ほっこり話。
(「BFG:Big friendly Giant」)
新作アニメ映画のCMで、人気の子役がこましゃくれた顔をして
この映画、ホッコリします!
なんて言っているが、どうも変な感じで困る。
まず、子供が使う言葉じゃない、という感じがある。
関西ではこのホッコリ、ばあさんが多用する。皺ばんだ口もとをモグモグさせて
ああ、ホッコリするねえ…
などと言ってこそのホッコリである。
そもそも、ホッコリはホカホカ暖かいという意味ではない。
例えば、早朝からの農作業。
腰を曲げた姿勢で立ちっぱなし、根気のいる仕事を黙々とこなして、ようやくお昼の時間になる。
何時間かぶりに腰を下ろし、共に働いた家族と囲む食卓。
質素だけどしっかりしたお昼ごはんを、よく噛んで、おいしく食べる。
食後のお茶をすすりながら、一言。
あー、ホッコリした
これが私の考える正しいホッコリである。
あるいは、80過ぎたおばあさんが、手押し車なんか押してコトコトと買い物に出る。
トーフを買い、ネギを買い、牛乳と明日のパンを買えばオシマイの買い物だが、ヒザの悪いおばあさんにはひと仕事なのである。
帰り道には、何十年となじみの純喫茶の窓際に座って休憩だ。
ホットコーヒーにミルクを最後の1滴まで入れて、お砂糖はいつも3杯。
ふーふーと湯気を吹いて、ひとくち飲んで
あー、ホッコリした…
これこそホッコリの正しい使い方である。
そこに込められているのは、労働の疲れとそこからの解放、そしてささやかな日々の達成感。
ホッコリの瞬間は、どんな映画を見たって、自ら汗をかかずには、決して得られない。
ホッコリの前には、厚い人生の年輪があり、厳しい日々の労働があるのだ。
わかったか子役よ。ガキンチョにホッコリはないのだよ。
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ホッコリね~
確かに疲れて一休みしたときに出る言葉かもしれませんね。
ガキンチョがいう言葉じゃないですね。
そう、少なくとも子供が使う言葉ではないですね。
もっと地元弁を使えば面白いのにね。
改めて考えてみるといい言葉ですね。
気が付かなかったなあ~・・・
ぢょん でんばあさんの魔法で
また一つ言葉が輝きました。
どういう場面で使うかというと、
子どもが風邪を引いて熱を出した、医者にも行き薬も飲んで養生している、しかし回復がはかばかしくない、いつまでもすっきりと治らない、もうこれで安心とならない。そんな時に、大人たちが「ほっこりせんのう(=ほっこりしないねえ)」と心配気に子どもに語りかける、
というような具合でした。
してみるとどうも、「ほっこり」するためにはその前段階に何らかの心身の労苦・難儀が必要のようですね。
以上、ご報告でした。
確か母親が使ってましたね「ほっこり」を。
「ほっこり」のニュアンスは分かりますが、私は使いませんね。
ぢょん でんばあ様は使われますか?
私もいい年になりましたが、それでもなかなか言いにくい言葉です。
ほのぼの、とか、ホカホカ、といえばいいところでホッコリを連発する人がたまにいて、当惑します。
ステキな人ですね~。
みっちり仕事したって実感がこもってますよね。
わー、魔法だなんてそんな~。
魔女になれるかな、なりたいな。
ほほう、興味深い用例です。
枕元に座ったおじいさんが「ほっこりせんのう」と心配そうに言ってくれたら、熱があってもよく眠れそうです。
私はまだ、「ほっこり」には年齢も人生経験も不足してる気がして、言いにくいですねえ。
それをあの子役めが…。