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しまいの話。

おばーちゃんがちょっとした手術をする。

命にかかわる問題ではなく、日常の不快感を取り除くためのものだ。

日帰りでも手術なので、事前説明から付き添うことにした。

症状の説明を受け、諸注意を聞くうち、おばーちゃんの顔が、どんどん心細げになっていく。

病院にお世話になった方ならご存知だろうが、

手術中に○○の場合、○○することがあります

○○を○○した場合、後遺症が残ることがあります


まあこんな風に、最悪の事態を軽く示されてしまうわけだ。

おばーちゃんはだいたいがクヨクヨするタチである。

○○したらどうしよう…

○○したせいじゃないかしら…


ふだんから、取り越し苦労や繰り言が多い彼女に対し、私は言っても仕方がないことは言わない、というタイプ。

若い頃はそういう母と

そんなこと今さら言ってもしょうがないでしょ!

アンタには思いやりというものはないの!

などと、よく衝突したものだ。

私も年をとり、ケンカもめんどくさくなったが、内心は付き合い切れねーなと思っている。

おばーちゃんのほうも、不安だったり、眠れなかったりすると、イモートに電話しているようだ。

イモートは私と違って、母の根拠のない不安を、うんうんと聞いてやる余裕がある。

優しい妹と、意地悪な姉娘。

まるで童話みたいだ。

残念なことに、優しい妹娘は、遠く離れた場所に住んでいて、助けに来られない。

お気の毒さまだが、おばーちゃんには意地悪な姉娘の付き添いで、我慢していただこう。

あねむすめ
(ホウレイセンの描き方に悪意を感じるシンデレラの姉娘)



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2018/12/05 11:30

つまらぬ話。

今日という今日はアレを買って帰らないと!

朝、たしかにそう思って出てきたのに、そのアレが何だか、ぜんぜん思い出せない。

食べ物か、日用品か、はたまた衣類か。

すっぽりと抜け落ちて、まったくのノーヒントである。

今日という今日は、ということは、買わずに済まされない、切実な必要であるはず。

なにがなんでも思い出さなければならない。

懸命に記憶をたどり、ようやくかすかな光明を見出した。

昨日、その品物を頭に描いたとき

あーあー すっげえつまんねー買い物…

と、思ったのだ。

私だって女のハシクレだから、たまにはオシャレなお洋服だの、評判のスイーツだの、華やかな買い物がしたい。

しかし件の品物は、その対極にあるような、つまんねー物らしい。

有力な手掛かりに勢いを得て、さっそくつまんねー物とは何か、考える。

ツマヨージ、2円切手…

まずは小さくて安いものばかりが頭に浮かぶが

小麦粉、衣類の虫よけ、風呂のカビ取り…

日常使う、当たり前のものは、つまんねーかもしれない。

布団カバー、風邪薬、バスの定期…

ちょっと高価でも、赤毛のアン風に言えば「ちっとも想像の余地がない」実用品は、やっぱりつまんねー買い物だし、

義理で贈るお歳暮、断れない飲み会…

そんなお金の使いかたも、つまんねーものだ。

では、私にとってつまんなくない物とは何なのか。

なんだか哲学的な方角に進みはじめたので、買い物はあきらめることにした。

あかげのあん



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もろもろ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2018/12/04 11:30

さばさば話。

若い頃からベッタリしたお付き合いが苦手で、女性の集団というと構えてしまう。

スポーティーだからといって油断は禁物である。運動部女子など、キャピキャピ(死語)の女子以上にジメジメして、集団になると陰湿な子が多い。

断言するが、アタシはサバサバしてるのヨという女に、ホントにサバサバした女などいない。

女性的な部分をヘンに隠しているだけ、より一層タチが悪いのだ。

さゔぁかん
(おいしいサバ缶もサバサバしていない)

春に入った合唱団も、なにしろというだけあって、たくさんの女性がいる。

ヒガシノさんとはじめてお話した時も、私は少しく警戒していた。

60代前半くらいか、ぽっちゃりした奥様風の外見。慣れない私に親切にしてくださるアドバイスを、ありがたく聞きながらも、

あ、これは一緒に帰る感じだな

憂鬱に思ったことは否めない。ところが彼女は、言うだけのことを言うと

それじゃまた 来週ね!

