの時代)を応援する女子中学生でしたし、今はビールが夕餉の友です。

50のオバハンになっても、野球にもビールにも美は見いだせると思いたいですね。
No title
ああ。ラインバック(泣)
彼も亡くなってずいぶんと経ちますなあ。
といっても、野球をルールも分からず漠然と見始めた頃の選手なんで、ほとんど印象に残ってないんですが。

野球とビールはオッサンの永遠の友だからしゃあないですよ。(笑)

夏の高校野球で、高校生に少し申し訳なく思いつつ、甲子園で飲むビールがまた旨いです。

そらそうと。

美とは価値観の破壊によって生まれるものだと、私は理解してますので、なにが美しいのかなんて誰にもわかりませんよ。相対的なもんですし。

現代美術なんてやったもん勝ちですしね。
Re: No title
ペーター佐藤も没後20年なんですってよ。

諸行無常ですねえ。

現代美術は、ムスメがそっち系の大学なんで、いろいろ目にする機会もありますが、だいたいの感想は、やった本人は楽しかったんだろうねえって感じです。

美はとても個人的なもので、他人に説明した時点でもう劣化が始まっているんだろうなと思います。

美しいなと思うモノを、何も御託を言わず人にただ示して、その人も同じ気持ちになったと感じられると幸せですね。

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