ミツケタ本。
まだヤモリについて考えている私である。
特に好きだという自覚はないが、ヤモリについて考える時、トカゲやイモリの時とは明らかに違う、一種の感情が湧きおこるのを感じる。
その淵源を尋ぬるに、子供の頃読んだ童話が、ゆらゆらと記憶の中に立ち上ってきた。
題名や詳細はわからないが、それはヤモリの家族の話であった。
古家の屋根裏で暮らすヤモリの一家を、ある日不運が襲う。
雨漏りの修理だか何だかで打ち込まれた釘が、油断していた父親を突き刺したのである。
不幸中の幸いというべきか、彼は死を免れ、ただ釘に貫かれて身動きならない境遇となった。
一家は動けない父親にせっせと食べ物を運んで養う。
そんな話だった。
油断していて釘で打たれる、という、悲惨かつ間抜けな状況は、いかにもヤモリらしい。
それにしても、いかにヤモリとはいえ、胴中を釘で貫かれるなんて救いのない状況を、よく童話になぞしたものだ。
「ヤモリ 釘」で検索してみると、もともとは民話らしい。
屋根の修理に上がった大工が腐った板をのけてみると、ヤモリが釘に刺さっており、周囲に他のヤモリがいた、という、人間側からの簡単な話になっている。
しかし、私が読んだものでは、ヤモリが会話し、泣いたり笑ったりしていた。
釘に刺さったままの父親が、子供に向かって、おどけてコマのように回って見せる、というような描写もあった。
民話そのものではなく、そこから採話した童話なのだろうか。
「ヤモリ」と入れるとずらずら出てくる図鑑の類をよけながら、図書館のサイトで延々と検索し、「泣いた赤おに」の作者の全集から、それらしい話を見つけた。
さっそく読めばいいのだが、ここまでやって、なんとなく足踏みしている。
自分の記憶が正しいのか、それとも都合よく歪んでいるのか。
それを確かめるのは、いつも少し怖い。

(「五ひきのやもり」が収録されているのは→「浜田廣介童話集」 ハルキ文庫)

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特に好きだという自覚はないが、ヤモリについて考える時、トカゲやイモリの時とは明らかに違う、一種の感情が湧きおこるのを感じる。
その淵源を尋ぬるに、子供の頃読んだ童話が、ゆらゆらと記憶の中に立ち上ってきた。
題名や詳細はわからないが、それはヤモリの家族の話であった。
古家の屋根裏で暮らすヤモリの一家を、ある日不運が襲う。
雨漏りの修理だか何だかで打ち込まれた釘が、油断していた父親を突き刺したのである。
不幸中の幸いというべきか、彼は死を免れ、ただ釘に貫かれて身動きならない境遇となった。
一家は動けない父親にせっせと食べ物を運んで養う。
そんな話だった。
油断していて釘で打たれる、という、悲惨かつ間抜けな状況は、いかにもヤモリらしい。
それにしても、いかにヤモリとはいえ、胴中を釘で貫かれるなんて救いのない状況を、よく童話になぞしたものだ。
「ヤモリ 釘」で検索してみると、もともとは民話らしい。
屋根の修理に上がった大工が腐った板をのけてみると、ヤモリが釘に刺さっており、周囲に他のヤモリがいた、という、人間側からの簡単な話になっている。
しかし、私が読んだものでは、ヤモリが会話し、泣いたり笑ったりしていた。
釘に刺さったままの父親が、子供に向かって、おどけてコマのように回って見せる、というような描写もあった。
民話そのものではなく、そこから採話した童話なのだろうか。
「ヤモリ」と入れるとずらずら出てくる図鑑の類をよけながら、図書館のサイトで延々と検索し、「泣いた赤おに」の作者の全集から、それらしい話を見つけた。
さっそく読めばいいのだが、ここまでやって、なんとなく足踏みしている。
自分の記憶が正しいのか、それとも都合よく歪んでいるのか。
それを確かめるのは、いつも少し怖い。

(「五ひきのやもり」が収録されているのは→「浜田廣介童話集」 ハルキ文庫)

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ヤモリの話そんなにあるんですか~
検索してみます。
釘に刺されたヤモリ、気の毒ですね。
そして、ヤモリは家を守っているというけれど、この話は違いますね。
草々
元は民話なんですねぇ。
また機会があれば読んでみたいです。
お見舞いが遅れましたが、お具合はいかがですか?
美味しいお酒もほどほどになさって、どうかお身体は大切になさってくださいね。
民話としての採録に加えて、浜田廣介がそれを素材に童話に書き直したものがあるようです。
もしお読みになったらまたご感想をお聞かせください。
タイに滞在した時は、鳴くヤモリの声に驚かされました。
緑のヤモリはささげくん様の暮らしを外から見守ってくれているのかしら。
人間以外の動物にも心を寄せていたいものですね。
私も図書館に予約を入れました。
思っていたような話かどうか、ドキドキです。
トカゲではこうはならない。
でも、今の家にはヤモリが来ないな。
前の家ではガラス戸にへばりついていたのに。
人間とヤモリをめぐる感情については、去年の記事「やもりの話。」をご参照ください。
http://okkanabikkuring.blog.fc2.com/blog-entry-538.html
おほほ。