サッと離れて、かといって他の人と合流するでなく、ご自分の方向にサッサと行ってしまった。

アレ?と拍子抜けだが、気分はわるくない。

同じパートのヒガシノさんとは、会えばお話するようになったが、いつもこんな感じなのである。

人生経験から来る距離の取り方なのか、上手いなあ、と思う。

先日は練習の前に立ち話をし、じゃ、とそれぞれの席に分かれかけて

あ、そうだ これ うちの庭の…

コートのポケットに手を突っ込み、明るい黄色に色づいた柚子の実を1つ

来るとき ちぎってきたの

と、いきなり手のひらにのせてくださった。

爽やかな香りのむこうに、キュッと口角を上げた特徴的な笑顔を見せたと思ったら、お礼も言わせずに、もう行ってしまった。

どこにでも、カッコいい人というのはいるものである。



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2018/12/03 11:30

さぼった話。

ガラン… ガラ… ゴト…

鈍い金属音で目が覚めた。

うるっさいなァ…

寝返りを打てば、髪から煙たいニオイ。

忘年会というにはちょっと早いが、昨晩は炉端焼に行ったのだった。久しぶりに飲んで、お風呂も面倒になって、歯だけ磨いて寝たのだ。

もうちょっと寝て、起きたら熱いシャワーを浴びよう。

ゴトン… ガラン…

にしてもうるさいなァ 何やってんだ日曜の朝っぱらから…

もう1度寝返りを打って

ハッ!今日!

飛び起きて時計を見れば、開始の9時を20分回っている。

今日は団地の清掃日。ガラガラ音がしていたのは、側溝の蓋を除けていたのだ。

マズい、マズいぞ

今から着替えて顔を洗って、飛び出しても9時半を過ぎる。

狭い敷地を、住人全員で形式的に掃除するだけだから、1時間もすれば終わってしまうだろう。

終わりがけにノコノコ出て行ったら、かえって目立ってしまう。

サボりだ!

瞬時に結論が出た。

そうと決めたら寝てればいいようなものだが、外から声をかけあって働く気配がすると、なけなしの罪悪感が湧いてくる。

モソモソと起きて、テレビを点け、カーテンを

ハッ!

今、開けたら、外にいる人と目が合ってしまう。

慌てて開けかけたカーテンを閉め、念のためテレビも消した。

シャワーを浴びたいが、風呂場の窓は外に面している。

ア~ラ 掃除にも出ないで 優雅にお風呂?

などと思われたら、ご近所づきあいに支障が出る。

外の気配に耳を澄まし、薄暗い部屋で息をひそめることしばし。

集まった住人は、やがてガヤガヤと世間話をしつつ、三々五々自分の部屋に戻っていった。

はー、やれやれ…

ホッとして、カーテンをシャッと開けたら、なぜかたった1人残っていたオジサンが、軍手を外しながら、驚いたようにこっちを見た。

くまもんぐんて
(掃除にはめるのはもったいないくまモン軍手)



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/12/02 11:30

くいーん話。

ロックバンドQUEENの伝記映画がヒットしているという。

50代の私は世代としてはドンピシャなのだが、洋楽にはさっぱり疎いため、見るつもりはない。

ところが、私以上にさっぱりなはずのムスメが、この映画を見に行くという。

なんで?QUEENなんか知らないでしょ

知ってるよ~ 犬のおまわりさんでしょ

一見意味不明なこの会話、我々世代の親子なら、分かる人も多いと思う。

15年以上前「ハッチポッチステーション」という子供番組が、平日の夕方に放映されていた。

中になぜか、子供の知らない昔のヒット曲のパロディーを歌うコーナーがあった。

しかも、どれも必要以上にクオリティーが高い。

プレスリーにディープパープル、ジェームスブラウンにストーンズと、登場するどのアーティストも知らない子供も、このコーナーが大好きだった。

オトナが本気で楽しんでいれば、コドモにもわかるのだ。

その1つが、大ヒット曲「ボヘミアンラプソディー」に乗せて歌う「犬のおまわりさん」だった。



どうですかこれ。

ムスメは本家より先にこれを歌って育ち、母親の私は、ムスメ以上にこの番組に熱中した。

年月は流れ、幼稚園児だったムスメは社会人となったが、

応援上映ってのがあってね~ 拍手したり 声出して歌ってもいいんだよ~ 行かない? 

やめとくわ ♪マ~マのなまえはミヨコ~♪なんて歌っちゃったら恥ずかしいし

いやホント、そうなる恐れは十分にある。



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てれびじょん | コメント(12) | トラックバック(0) | 2018/12/01 11:30
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